藤ノ木優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【偽医者がいる村(藤ノ木 優)】
どんなに最善を尽くしても、悔いの残る結果になることはある。
過ぎた日を取り戻すことは出来ない。
後悔の気持ちが消えることもない。
それでも人生は続く。
「今、ここ」の先に未来はある。
医療事故の記事の炎上で、職場にも、世間にも居場所を失った産科医の一馬が、限界集落唯一の産院で医師としての自分を取り戻していく物語。
後半の息をのむ展開に、一気に読み進めてしまった。
自己回復の描写に泣けた。
産科医療の担い手不足や地域医療の存続の課題など、実社会の現状も描かれている。
「せんべい汁」が出てくること、「北別駅」という架空の駅名、漁師町、東京から北上…という設定から、舞台は岩手・青森あたりなのかな。
著者は産科医であり、オペの描写などは結構生々しい。 -
Posted by ブクログ
医師作家9人によるアンソロジー作品。
どの作品も50頁程なので、スピード感がある。
研修医 精神科医 救急医療 現場医療 研究者 認知症等 医療1つとってもジャンルが違い、心理描写の加減に手に汗握ってハラハラしたり、淡々と読み進めたり、一冊で何度も美味しい読み応えのある本でした。
医師(著者)が実際に経験しているであろうリアリティがそこにある。
認知症対応を生業としている身としては、何度も見た光景で「あーー大変さの中に、いくつも希望が見いだせるんだよ」「怒ったらダメダメ」と逆の意味でハラハラさせられた。
現代はサービスが揃っているので、抱え込まず使える手段を利用していくのがお互いの心の安定を図るが、未だに長男が!とか、嫁が!とか他人事の様に話す親戚がいるのも事実。
「介護者は生き方を選べないのか?」に胸つまされる。
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Posted by ブクログ
ネタバレのんびりとした伊豆の温泉や美味しそうなご飯の情景。それと交互に現れるすごく怖い教授、そして凄まじい気迫の医師そして妊婦の妊娠との激闘、緊迫した手術と命の危機。気の緩みと緊張が幾度となる続く物語であった。才能ある医師が新たな出会いをし励まされ、時に休み時に覚悟を決めて挑む。いろんな形の強さと医師の生き様を感じさせる。
最初に頑迷にして旧弊な存在として現れた教授ルールが、この極限の環境においては非常に理にかなったものであるということが複数の段階で、複数の理解であらわになっていき、逆にそれが必要なほどに地域医療の抱える根本的な問題が浮かび上がる。そして合間にある伊豆の土地の温かさや美しさ、ご飯のおいしさなどが、その問題だらけの地域医療で支えなくてはならないものとして現れるのだ。そしてそれを支えて改善して発展させたい医師達の思いや、それに感銘を受けていく主人公の視点の説得力を生んでいる。 -
Posted by ブクログ
『あしたの名医』がお面白かったので、藤ノ木優さん3冊目。こちらはデビュー作のようです。
赤坂翔太は見習い料理人。
包丁の技術はあるし、練習も欠かさないのにいつまでも料理を作らせてもらえず、腹を立てて店を飛び出す。
偶然見つけた『まぎわ』というお店のお雑炊に惚れ込み、そのまま修行させて貰うことに。
実はこのお店、事情がある人達のための料理店でした。重度の糖尿病患者や、癌で余命わずかな人、重度の食物アレルギーのある女の子などなど。みんなの健康状態を把握して、制限内で食事を出してくれる。
面白かった。先が気になってすいすい読みつつ、知らない飾り切りや料理はググったり。翔太が人として成長していくのが嬉しかった。
現役医師で作家さんな藤ノ木さん。知念実希人さん、中山祐次郎さんに続き3人目。(私が知る限りで)