藤ノ木優のレビュー一覧

  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師作家9人によるアンソロジー作品。
    どの作品も50頁程なので、スピード感がある。

    研修医 精神科医 救急医療 現場医療 研究者 認知症等 医療1つとってもジャンルが違い、心理描写の加減に手に汗握ってハラハラしたり、淡々と読み進めたり、一冊で何度も美味しい読み応えのある本でした。

    医師(著者)が実際に経験しているであろうリアリティがそこにある。


    認知症対応を生業としている身としては、何度も見た光景で「あーー大変さの中に、いくつも希望が見いだせるんだよ」「怒ったらダメダメ」と逆の意味でハラハラさせられた。


    現代はサービスが揃っているので、抱え込まず使える手段を利用していくのがお互いの

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    2025年11月05日
  • スウィッシュ!

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    ネタバレ

    高校生女子バスケの青春ものでありつつ、スポーツドクター目線の、ケガやリハビリに対して、根性論ではない現実的なアプローチがとてもリアルに描かれていて面白かった。これを読んでプレイヤーだけじゃなくてトレーナーや栄養士なんかの道に憧れる若い子もいるかも、なんて思えた。
    ちなみにリアルな描写だと思ってきたら、作者さんお医者さまでした

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    2025年10月30日
  • 偽医者がいる村

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    医療小説は今まで何冊か読んだけど、今までのものとは少し違った。
    医療ミス?から病院を追われたうえに記事がでたことにより、SNSでの誹謗中傷。追い詰められ逃げ出してしまう。
    一方で記事を書いたジャーナリストも自分の記事で1人の医師の運命を狂わせてしまったと記事が書けなくなっていた。
    そんな2人が村の産院で過ごすうちに自分を取り戻して行くお話。
    産院だけに出産シーンは詳しく書いてあり、いつ何が起こるかも分からない現場の中で最善を尽くしてくれる医療従事者の方には尊敬と感謝しかない。
    ただ、人柱となり病院を守ってきた相良先生の言葉ありがとうは麻薬みたいなものだ
    は考えさせられた。言われたら嬉しいから人

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    2025年09月23日
  • あしたの名医3―執刀医・北条衛―(新潮文庫)

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    駅前で珈琲飲みながら読み初めていて ふとモバイルエマージェンシールームを見ようと映画館へ 油断してたのがスリリングだけかと思ったら、めちゃくちゃ泣いてた自分、MERの情報が0でもあった。あの手術舞台が文字になってたのがあしたの名医、伊豆中大忘年会ははちゃめちゃ飲み会だと思いきや1番の過酷な手術が三枝先生で描かれていた。衛の腹腔鏡手術が克明に文字になってたし、自分でも理解できないけど、知らない世界を見るのは勉強になります あっ2を再読せねば

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    2025年09月10日
  • 偽医者がいる村

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    医療ミスをしたとして記事にも書かれ
    いくつもの職場を追われた 産科医の阿比留一馬が
    限界集落にある小さな産婦人科に出会うお話。

    いやあ〜〜〜!とても疾走感があって
    ページをめくる手が止まりませんでした!

    村で小さな産婦人科を医師ひとりで切り盛りする
    相良先生がとても素敵で言葉一つ一つが
    心に響きました。

    医療ミスをした過去を抱える一馬と
    相良先生にもとある過去もみれてとても感動した。

    子どもが産まれることって本当に奇跡で
    神秘的なことでお母さんもそれに携わる人たちも
    言葉では言い表せないぐらいすごいなと思った。

    医療ミステリは好きで色んな作品を
    読んでいるけれど
    実際に産科医をしてい

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    2025年08月22日
  • あしたの名医3―執刀医・北条衛―(新潮文庫)

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    シリーズ3作目。衛が伊豆中に赴任してまだ半年しか経っていなかったんだと、初めて気付いた。それほど濃密で、印象的な出来事が多かったんだろう。
    今回は三枝教授の決断力のと類稀な手技、また人情味あふれる人柄など魅力がいっぱいだ。
    更に衛が成長して行く第4弾が待ち遠しい。

