日日日のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「――君たち、残念なことに、大勢はすでに動いてしまっている。途方もない歴史の流れ、どうしようもない区切りはすでに通過してしまったあとなのよ。個人の力で、今さらそれは覆せない。私たちにできるのは、その大きなうねりのなかで何を為すかということ。変わってしまった舞台で、どのように振る舞うかということ」
鉄格子の向こうで、古頃の校長は静かにつぶやく。
「全力で思考して、全力で行動しなさい。悔いのないようにね。助言はあげないわ……ただ、この場所には長くいないほうがいいとだけ、忠告させてもらう。あんまり迂闊に今や要塞と化したこの古頃にいると巻きこまれるわよ、子供たち」
それから、ついでのように彼女は付け加えた。
「伊依くんはたぶん、無事でいるわ。えぇ、まさか殺さないでしょう――怪造学会にとっても、彼女の存在は希望なのだから。ただ、覚悟はしていて」
謎めいた、不安になるような言葉を添えて。
「次に会ったとき、もしかしたら君たちは彼女を彼女と認識できないかもしれない。空井伊依は間違いなく歴史の巨大なうねりのなかでねじ曲げられる。その歪みをどこまで抑えられるか、どれだけ元に戻せるかは――君たちしだいよ、お友達?」
話は終わりだとばかりに、それだけ一方的に告げると、彼女は魔夜たちに背を向けてしまった。あとには――痛いくらいの静寂のみが残される。”
ヘッケンタール:赤色の服の鼠
オヴリビオン:緑色の服の鼠
クラムクラム:青色の服の鼠
終わりに向けて急速に加速しだした感じ。
魔王の復活に、憤怒大公との約束の成立。
遊はユウキに監禁され、真子は目的を得、次郎花は異常事態。
魔姫と彼女、どちらが本物で複製か。
魔王と総長、どちらが本物で複製か。
戦いはまだ、幕を開けたばかり。
“誇り高き竜の王。
彼はいったい、今、この状況で何を考えているのだろう?
<……嬢ちゃん>
遠く、雲すら突き破りそうな巨体を揺らし、竜王は凄んでくる。
<儂もな、区切りをつけるべきじゃと思うよ……陛下は、長く苦しみすぎた。哀しみも怒りも何もかも、必要以上に先延ばしにされてしまって、腐りきり、全てを滅ぼしてしまいそうじゃ。この嫌な状況を終わらせるために、激流院潮静を潰したるのは儂なら簡単じゃがの……嬢ちゃんと、姫様に会って気が変わったわい>
がっはっは、とやはり豪快に笑う。
<ほんとうに、みんな幸せにしてくれるかい?>
その言葉は、重い。
<儂は壊すことしかできん不器用な竜の親玉よ。儂にできる解決は全て破壊し尽くし焦土にすることのみ……けどなぁ、そんなん嫌じゃろ?儂はなぁ、姫様の泣き声も、魔王陛下の恨み言も、飽き飽きじゃ。つまらん。嬢ちゃん……終わらせてくれるかい?>
(中略)
ゆえにこその、最終兵器――≪独唱第五番<パンドラ・オンリーワン≫
その効果は……。
<虚界は魔王陛下そのもの――ゆえに、姫様に絶対服従な魔王陛下と等しい虚界の全てのものは、姫様には同じく逆らえない。つまり、姫様は虚界の全てのものに絶対命令権を持つのじゃ>
絶対命令権。
虚界の全てのものに対する、強制的な支配権。
ゆえにこその――最終兵器!
<魔王陛下の命令よりも優先される絶対命令権。それを用いて嬢ちゃんが何をするかは嬢ちゃんの自由じゃ。もちろん姫様が望まない命令はできぬが、嬢ちゃんならそんな命令はださんとわかっとる。よく考えて、その権利……使いこなしてみせい>” -
Posted by ブクログ
“『魑魅寺くん!?』
絶叫し、硝煙と土埃が舞うなか伊依は屍丸の姿を捜す。今のは、ちょっと格好よかった。見直した!……ただの変なひとだと思っていた!
