藤ノ木優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
知り合いのイタリア料理人が第4巻でメニュー考案したというので、まずは1巻から読まねば~で早速読破。
産婦人科と食の話がセットになっていて、おそらく2話に出てくるPOMERAの東条さんはシェフがモデルと思われる。
主人公の北条衛は6月中旬に急遽伊豆長岡にある、天渓大学医学部付属伊豆中央病院に異動を命じられる。
そこは産科救急特化型の施設で、東京からは寄せ集め集団と言われているようで…。
少ない人数で回しているので、専門外であろうと容赦なく仕事を与えられる。
作者本人が産婦人科の医者なので、描写はリアル。そして、出てくる食堂やお店もおそらくすべて実在する店があるのであろうと思われる。
多分というか確実に、病院は順天堂静岡病院がモデルでしょう。
面白くてすんなりと読めたので、次の巻を読もう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新米研修医が気づいた真実、引きこもり患者を救う精神科医、無差別殺人犯への緊急手術、友人の脳腫瘍に向き合う脳外科医、深夜の出産に奔走する医療チームなど、医師作家9名がそれぞれの知識と経験をもとに描く医療小説アンソロジー。
医療小説としてのドラマ性だけでなく、診療の段取り、医師同士の距離感、病院という組織の空気、患者や家族とのすれ違いが自然に描かれている。医療者が読むと「わかる」と思う場面が多い。
使命感、判断力、患者を助けたい気持ち。
一方で、自己正当化、権威性、論文や業績への欲、組織内の空気の悪さ。
医師という職業を美化しすぎず、かといって冷笑しすぎてもいないところが読みやすい。
精神科、外科、脳外科、産婦人科、内科的な視点など、作品ごとに医療の切り口が違う。1冊で“医療小説の総合病院”のように読める。
特に「闇の論文」と「空中テント」がよかった
「闇の論文」は、医療者なら笑えないリアリティがある。論文、名誉、組織、倫理の境界がじわじわ不穏になる感じが印象的。
「空中テント」は、認知症の家族の介護問題を忠実に再現していると思った。診断がくだったときに「当事者としての自覚をもつように」と言われてもピンときていなかった主人公が、その本当の意味に気づくまでの家庭がリアルだった。
「魚類譚」は少しホラーっぽい不穏な感じ
「研修医ヒナノの洞察」「救いたくない命」「春に綻ぶ」「峠を越えてきた命」ドラマになりそうな感じで好き。 -
Posted by ブクログ
大学病院で医療事故に関わり、世間から誹謗中傷を受けて職場を追われることになった産科医の一馬。
逃げるように訪れた先の限界集落で、雪の中産気づいた妊婦に出会い小さな産院に同行する…。
著者が現役の産婦人科医なのもあり、お産のシーンは特に生々しい緊張感がありました。
病気の治療ではなく命の誕生と向き合う産科医。
現場では常に母親と赤ちゃん2人の命が託されていて、その計り知れない重圧に息が詰まりそうでした。
いくら日本の周産期医療が安全であっても、出産するまで何が起こるか分からない中で手を尽くし、助からない命があるのも事実。
突然家族を失くした遺族が医師や病院を責めたくなる気持ちは無理もないけど、そこには助けたくても助けられなかった過酷な医療現場の現実があることを認識させられました。
最早ボランティアも同然の経営状態で医師ひとりで産院を守り、30年以上新しい命を救い続けてきた相良先生。(御年75歳!)
24時間365日お産を支える責任を背負ってきたのに対し、村人は実情を知ろうともせず相良先生を厄介者扱いしているのが悔しい…!
「お産は何もしなくても生まれるもの」という化石発言には、思わず拳をギュッと握り締めました。笑
田舎特有の閉鎖的、排他的な考えを含めて、少子高齢化した過疎地が抱える問題の根深さを感じます。
相良先生のような存在を美談にせず、どんな状況であっても医療は医者の犠牲のうえにあってはならないのだと痛感しました。
病院が近くにあっていつでも治療してもらえる環境は、決して当たり前ではないということに改めて感謝したいです。 -
Posted by ブクログ
定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。
牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
朝比奈秋『魚類譚』
春日武彦『パイナップルのある光景』
中山裕次郎『救いたくない命』
佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
久坂部羊『闇の論文』
遠野九重『言葉が消えるまえに』
南杏子『空中テント』
藤ノ木優『峠を超えてきた命』
それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近な問題が扱われていたり、医療関係者だからこそ書き込める医療用語が出ていたりすると、読む側としても気が引き締まる。研究職を経験したことのある自分にとっては『闇の論文』に興味を持ったが、一番印象に残ったのは救いたくないのに医者と言う立場ですく若くてはならない『救いたくない命』だった。これを機に、医療小説をまとめて読んでみようと思っている。 -
Posted by ブクログ
ある過去を持つ新人助産師が主人公のお話。
医療系のお話が好きで様々なお話を読むけれど、産婦人科の物語を読むのはこれで2冊目。
そして1冊目の本も藤ノ木さんの本(偽医者がいる村)でした!
産婦人科医をされている藤ノ木さんだからこそ、業界のお話がとてもリアルに書かれていて読みやすかったです!
そして何より、勉強になります。この本を読んでより一層視野が広がった気がしてます!
物語はある過去を持つ新人助産師(守谷まゆ)。
新卒で入った病院ではその過去のトラウマがあるため、子を受け止めることがどうしてもできない。
その過去と向き合うお話も含まれていて、まゆちゃんの成長もみれるお話になっている。
夏頃に続編ができるそうなので、それまで楽しみに待っていようと思います!!