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    2025年08月14日
  • 偽医者がいる村

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    医療事故、ネットでの執拗な誹謗中傷を受けた産科医阿比留一馬がたどり着いたのは限界集落で身を削って働く産科医、助産師がいる診療所。
    失意の一馬は、この診療所で何を感じるのか。
    タイトルの偽医者なんかどこにもいない。
    本物の医者が全力を尽くす物語。
    命に向き合うというのは勇気が必要だが、感動も大きい。
    緊迫感のある出産のシーン、本当に胸が熱くなる。
    ラストまで一気読みでした。

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    2025年08月01日
  • あしたの名医―伊豆中周産期センター―(新潮文庫)

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    ネタバレ

     のんびりとした伊豆の温泉や美味しそうなご飯の情景。それと交互に現れるすごく怖い教授、そして凄まじい気迫の医師そして妊婦の妊娠との激闘、緊迫した手術と命の危機。気の緩みと緊張が幾度となる続く物語であった。才能ある医師が新たな出会いをし励まされ、時に休み時に覚悟を決めて挑む。いろんな形の強さと医師の生き様を感じさせる。
     最初に頑迷にして旧弊な存在として現れた教授ルールが、この極限の環境においては非常に理にかなったものであるということが複数の段階で、複数の理解であらわになっていき、逆にそれが必要なほどに地域医療の抱える根本的な問題が浮かび上がる。そして合間にある伊豆の土地の温かさや美しさ、ご飯の

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    2025年07月25日
  • -196℃のゆりかご

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    義母の奈緒が倒れたと病院から連絡があり電話を受けたつむぎが医者から告げられたのは実母だったという事実。戸惑いどうしていいかわからず考えた末、真実を知ろうと行動する。どうなるのか気になって一気読みでした。感動。

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    2025年06月18日
  • まぎわのごはん

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    『あしたの名医』がお面白かったので、藤ノ木優さん3冊目。こちらはデビュー作のようです。

     赤坂翔太は見習い料理人。
    包丁の技術はあるし、練習も欠かさないのにいつまでも料理を作らせてもらえず、腹を立てて店を飛び出す。

     偶然見つけた『まぎわ』というお店のお雑炊に惚れ込み、そのまま修行させて貰うことに。

     実はこのお店、事情がある人達のための料理店でした。重度の糖尿病患者や、癌で余命わずかな人、重度の食物アレルギーのある女の子などなど。みんなの健康状態を把握して、制限内で食事を出してくれる。

     面白かった。先が気になってすいすい読みつつ、知らない飾り切りや料理はググったり。翔太が人として

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    2025年06月11日
  • 偽医者がいる村

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    医師という仕事、人を救うという仕事…
    ネタバレになるから書けないけど、
    274ページから275ページの相良の言葉が重く…深い
    涙が出る

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    2025年06月09日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    どれも共感する。
    これから医師として働く自らの身に降りかかりうる未来と考え、深くしかしながら一瞬のうちに読破した。

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    2025年06月04日
  • 偽医者がいる村

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    ネタバレ

    思わぬ記事の炎上により逃げた先は…、というところから始まるのだけど、なかなか緊迫した話だった。ただ医者に戻るというだけでなく、記者にとっても思わぬ炎上だったのが何だかリアル。
    細かい知識がない部分は想像で補うしかないが、手術の場面は読んでいる方も緊張を強いられた。
    限界集落が舞台なのもいまの現代日本の問題点を考えさせられる。医者と地方との折り合いは難しい。それでも現状できる限りをそれぞれが考えていくしかないのがつらいな。
    読みごたえがあって、よかった。

