シェイクスピアのレビュー一覧

  • ロミオとジュリエット

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    初読み終わりシェイクスピア。
    思っていたより全然読みやすくて面白い。
    一回マクベスを手に取ったことはあるけれども、登場人物がうまく飲み込めず、読むのを諦めてしまい、そこからシェイクスピアとは一年ほど疎遠に。
    しかし、海外の近代古典にはシェイクスピアの元ネタが多く、知っていないとなーってことでまた手に取ってみた。
    始めは登場人物が誰かわからなかったけれども、とりあえずページを捲っていったら分かるようになったな。
    プロットが抜群に面白いから、リフレッシュ目的で読める。
    250ページ近くあるけど大体1.5時間ほどで読めた。

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    2026年07月19日
  • 新訳 まちがいの喜劇

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    短いのに満足感がある。役者さんによって日本語でも違和感なく韻を感じられるようにしてあって大変ありがたい。実際に上演されるなら舞台でも観たい。

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    2026年06月26日
  • 新訳 タイタス・アンドロニカス/ファヴァシャムのアーデン

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    この本は、「タイタス•アンドロニカス」、「ファヴァシャムのアーデン」そして「あとがき」の3篇を楽しめます。

    確かにすぐ殺したり、残虐な場面が多かったり(タイタス)、ちょっと下世話な表現があったり(アーデン)と、シェイクスピアらしくない作品ゆえ、長年正式にシェイクスピア作と認められなかったそうです(アーデンが最終的に認められたのは2016年!)

    かなり初期の作品のせいか、よく言えばジェットコースターのようなメチャクチャな展開で、2篇ともすごく面白いです!
    悪く言うと、他の有名なシェイクスピア作品のような格調の高さはあまりありません。
    でも、身分を問わず、一般大衆が楽しめる戯曲として書かれたものかもしれないと思えば、まるでテレビドラマを見るように引き込まれて、スルスルと読めてしまうと思います。

    訳者の河合祥一郎先生による「あとがき」で、この作品2篇にまつわる詳しい解説が読めて、これもまた勉強になりました。

    迷っている方は、ぜひ読んでみてください!

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    2026年06月14日
  • 新訳 アテネのタイモン

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    ああ、神々よ!
    むこうにいるあの落ちぶれ蔑まれた人は、わが主人か?
    あんなに痩せ衰えて? ああ、誤ってなされた
    善行の驚くべき記念碑ともいうべきお方!
    とことん困窮すると、名誉がこんなにも堕落するとは!
    あんなに気高い人をこんなにも貶めるとは、
    友達ほど忌まわしいものがこの世にあろうか!
    「汝の敵を愛せ」とは、まさに
    今の時代にふさわしい教えだ。
    警戒すべきは、友達面をして害をなす者。
    むしろ害をなしたがる敵こそ愛したいもの。
    ──第四幕第三場

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    2026年02月21日
  • 新訳 冬物語/シンベリン

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    冬だからと気軽に手に取り読みましたが、個人的にはこの2つのロマンス2作品はシェイクスピアの作品の中でも大好きな作品となりました。特にシンベリンは名前も知らなかっただけに尚、出会えて良かったと思いました。

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    2026年01月19日
  • 新訳 オセロー

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    「学校では教えてくれないシェイクスピア」(北村紗衣)を読み進めるために。
    素晴らしかった。
    でも、シェイクスピアに興味があるのは、小学館の文学全集で、リア王とかを小学生のときに読んだからかも。60年以上も生きてると、イギリス、イタリアetc.に行ったり、差別や偏見とは無縁ではないという経験もあって。
    この本でこそ感じられるシェイクスピアの奥深さに、すっかりハマってしまいました。

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    2026年01月05日
  • 新訳 冬物語/シンベリン

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    『冬物語』
    前振りとして、シチリア王レオンティーズとボヘミア王ポリクシニーズが幼い頃からの大の仲良しであること、ボヘミアの方がシチリアより貧しいことが明かされる。この友情が類なきもの、と思わせて、次の瞬間あっという間に崩れていく。もう帰る、もう帰る!と聞かないポリクシニーズが、シチリア王妃ハーマイオニの懇願で、「じゃあもう少しいようかな」と心変わりしたのだ。レオンティーズは妃ハーマイオニとポリクシニーズの密通を疑い、貴族カミローにポリクシニーズの殺害を命じる。するとカミローは計画をポリクシニーズに告げて逃げるよう指示。ますます嫉妬の炎を燃え上がらせたレオンティーズは妊娠中の妻を投獄し、生まれた赤子を捨てるがよう命じる。『オセロー』ではイアーゴーが敢えて嫉妬心を煽っていたが、レオンティーズは自身でどんどん妄想を膨らませて、とんでもない悲劇を生む。そして数年後、鄙には稀な美貌で、花の女神フローラにも例えられるパーディタが現れる。次世代の恋愛によって親世代の確執が救われる過程は『ロミオとジュリエット』の逆。

