藤ノ木優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
藤ノ木さんの作品は、今回も期待を裏切らない「ハズレなし」の一冊だった!
タイトルから無免許医の物語かと思いきや、見事に裏切られた。そこにいたのは偽医者などではなく、真面目すぎるがゆえに居場所を失った「はんぷかげ」だった。
産科医療のリアル、SNSの誹謗中傷、限界集落の厳しさ……現代の闇がギュッと詰まっていて考えさせられる。「文字でも人は死にますよ」という一馬の言葉、人生を狂わされた実感がこもっていて説得力があった。
「出産は100%安全」ではない。医師も母も命懸けだからこそ、新しい命の誕生は奇跡で「おめでたい」のだと思うんだよね。
驚かされるのは、藤ノ木作品ならではのハラハラ、ドキドキな緊迫感がすごい。
後半の緊急帝王切開のシーンでは、心拍モニターのアラート音、医師たちの焦燥、なかなか泣き声を上げない新生児……。豪雪地帯の限界集落という悪条件が重なる中、私も「早く、早く!」と祈るような気持ちでページをめくった。現場の空気が肌に刺さるような臨場感は、現役医師である著者だからこそ描けるものだろう。
一馬も三希も、それぞれが「自分なりの償い」を見つけ、一歩を踏み出した。
そこには、かつて「偽医者」と蔑まれた「はんぷかげ」の影はなく、立派な一人の医師として
命に向き合う姿だ。
結末も希望に満ちていて読後感も良かった。
ただ、最後まで桜木は好きになれなかったなぁ。
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Posted by ブクログ
『あしたの名医』の著者のデビュー作品
魂の出汁で作った最高のお・も・て・な・し
物語の舞台はちょっと変わった料理屋
「まぎわ」 まずは暖簾をくぐってみた
読み進めるとすぐに疑問に感じた。
「まぎわ」のマスターの過去、なぜ医者を辞めてまで料理人に?そして出汁へのこだわり。
物語後半にマスターの悲しい過去が明かになるが、現役医師の著者が描く闘病生活の描写はあまりにもリアルで重い。
そして、マスターの「生きるって何だろうね」という言葉。
最初は亡くなった奥さんの罪滅ぼしのように見えて切なかったけれど、お客さんの笑顔に救われていく姿を見て、医療で救えなかった心をあたたかい一杯の出汁で救いたい。奥さんが最後に食べたお粥で見せた笑顔のように。そんな想いがこもっているのかなと感じた
特に余命わずかの咲良のために試行錯誤を繰り返した「桜の料理」を提供する描写は涙がポロポロ落ちる。
最期まで自分らしくあろうとする咲良の姿とささやかな願いが叶った瞬間の笑顔が忘れられない。
「まぎわのごはん」はお客さんの最後の想いを叶える最高のお・も・て・な・しだ。
生きるということは食べること。
自分の大好物、想い出の味、病気と闘っている人達に生きる希望を与えてくれる心のごはん。
あぁあ、あっという間に面白くて完食してしまった。マスターと翔太に「おかわり」をお願いしたいが残念ながらないようだ。
心もお腹も満たしてくれる最高の一冊だった。
ご馳走さまでした。
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Posted by ブクログ
「あなたは助産師に向いていない!」
え~いきなり、その言葉はきつくない?
プリセプターの亜美さん、私だったら心が折れちゃうよ。
この妥協を許さない亜美には良からぬ噂も……。
そう、この物語は現役医師が描く新人助産師・まゆの成長物語。
さすが、現役産婦人科医師ならではのリアリティーな描写。
特に緊急カイザーのシーンは「蹄の音を聞いたらシマウマではなくウマが来たと思え」の格言通り、一分一秒を争う「時間との戦い」、モニターの音、スタッフの緊迫感がひしひしとと伝わってきて、母子の無事を祈りながらハラハラドキドキしながら夢中でページをめくった。
初めての夜勤で、まゆが直面した「中期中絶」「命の選択」という重い現実は、他に方法はなかったのか、正解のない問いに心がモヤモヤする。
熊本の「いのちのかご」でまゆの複雑な生い立ちに「生きていてありがとう」という言葉が胸に響いて思わずじーんとしてしまう。
また、やむを得ず子を手放す母親に「家族を作ってあげてください」という言葉に、私自身物心ついたときから母親がいなかったので胸に込み上げてくるものがあった。
かつては「泳げない魚」のようだったまゆが、厳しい亜美の指導のもと過去を乗り越え成長していく姿は『コウノトリ』が新しい希望に向かって羽ばたいていくように将来が頼もしくもあり、今後どんな助産師になっていくのか、その成長を見守り続けたくなるので是非シリーズ化してもらえると嬉しい。
あと亜美のスビンオフ作品とかも読みたいかも。
母親と新しい命に寄り添う助産師の物語は『コウノトリとんだ』という言葉通りあたたかい余韻が残る心地よい一冊だった。
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Posted by ブクログ
シリーズ第二弾!
前作同様、伊豆の料理+医療の物語
食欲そそるーー
前半は前作同様ライトな感じで進みます。
腹腔鏡界の革命児と言われた天才医師の海崎が赴任。
さらに、研修医のゆめと新たなスタッフとなります。
傍若無人なふるまいをする海崎ですが、組織としては扱いに困るけど、プロフェッショナルでちゃんと信念持っている人。
一方、この研修医は嫌い(笑)
若気の至りか...
そんな中、後半、妊娠中に血栓を起こした患者が運ばれたところから、ストーリは重くなり、厳しい選択を余儀なくされていきます。
これは厳しい。
妊娠中の癌。
生と死がまさに背中合わせという状態。
塔子の決断。
母子ともに救うことができるのか?
とても熱くなります。
でも会話は時々ライトなのね(笑)
そして、チームは新しい局面へ!
楽しめました。
これ、まだまだ続くようです。
お勧め。
1作目から順番に読みましょう。