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    2025年06月03日
  • まぎわのごはん

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    あれから意外にも早く、タイミングが合うってこういう事ですね。出だしのヤンチャ振りに芝親方の丁々発止にスったもんだの住み込みに、一気に通り過ぎて、でもどん読めたなあって 医師の立場からなので真実味があるし、咲良さんの担当医のパソコンから目を離さないとか情けなくてでも事実あるので、悔しかった。マスターが本当の先生でみんなそうだといいかな、マスターも奥さんに患者と同じ言葉を掛けれなくて悩んだ所が、深いな。蛤のお吸い物飲んでみたいな、咲良さんの死と逃げずに向き合う、咲良さん自身も綺麗を最後まで。まぎわで働くのだね

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    2025年05月28日
  • あしたの名医―伊豆中周産期センター―(新潮文庫)

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     都内の大学病院で腹腔鏡手術の手技を磨いていた北条衛は、伊豆中周産期センターへの異動を命じられる。しかも、鬼の老教授が医局を支配しているという悪評も聞こえてくる。

     医療系の物語としても面白いんだけど、伊豆観光案内、伊豆グルメ情報誌?としても大変優秀。食べ物の描写がうまくって思わず夜中にビール飲んじゃったし、伊豆グルメを堪能しに行きたくなっちゃった。

     自分のお産の事を思い出しつつ、お医者さん側から見るとこんな風なの?と思ったり。

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    2025年05月19日
  • 偽医者がいる村

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    ネタバレ

    あっという間に読み終えた。
    ラストは想像と少し違っていた。
    同著者の作品を過去に一度読んだことがあったが内容が薄く感じて(既視感が強かった)印象に残らなかったのだ
    今回もラストは人情に訴えて一馬が竹下診療所の院長になりましためでたしめでし、かなとある意味危惧しながら読み進めた
    ところが相良の確固たる意思に救われた。一馬も美希も私も。現在日本至る所で同じようなケースがあるし、これからどんどん増えていくのだろう。そこに小説とはいえ綺麗事だけで完結することは気持ちのいいものではないからだ。

    そして人間の過ちとはなんなんだろう。罪を償うということはなんなんだろう
    今回は重いテーマだった

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    2025年03月19日
  • あしたの名医2―天才医師の帰還―(新潮文庫)

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    めちゃくちゃ面白くて入り込んだ。新たなドクターとの関係性が出る事で人物像が掘り下げられるねぇ。医療現場が素人にもわかりやすいし理解出来た。4話の麻衣子のお腹の中の子の成長を最優先して下さいと赤ちゃんの産声が聞きたいの言葉に胸が熱くなりました。こんな難しい選択を決めれるって やっぱ胸が熱くなりました。あー藤ノ木優さん出会えて良かった〜そして1を読もう

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    2025年03月19日
  • 偽医者がいる村

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    終盤のスピード感のある展開にひきこまれた。限界集落の産院をテーマにした医療小説。
    救えなかった命に対する償いを、他の患者の「ありがとう」と言う言葉で贖おうとすることは、本質的にな償いにはならない。
    それでも前を向いて、償いのためにではなく、自分がやりたいことをやっていく。

    自分に対する戒めにもなった。

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    2025年03月12日
  • 偽医者がいる村

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    作者3作目。産婦人科医は喜びと悲しみが同居するやりがいのある仕事だが、とても激務だ。まさにそんな重圧に、たった1人で耐えている老医師、相良のもとに偶然舞い込んだ訳あり産科医の一馬。たった数百文字の記事が原因で職場を追われ、傷ついた一馬は北国にある限界集落の産院で医師としての喜びを感じ医師としての自信を取り戻す。そこに件の記事を書いたことで、傷ついたジャーナリストの美希が訪れて・・・
    現役産婦人科医が書く出産のシーンは圧巻で、あふれる涙をおさえられない。
    妊娠も出産も奇跡だ。読むと妻と子供が愛おしくなるお話し。

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    2025年03月09日
  • 偽医者がいる村

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    医療事故、限界集落での医療をテーマにした社会派小説。産科のリアルが臨場感たっぷりに綴られており、一気読みしました。
    2人の医師が過去の自分の想いを背負いながら目の前の難しいお産に挑む場面には、涙が止まりませんでした。
    登場人物の様々な思いが溢れた、尊い物語でした。

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    2025年02月23日