阿泉来堂のレビュー一覧
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ネタバレ呼び出してゲームに勝つとどんな願い事も叶えてくれるローカル都市伝説「壺男」。同級生のピンチを救うために仲良し五人組で壺男を呼び出したものの・・
ホラーでありながら「いなくなった一人(裏切者)は誰か?」というミステリ要素もありなかなかにいい感じで途中までは楽しく読めていたんですが、ちょっとホラーというか壺男が強すぎるな。怪異側が対処法も特にないまま強すぎるとホラーというよりもスプラッター的な雑な怖さになっちゃって自分の好みとは違ってきてしまった。
一人だけ明らかにバックグラウンドが語られない夕奈が明らかに・・だし。。最後もまあ・・とってつけたような大団円に思えてしまった。壺男は怪異としてそのままなのはまあいいとして、個々人の問題というか悩みは別に解決してないよね? -
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『潰える』をテーマに、最恐の執筆陣が書き下ろした短編ホラーアンソロジーです。
今回の収録作品は、澤村伊智:ココノエ南新町店の真実、阿泉来堂:ニンゲン柱、鈴木光司:魂の飛翔、原浩:828の1、一穂ミチ:にえたかどうだか、小野不由美:風来たりて。それぞれの作者によって全く異なる色合いのホラー小説が展開される。
アンソロジーということで、未読のホラー作家さんの開拓の意味も含めて読んでみましたが、本来私は大層な偏食家だったことを思い出したという感じでした。全編頑張って読みましたが、鈴木光司さんの『魂の飛翔』は一読ではうまく話が理解できず、今一怖さを感じられませんでした。
今作品集で怖い!でも好き!と思うのは断然小野不由美さんの『風来たりて』でした。営繕かるかやシリーズの短編ということだったので、最後にはきっとなんとかなるだろうと思っていましたが、短編でありながらも流石のジェットコースター展開でした。小野不由美さんのお話は上って上って落ちるジェットコースターのような展開が非常にスリリングだと常日頃思っています。どこまで上るのかもわからないし、落ち始めたらどこまで落ちるかもわからない。周りの風景が事細かに描写されるからこそ上っている間も落ちている間も怖い。そんなお話でぞわぞわとした恐怖を丁寧にすり込んで下さるのが、怖いのですが大好きです。
このようなアンソロジーを読んでみるのも、読み口を変えるという意味ではいいかもしれませんが、今回は新規開拓には至りませんでした。またどこかのタイミングでチャレンジしたいと思います。 -
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ネタバレ巨大フェリー「ステラ・ブルー」の船上パーティーに参加した乗客たちは異常な殺人事件に巻き込まれていく。顔が異様に膨れてパーツの失くなった死体、全身の皮膚を剥がされ床に埋まった死体……それはこの世ならざるものの仕業だった。
読み進めていくと2転3転する。どう3転するかというと、
序盤「SFホラーかぁ(あんま得意じゃないんだよな)」
↓
中盤「SCPぽさ出てきた。めちゃオカルトじゃん(結構好きかも)」
↓
終盤「え、今度はクトゥルフ?(さすがに詰め込み過ぎでは)」
って感じ。分かる人にはこれで分かると思います。詰め込みすぎてとっ散らかってる感は否めないけど、始終ハラハラドキドキして面白いし、キャラの個性も立っていて愛着が沸きました。
出てくる死体が尽く皮膚を剥がされ血まみれになっているので想像しながら読むと少し疲れますが、それも面白さ故。ゲームや映画などの映像作品の方が向いてる作品です。とくにゲームとは相性が良いと思う。
ここからガッツリネタバレ。
ずっと奈津美に異常に感情移入する祐介に不可解さを感じていましたが、まさか倍以上の悍しさで返ってくるとは……。それにしても美乃梨に迫られても抵抗もできないくらい優柔不断で気弱な祐介に、邪魔だからといってそんな判断力や行動力があるか疑問が残ります。ある意味、祐介と美乃梨はお似合いですね。
ちなみに一番好きなキャラは瀬戸。クルーとしての顔を捨てて素の状態になった瀬戸がめちゃ可愛くて! 生き残ってくれて本当に嬉しいです。
最後に気になった誤植を……。改訂されてたらスルーしてくれ。
P301「過去に関係する人物を目的したかもしれない」目撃の間違いでは?
