【感想・ネタバレ】まぎわのごはんのレビュー

あらすじ

現役医師が描く圧巻のデビュー作!

修業先の和食店を追い出された赤坂翔太は、あてもなく町をさまよい「まぎわ」という名の料理店にたどり着く。

店の主人が作る出汁のおいしさに感動した翔太は、店で働かせてほしいと頼み込む。念願かない働きはじめた翔太だが、なぜか店にやってくるのは糖尿病や腎炎など、様々な病気を抱える人ばかり。

それもそのはず、「まぎわ」はどんな病気にも対応し、患者に寄り添った食事を提供する、特別な食事処だったのだ。

塩一つまみ気軽には使えない店の正体に戸惑いを隠せない翔太。そんな中、翔太は末期がんをわずらう元モデル・如月咲良のための料理を作ってほしいと主人に依頼され――。

病と向き合う若き料理人の葛藤と成長を現役医師が描く、圧巻の感動作!

(底本 2021年6月発行作品)

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Posted by ブクログ


『あしたの名医』がお面白かったので、藤ノ木優さん3冊目。こちらはデビュー作のようです。

 赤坂翔太は見習い料理人。
包丁の技術はあるし、練習も欠かさないのにいつまでも料理を作らせてもらえず、腹を立てて店を飛び出す。

 偶然見つけた『まぎわ』というお店のお雑炊に惚れ込み、そのまま修行させて貰うことに。

 実はこのお店、事情がある人達のための料理店でした。重度の糖尿病患者や、癌で余命わずかな人、重度の食物アレルギーのある女の子などなど。みんなの健康状態を把握して、制限内で食事を出してくれる。

 面白かった。先が気になってすいすい読みつつ、知らない飾り切りや料理はググったり。翔太が人として成長していくのが嬉しかった。

 現役医師で作家さんな藤ノ木さん。知念実希人さん、中山祐次郎さんに続き3人目。(私が知る限りで)

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2025年06月11日

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あれから意外にも早く、タイミングが合うってこういう事ですね。出だしのヤンチャ振りに芝親方の丁々発止にスったもんだの住み込みに、一気に通り過ぎて、でもどん読めたなあって 医師の立場からなので真実味があるし、咲良さんの担当医のパソコンから目を離さないとか情けなくてでも事実あるので、悔しかった。マスターが本当の先生でみんなそうだといいかな、マスターも奥さんに患者と同じ言葉を掛けれなくて悩んだ所が、深いな。蛤のお吸い物飲んでみたいな、咲良さんの死と逃げずに向き合う、咲良さん自身も綺麗を最後まで。まぎわで働くのだね

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2025年05月28日

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「まぎわ」って、何が起こる間際なのだろうか?藤ノ木優さんの作品からすると「いまわ」のことだろうか?
若い料理人の翔太が兄弟子と反りが合わず店を飛び出した先に、拾ってもらった店が、特別な料理店だった。藤ノ木さんの作品は名前に「翔」がつく登場人物がやたら目に付く。そして店の名前が・・・。

拾ってもらった料理店は、マスターと呼ばれる優しい料理を作る元医者がいた。元寿司職人でオーナーの親方と呼ばれる芝、小夜、この2人がマスターとともにこの作品を引き締めている。翔太の未熟さをより際立たせることで、「まぎわ」の意味を強調しているように思えた。小夜が翔太と話している時に、人差し指を挙げて語る場面は、天久鷹央を垣間見た、その場面だけだが。

余命幾許も無くなった時、私は何をするだろう。やはり美味しそうな料理を少しでも口にしたいと思う。世界を見て回るのも楽しいが、元気でなくなればそうはいかないだろう。絵画を見たり空を眺めたりしながら、優しい人と料理を味わいたい。そんな気持ちにさせられた。
相手に寄り添う気持ちは口にするものにとって最高の味わいをプレゼントしてくれる。

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2024年11月19日

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ネタバレ

はじめの翔太の態度にはイライラさせられたけど、本を読み進める内に、自分も翔太のように、自分本位で仕事をしているのではないかと考えさせられた。
私も心を持って仕事をできる人になりたいと思った。

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2023年12月21日

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食ってやはり生きる上で最も大切なものだと思った。
だからこそ、自分の食べたいもの、好きなもの、美味しいものを食べることが幸せなのだと思った。
お医者さんも料理人さんもすごい職業。

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2021年09月28日

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こんな素敵なお店現実にはないんだろうけど、人の最期が、お料理が、人物像が全てとてもリアルで、とても泣けるお話でした。

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2021年08月15日

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 小学館が創設した「食」に関する新レーベル「おいしい小説文庫」。2020年、コロナ禍の非日常だからこそ、食小説を通じ読者の心に彩りを添えたい、との思いで立ち上げたとのこと。その内の一冊です。

 ところで、現役医師兼作家さんて結構いらっしゃいますね。本書の著者・藤ノ木優さんもそうで、本作がデビュー作とのこと。今回初読みでした。

 末期患者専門の料理を提供する店「まぎわ」を舞台に、終末期医療の一つのあるべき姿を提示するとともに、人の心や店の流儀が解らない半端な青年・翔太が、人の想いや最後の晩餐を叶えることに喜びを見出し、料理人として成長していく物語です。

