藤ノ木優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【あの人の背中を追いかけて】
表紙の絵からは想像し難いディープな内容。
最後は「えぇーーっ、こういう終わり方アリ!?」と、なんだか苦虫を10匹くらい一気に「グチャ」と噛み潰したような結末でした。
今作も一癖ある妊婦さんばかり。
自然分娩に異常に固執する妊婦や、大きなトラウマを抱える妊婦さんに現場は大パニック!
主人公の助産師・まゆは患者の気持ちに寄り添い奮闘するけれど……。
「早く先輩の亜美みたいになりたい!見捨てられたくない!」というまゆの向上心は大切だけど、1人で空回りしている姿にはヒヤヒヤ。
「それで患者を危険にさらしては本末転倒だよ」とハラハラしながら見守りました。
先輩だって一朝一夕でここまで来たわけじゃない。
それにしても、今作も出産シーンがリアルすぎる!医療従事者の葛藤や妊婦のリアルな対応に、毎度「無事に産まれてくれ!」と手に汗握る。
出産は人それぞれにドラマがあり、人ひとり生まれてくるのは本当に凄い奇跡なのだと改めて感じさせられます。だからこそ、やっぱりおめでたい✨
読み終えたあと、サブタイトルの『近くて遠い背中』という言葉が切なく胸に響く。あの人の登場も含め、このあとどうなるの!?気になる気持ちを抑え込みつつ、次作へ持ち越し。
何だかもの凄く波乱の予感が……! -
Posted by ブクログ
第一巻が面白かったのですかさず第二巻です。
早速、腹腔鏡界の天才医師・海崎が新キャラクターとして登場します。
とにかくつかみどころのない人物で、いわゆる空気を読むというのとは縁遠い模様。
しかし、腕前は確かで、北条の憧れの医師でもあります。
実は以前にも伊豆中にいたそうで、城ケ崎の同僚であり、三枝教授も一目置くようで…。
伊豆中の人事や城ケ崎の過去の話など、本線はかなり硬派な進み方で、合間の伊豆長岡の料理が本当にオアシスとなる内容でした。
若干残念なのが、血栓で入院してきた麻衣子がどうなったか?
北条はラパロやります! と言ったもののどうなったのか?
がわからなく、第三巻に続いているのか?
まぁ読むけど。
面白く読めました。 -
Posted by ブクログ
知り合いのイタリア料理人が第4巻でメニュー考案したというので、まずは1巻から読まねば~で早速読破。
産婦人科と食の話がセットになっていて、おそらく2話に出てくるPOMERAの東条さんはシェフがモデルと思われる。
主人公の北条衛は6月中旬に急遽伊豆長岡にある、天渓大学医学部付属伊豆中央病院に異動を命じられる。
そこは産科救急特化型の施設で、東京からは寄せ集め集団と言われているようで…。
少ない人数で回しているので、専門外であろうと容赦なく仕事を与えられる。
作者本人が産婦人科の医者なので、描写はリアル。そして、出てくる食堂やお店もおそらくすべて実在する店があるのであろうと思われる。
多分というか確実に、病院は順天堂静岡病院がモデルでしょう。
面白くてすんなりと読めたので、次の巻を読もう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新米研修医が気づいた真実、引きこもり患者を救う精神科医、無差別殺人犯への緊急手術、友人の脳腫瘍に向き合う脳外科医、深夜の出産に奔走する医療チームなど、医師作家9名がそれぞれの知識と経験をもとに描く医療小説アンソロジー。
医療小説としてのドラマ性だけでなく、診療の段取り、医師同士の距離感、病院という組織の空気、患者や家族とのすれ違いが自然に描かれている。医療者が読むと「わかる」と思う場面が多い。
使命感、判断力、患者を助けたい気持ち。
一方で、自己正当化、権威性、論文や業績への欲、組織内の空気の悪さ。
医師という職業を美化しすぎず、かといって冷笑しすぎてもいないところが読みやすい。
精神科、外科、脳外科、産婦人科、内科的な視点など、作品ごとに医療の切り口が違う。1冊で“医療小説の総合病院”のように読める。
特に「闇の論文」と「空中テント」がよかった
「闇の論文」は、医療者なら笑えないリアリティがある。論文、名誉、組織、倫理の境界がじわじわ不穏になる感じが印象的。
「空中テント」は、認知症の家族の介護問題を忠実に再現していると思った。診断がくだったときに「当事者としての自覚をもつように」と言われてもピンときていなかった主人公が、その本当の意味に気づくまでの家庭がリアルだった。
「魚類譚」は少しホラーっぽい不穏な感じ
「研修医ヒナノの洞察」「救いたくない命」「春に綻ぶ」「峠を越えてきた命」ドラマになりそうな感じで好き。