藤ノ木優のレビュー一覧
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定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。
牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
朝比奈秋『魚類譚』
春日武彦『パイナップルのある光景』
中山裕次郎『救いたくない命』
佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
久坂部羊『闇の論文』
遠野九重『言葉が消えるまえに』
南杏子『空中テント』
藤ノ木優『峠を超えてきた命』
それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近 -
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ある過去を持つ新人助産師が主人公のお話。
医療系のお話が好きで様々なお話を読むけれど、産婦人科の物語を読むのはこれで2冊目。
そして1冊目の本も藤ノ木さんの本(偽医者がいる村)でした!
産婦人科医をされている藤ノ木さんだからこそ、業界のお話がとてもリアルに書かれていて読みやすかったです!
そして何より、勉強になります。この本を読んでより一層視野が広がった気がしてます!
物語はある過去を持つ新人助産師(守谷まゆ)。
新卒で入った病院ではその過去のトラウマがあるため、子を受け止めることがどうしてもできない。
その過去と向き合うお話も含まれていて、まゆちゃんの成長もみれるお話になっている。
夏頃 -
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藤ノ木さんの作品は、今回も期待を裏切らない「ハズレなし」の一冊だった!
タイトルから無免許医の物語かと思いきや、見事に裏切られた。そこにいたのは偽医者などではなく、真面目すぎるがゆえに居場所を失った「はんぷかげ」だった。
産科医療のリアル、SNSの誹謗中傷、限界集落の厳しさ……現代の闇がギュッと詰まっていて考えさせられる。「文字でも人は死にますよ」という一馬の言葉、人生を狂わされた実感がこもっていて説得力があった。
「出産は100%安全」ではない。医師も母も命懸けだからこそ、新しい命の誕生は奇跡で「おめでたい」のだと思うんだよね。
驚かされるのは、藤ノ木作品ならではのハラハラ、ドキドキな -
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『あしたの名医』の著者のデビュー作品
魂の出汁で作った最高のお・も・て・な・し
物語の舞台はちょっと変わった料理屋
「まぎわ」 まずは暖簾をくぐってみた
読み進めるとすぐに疑問に感じた。
「まぎわ」のマスターの過去、なぜ医者を辞めてまで料理人に?そして出汁へのこだわり。
物語後半にマスターの悲しい過去が明かになるが、現役医師の著者が描く闘病生活の描写はあまりにもリアルで重い。
そして、マスターの「生きるって何だろうね」という言葉。
最初は亡くなった奥さんの罪滅ぼしのように見えて切なかったけれど、お客さんの笑顔に救われていく姿を見て、医療で救えなかった心をあたたかい一杯の出汁で救いたい。奥さん -
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「あなたは助産師に向いていない!」
え~いきなり、その言葉はきつくない?
プリセプターの亜美さん、私だったら心が折れちゃうよ。
この妥協を許さない亜美には良からぬ噂も……。
そう、この物語は現役医師が描く新人助産師・まゆの成長物語。
さすが、現役産婦人科医師ならではのリアリティーな描写。
特に緊急カイザーのシーンは「蹄の音を聞いたらシマウマではなくウマが来たと思え」の格言通り、一分一秒を争う「時間との戦い」、モニターの音、スタッフの緊迫感がひしひしとと伝わってきて、母子の無事を祈りながらハラハラドキドキしながら夢中でページをめくった。
初めての夜勤で、まゆが直面した「中期中絶」「命の選択」