 翔太の、包丁の技はあれど心が伴わない、イラッとさせられる描写も意図的なんでしょう。そして、人へ寄り添う手段として「食」も多大な貢献要素なのだと気付かされます。
 なんだか、小川糸さんの『ライオンのおやつ』を思い出しました。食は大事ですね。

 「まぎわ」は確かに「死の間際」かもしれませんが、料理で患者に寄り添って満足してもらえるのなら、残り少ないけれども新たな「生」を燃やすきっかけとなる「出発間際」とも言える気がします。

 こんな「心」のこもった料理を提供されたら、涙なくしていただけません。架空の物語ながら、目に浮かぶ料理と本小説の提起に、心穏やかに手を合わせたくなります‥。美しい物語でした。

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2024年04月26日

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まぎわの料理とは、「死ぬまぎわ」の料理だった⁉️
「ありがとう。私の人生で、一番美味しくて、一番楽しくて、一番美しいご飯だった」

「料理を作り続けて欲しい。翔太さんの料理には、人を救う力があるわ。私が亡くなった後も、沢山の人を助けてあげてね」

現役医師が描く圧巻のデビュー作!

修業先の和食店を追い出された赤坂翔太は、あてもなく町をさまよい「まぎわ」という名の料理店にたどり着く。

店の主人が作る出汁のおいしさに感動した翔太は、店で働かせてほしいと頼み込む。念願かない働きはじめた翔太だが、なぜか店にやってくるのは糖尿病や腎炎など、様々な病気を抱える人ばかり。

それもそのはず、「まぎわ」はどんな病気にも対応し、患者に寄り添った食事を提供する、特別な食事処だったのだ。

塩一つまみ気軽には使えない店の正体に戸惑いを隠せない翔太。そんな中、翔太は末期がんをわずらう元モデル・如月咲良のための料理を作ってほしいと主人に依頼され――。

病と向き合う若き料理人の葛藤と成長を現役医師が描く、圧巻の感動作!

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2023年10月14日

Posted by ブクログ

現役のお医者さんが書いたのか。なるほどー。
終末医療、最後まで食事をすること=生きること。
もちろん.叶わない人もいるだろうけど、なるべくそうありたい。
そんな希望を叶えてくれる食事処に出会った和食職人修行中の翔太の成長物語でもある。
元医者のマスター、元看護師の小夜ちゃん、闘病中の芝親方。
登場人物もシンプルでよい。
これはシリーズ化もありかな?
また読みたい。

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2023年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それぞれの登場人物の描写が丁寧で、好感を持てた。
咲良と向き合い、一度は逃げ出し、腹を括って戻ってきて、そこからラストまでの流れは夢中になって読んだ。そして泣いた。

食べることは、生きること。
死ぬまで何かを食べなければならない。

素敵な本でした。

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2021年06月29日

Posted by ブクログ

初めての作家さんです。
読み進めるうちに、主人公の言葉の悪さが気になって読むのを止めようかと思いました。

主人公の赤坂翔太は、修行先の和食店を追い出されて「まぎわ」という料理店にたどり着き、そこに頼み込んで働くことになります。
しかし、翔太は自分の技術をひけらかすばかりで...。

作品を読んで思ったのが、自分のことばかりではなくて相手のことも思い考えなければいけない。そして、この事は色んなことに通じるな、ということです。
気をつけていないと、どうしても自分の想いを通してしまう、押し付けてしまいがちになるので「気をつけよう」と思わせてくれました。
それには、まだまだ修行が必要ですね。
色んな視点で物事が考えられるようになりたいですね〜。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

☆3.5
最初は少し主人公のことが苦手かなって思ったけどどんどん成長していって嬉しかった
如月さんに料理を振る舞うシーンは感動した
美味しそうな料理が出てくる小説好き

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2024年12月11日

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おいしい 小説 なのかはちょっとわからなかった 主人公にすこし苛々してしまう 主人公、どうして料理はじめて仕事にしようと思ったのかわからなくてずっと考えてしまう…

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2024年08月11日

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主人公は今時?の若い男性の料理人です。
努力はしているけれども少し先走ってしまい上手く周りとやれずにいたその時、まぎわの料理店で働く事になります。
一緒に働く仲間と、様々な病気を抱えるお客さんとの関わりで料理人として成長していきます。
また病気を抱えた人達の思いに触れる事が出来ます。
自身の仕事への向き合い方、生きる事について振り返る事が出来ました。

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2023年11月07日

Posted by ブクログ

糖尿病、腎炎、アレルギー、様々な病気に対応した食事を提供する料理店が舞台。元医者のマスター、元看護師の店員、そして料理の腕に自信を持つ若き料理人、この3人が末期がん患者に最後の食事をさせる。それで、まぎわのごはんとなる訳。やはり若い人の死はつらい。ただ、店の名前が『まぎわ』でいいのかな?

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2023年07月08日

Posted by ブクログ

翔太が少し「べらんめい口調」なのが気にかかったが、お店に訪れる親方の存在が若造の翔太に変化をもたらした
翔太は包丁の腕はよかったが、今まではテクニックばかりで、食べる人のことが二の次になっていたことに気づく
「相手のことを考えて腕を振るってこそ、料理と言える」との親方の発言がささる

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2023年04月19日

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