P396で美乃梨が「マリちゃんのこと」と言っているのに対し、P449では「マナちゃんの時のようなヘマは」と言っている。2人いたの? -
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ネタバレ因習大好き人間としては、すごく引き込まれた作品でした。
ただ、終盤にゾンビパニックものになってからはちょっとテンションが下がっちゃったかなぁ。個人的にゾンビものってあまり好みじゃないんですよね。一時期、ゾンビもののドラマとか映画を観まくってた時期があって、もうお腹いっぱいっていう感じなので、ゾンビ要素が個人的にハマりませんでした。
ゾンビものが好きな人にはおすすめできると思います。ゾンビの描写とかが恐ろしく描かれていたのは間違いないので。
史也と比留真が正義感に突き動かされ過ぎているような気がしました。君たちがそこまでやってあげる義理はないでしょ、と思うシーンが幾つかあって、少々気になりました。彼らがそう行動しなければならない状況にもうちょっと追い込まれてたら違和感はなかったかなぁと思いました。
神社にキリスト教関連のものが奉納されてあるってあう描写、設定はすごく興味深かったです。敵はキリスト教上で語られる悪魔なので、とにかくキリスト教グッズでなんとかしようっていうのは、村民たちの必死さが伝わってきてなるほどなぁと納得しました。
あと、自分もじいちゃん・ばあちゃんっ子だったので、史也に共感できるシーンは多々ありました。最後の終わり方も切なかったです。
総じて、因習×ゾンビ×エンタメ、という感じで楽しく読むことができました! -
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角川文庫『潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー』に収録されていた『ニンゲン柱』がなかなかに良かったので、著者単独作品を手に取ってみることに。
「蓋面に骸骨を模した薄汚れた金の懐中時計。それは持ち主の願いを必ず叶える。大きな"代償"を支払うことで―――。」
懐中時計を通じて、地獄からの使者(ス○イダーマッちゃう笑)と魂を代償とした願いを叶える契約を結んでしまった(難ありな)人々の顛末を描いた連作短編集。他のレビュアーさんも書かれているように、「笑ゥせぇるすまん」+「猿の手」な作品。(あと、個人的には「週刊ストーリーランド」感もあった。)設定も結末も若干、使い古された感はあるが、テキストは非常に読み易く、連作としての繋がりもしっかりと押さえられており、王道的な良さを気軽に楽しめる作品として◎。 -
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ネタバレ元警察官の久瀬宗子は知人の紹介で『古物商 阿弥陀堂』の面接を受ける。そこは死人の口入れ屋、事情を抱えた人が霊が取り憑いた忌物を借りにくる店だった…。
婚約者を亡くした男性の部屋に女性の霊が現れる『嗤う婚約者』、主宰者を亡くした劇団のスタジオに男性の霊が出る『死者に捧ぐカーテンコール』、十四年ぶりの同窓会が開かれた小学校で子供の霊が怪奇現象を起こす『再会の校舎』、空き巣に入られてからおかしなことが起きる少年の家『マイホーム・ゴースト』。
人を呪わば穴二つ、かな。忌物を借りる人々・使われる相手には秘密がある。忌物を使って秘密を暴きたい。相手を追い詰めたい、怖がらせたい。
店主は忌物の使い方は問わない。相手を追い詰めよう、排除しよう、といわば悪いことに使っても構わない。それを良しとしないのが元警察官の宗子。だが、そんな宗子にも秘密があることがわかる。
ホラーミステリとあるが、ホラーは要素程度の印象。霊が宿った物を使っているのでホラー。ミステリは確かに読み始めと明らかになる結末がどんでん返し。なんだけど、店主や宗子などのキャラクター含め、個人的にはあんまり印象に残らない感じだった。 -
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アンソロジーの良いところは、今まで読んだことのない作家の作品に触れられるところ。6人のホラー作家のうち、私はなんと4人が未知の人。映画化作品ではよく知っているのに原作は未読だったりして、今さらながら「読んだことなかったわ」と自分で驚く。
「最恐」を謳っているけれど、さほど怖くはありません。でも登場人物たちの確実に潰えて行くさまは感じ取れます。個人的には『にえたかどうだか』にドキドキしました。
そういえば、私の勤務先の博物館にも「見える人」「感じる人」はやっぱりいて、そういう人たちが「絶対近寄れない」という場所があるんですよね。憑いていてもおかしくないものを収集してきているわけだから当たり前のことですが、そんな話を聞くたびに、私は霊感がなくてよかったと思います。怖いもん。 -
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わたしは澤村先生が本当に大好きだということを、この本を読むことで改めてしみじみと実感いたしました。どうしてこんなに面白く、怖い話が書けるのでしょうか。どこへ並んでいても先生のお話が一番好きです。コンビニで、スーパーで、デパートで、田舎で都市部で、わたしは一筋の光明を見るでしょう。それが澤村先生です。夜の海にも朝の山にも、新しく見つけられる気がします。はい?どういうことですか?さっぱり分からない。まぁだからあの、それほど先生のお話は近くに生きているということです。
この本ではその澤村先生を一発目に置いているわけですが、初手王手すぎます。お願いしますと挨拶を交わした直後「はい、王手」とされるということですね。いや、いやいやいやって。それをぜひみなさんにも味わっていただきたいです。
もう一つ、原浩先生の感想は身から出た闇の方にあげていますが、828-1、本当に素晴らしいお話ですので、広く読んでほしいです。この二つが読めるというだけでこの本は星5に値します。短編でこの質の高さ、異常です。大変恐ろしいです。