『魑魅寺くん?魑魅寺くぅん!』
『ふふふ……心配いらないとも、伊依さん』
両手を広げた姿勢のまま、煙が晴れたそこに、屍丸は堂々と仁王立ちしていた。
『愛しい貴女を守るためなら、たとえ火のなか水のなか!この魑魅寺屍丸、どのような艱難辛苦も乗り越え、たとえ死せども不死鳥のように――って、あぁ!?』
絶叫し、頭を抱える彼に、みんなが呆れたような視線を向ける。
『しまった!衝撃を受けると増えるのだった!』
叫ぶ屍丸は、なんか十人以上はいた。数えるのも難しい。狭い通路の、鬼京と向かいあう真ん中が、ぜんぶ屍丸の半透明な身体で埋まってしまっているような状況だった。
『バカ丸が当社比十倍以上……』
『うわ……鬱陶しいよ屍丸くん』
『魑魅寺くん、ちょっとごめん、守ってくれたのありがたいけど……前見えないからどいてくれる?』
『君ってつくづく行動が報われないよね。たまに哀れだよ』
『あはは。同じ生き物がたくさんいるってちょっとキモくてチョベリバだよぉ』
みんなのたぶん悪気はないすなおな感想に、屍丸はわらわらと蠢く。
『なぜだ!?なぜみんなそんなに無情な反応をするのだ!?私はいちおう命をかけてみんなのことを守ったのに……!』”
志田桐涼女 しだきりすずめ:香美の幼馴染にしてテロリスト。 ■
ヴェクサシオン:寂憐院友樹。伊依の兄の娘。
続きが気になって気になってページを捲る手が止まらない。
日日日さんは本当いい本を書くなって思う。
ヴェクサシオンの過去が悲しすぎる。
それでは、あまりにも彼女が可哀相だ。
あまりにも――救えない。
“「全ての言葉が嘘なわけじゃないよ」
だから伊依は、思ったことをすなおに告げた。
「嘘じゃない言葉を喋る方法が、ひとつだけあるよ」
「……………?」
涼女は怪訝そうだ。倒れ伏した伊依のそばに体育座りして、世にも不思議そうに眉をひそめている。そんな彼女に、ようやく助けたいと心の底から思えたひとりの少女に、伊依は笑みを浮かべて軽やかに言った。
「嘘をほんとうにしちゃうんだよ」
「は……?」
涼女は、ぽかんとした。一言では意味がつうじなかったらしい。まぁそうだろうと思いながら、伊依は懇切丁寧に言葉を重ねる。
「だからね、喋った言葉に現実を追いつかせるの。言葉を口にしたときにはそれが嘘でも、がんばってその嘘を現実にするために動くの。あたしは、だいたいそんなかんじだなぁ。喋っちゃった言葉は、決してなかったことにはできないけど、だったらその言葉がほんとうになるように行動すればいいんだよね」
なかば自分に言い聞かせるように、伊依は丁寧に囁いた。” -
Posted by ブクログ
“ビスケは先ほどまで話していた内容を忘れたらしく、しばしフォークを振り回してそのお菓子を切り崩す作業に没頭していた。知性と行動が一致していない。生まれながらにして、多数の少女の知識と知能を得た怪物。人類とは、何もかも異なっている。
この世で独り、唯一の種族。
蝶は何となく不安になって、ちいさく問いかけた。
「人類が、滅ばないで済む方法はないのかな」
「ありません」
ビスケはチョコレートで口元をべったり汚し、断言した。
「皆無です」
「どうしてそう言い切れるの?」
「この世が有限だからです。地球も宇宙も必ず崩壊します。人類が、絶対に死という宿命から逃れられないのと同様にね。ただ、滅びを先延ばしにすることは可能でしょう。運命を騙し騙し生き延びればいいのでは?そうすれば、可能であれば宇宙が滅びる遥かな未来まで、人類は存続しますよ。そのための知性です」
「努力しろってこと?」
「努力すれば、長生きはできるという話ですよ。それを無精がっては、死にます。個人の生涯と同じですよ、文明も宇宙もね。人類は唯一、運命に変更を加えることができる種族。すべては自由であり、つまり皆さんの責任です」”
一九九九年。世界が滅ぶとされた年に、とある病気が少女の間で流行り出した。
そんな少女たちの死体の『患部』で造られた少女、ビスケ。
彼女を巡るお話と、彼女のすべきと決めた『目的』、そして、これから。
toi8さんの描くビスケが可愛いすぎる。
世界観が非現実ながらも土台がしっかりとしていて、しかしそれでいて堅苦しくはない。読み手を惹きつける会話に展開とテンポが良い。
日日日さんの作品は、読んで絶対損はしないと思う。
“政府はいい。民衆もいい。組織すら、行動原理は理解できる。同じ人間だ。けれど、この少女は異質だった。何がしたかったのか。ひたすら患者と接触し、いったい何をしていたのか。人間は未知を恐れる。この少女の怪しげな行動に、誰もが首を傾げていた。
彼女が生まれたのと、病の発症が確認されたのは同じ一九九九年だ。病の発生すら、この少女に原因を求め、責任転嫁をするものも多い。あらゆる意味での重要人物。この現状の、中心にいるかもしれない――奇妙な怪物。
彼女の『目的』は何なのか。
いったい何のために、何をして、何を果たそうとしているのか。
今さら彼女が、この滅びゆく人類を救う大逆転の手段を隠しているとは思えない。だが何かの希望が欲しかった。それが誰しもが期待した願いだった。治療法、あるいは病をはね除ける方法――その不老不死の根拠だけでいい。人類が、この病に悩まされることがなくなる、ひとつの未来が欲しかった。
けれど少女は残酷だった。
楽しげだった表情を、瞬時に冷たくする。
この少女は幼く見えて、半世紀を生きた、経験を積んだ怪物なのだ。” -
狂乱家族日記拾さつめ
- カート
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試し読み
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狂乱家族日記拾壱さつめ
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
この作品巻頭のカラーは可愛いのだケド、中は手抜きでむかつくな。作風なのか分からないケド、絵柄も可愛らしいケド、もうちょい凝れよって思う
そして今回は鈴音の登場が少なくて何か悲しかった…
鈴音この作品の中で一番好きだから、早く元に戻って活躍して欲しい
この人の書く作品なら戻らないってのはありえないだろうし、まあ気長にまちますか。てゆか次辺り戻る予感
にしても蜜姫が元に戻るとは…ご都合主義というか何と言うか
最近死ぬかもしれないキャラが死なないと、すごいもやもやする。死なないで欲しいとは思うんだケドね
キャラばんばん死ぬような話もいいと思うのだケド、需要は無いのかしら?
ぶっちゃけストーリーの主軸だった竜ゑや御貴やらには興味無い
あ、でも御貴の外見は好きだ
あと二人のらぶらぶっぷりも。しあわせになれよー
鈴音と愚龍も一緒にな!