    『シンベリン』
    これもまた嫉妬から始まる話。
    ブリテン王シンベリンの王女イモジェンは幼馴染みのポステュマスとひそかに結婚した。しかし、娘を再婚した王妃と先夫の息子クロートンと結婚させたかったシンベリンはそれを許さず、ポステュマスを追放する。イタリアに渡ったポステュマスに、ヤーキモーが賭けを提案する。自分なら口説けると言うのだ。ポステュマスはイモジェンの貞節を信じ、賭けに応じる。ヤーキモーは早速ブリテンに渡り、ポステュマスがイタリアで女遊びをしていると嘘を言うが、イモジェンはポステュマスを信じていた。ヤーキモーは賭けに勝つため、鞄の中に隠れてイモジェンの部屋に忍び込み、部屋の造りの詳細とイモージェンの胸の痣を見、イタリアに戻ると、ポステュマスに誘惑が成功したと嘘をつく。

    最後は戦争まで出てくるこちらも事がどんどん大事になる展開。こちらはいわゆる悪者が最後に罰を受ける、冬物語よりは勧善懲悪的意味合いが強い。

     しかし二人の王女様、やんごとなき生まれなのに苦労しますな。

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    2025年11月26日
  • 新訳 ハムレット 増補改訂版

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    登場人物が限定的にも拘らず、運命が交錯するストーリーや感情表現等が巧みで引き込まれました。日本語訳でもユーモアにみちた押韻が楽しめる点でも素晴らしい作品でした。

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    2025年09月06日
  • ヴェニスの商人

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    310P

    ウィリアム・シェイクスピア
    イングランドの劇作家・詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、もっとも優れているとされる英文学の作家。また彼の残した膨大な著作は、初期近代英語の実態を知るうえでの貴重な言語学的資料ともなっている。

    ヴェニスの商人
    by シェイクスピア、大山敏子
    世の中にはまじり気のない悪徳というものはないのだ、 必ずそのうわべになにかしら美徳のしるしをつけているものだ。

    彼はなぜ大学に学ばなかったのか、これもわからない。しかし彼の作品から理解できるシェイクスピアの教養の深さ、常識の豊かさ、人間性に対する洞察力のするどさは、他に比べることのできないほどのものである。

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    2024年10月23日
  • ヴェニスの商人(まんがで読破)

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    小学生の頃に観劇をして知ったヴェニスの商人。
    きっかり1ポンドの肉っていうワードが強く記憶に残ってた。宗教の違いとか、身分の違いとか、いろいろある。正直に、人を騙さずに、お金以上に大切なこともあふよね

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    2024年10月19日
  • ロミオとジュリエット

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    今度舞台を見に行くため、久しぶりに読み直してみた。というか本で読んだのはもしかして初めて、、?

    想いは通じ合っているのに、お互いに相手を追いかけて死を選びあの世で幸せになろうと願う2人は最上級に愛し合っていたのだろう、、、

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    2024年05月21日
  • 新訳 から騒ぎ

    oct

    購入済み

    原文特有の韻やリズム感を体感可

    シェイクスピアの作品は韻やリズムも含めて評価されているが、翻訳だとなかなか味わうことができない。それは仕方ないことなので不満に思ってはいなかったが、この本では可能な限り韻を再現してくれており、また注で親切に解説してくれる。その分読み終わるのに時間はかかるかもしれないが、作品を当時の背景などを踏まえて深く理解できるはず。

    #笑える #タメになる #シュール

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    2023年01月03日
  • 新訳 リア王の悲劇

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    シェイクスピアを再読。河合祥一郎訳の本文は勿論、詳注、2種類の版の差異、種本でハッピーエンドの「レア王年代記」の紹介、トルストイの辛辣な批評とオーウェルの反論等、時代背景や典拠など興味が唆られる内容満載で、該当箇所に戻り読み返す愉しさを満喫できた。
    父リア王への愛情表現の求めに対して真実の心を伝える最愛の末娘コーディーリアに激怒し、無資産でフランス王のもとへ放逐する。一方口先だけの美辞麗句を並べる貪欲な2人の娘には国土も権限も全て与える。リア王はやがて貪欲な娘二人に荒野に放りだされ、コーディーリアも無慈悲な運命に弄ばれる。

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    2021年09月26日
  • 新訳 リア王の悲劇

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    劇であるがゆえに小説とは異なり人間ドラマだけで物語が進む簡潔さ。しかし、人間の避けがたい運命がしかと刻印されている。河合祥一郎さんの解説も素晴らしい。とりわけ、コーディーリアのストア主義哲学、トルストイとオーウェルの論争の読み解き。

    「…『わけのわからなさ』の中に意味がある、あるいは混沌の中に人間として生きる姿があるということを示唆しているのではないだろうか。どんなにまともに生きているつもりでも、人間である以上は愚かさを抱え、わけのわからない部分を秘めている――それがシェイクスピアの人間像だ。」
    「…シェイクスピアには強烈な愛の発露がある。その愛があまりにも大きすぎるとき、『裏切られた』という思いも強烈なものとなる。嵐によって表現されるその激しさの中には、強い愛への思いとその欠如によって生じる痛みとの両方があるのであって、それゆえにこそリアは咆哮するのである。」

    リア王という権威の権化の転落物語。シェイクスピア四大悲劇のひとつ、ということでやはり誰も救われぬのだけれども、コーンウォール公爵に反抗した民衆の気高さには胸を打たれた。なるほど、最近読んだアンティゴネにせよ、コーディーリアにせよ、誇り高き人間性(ヒューマニティー)の発現は常に抵抗とともにあるのかもしれない。

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    2021年09月02日
  • ロミオとジューリエット

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    たまたま入った中古書店で安く売られていたので、購入して読むことにした。
    本作を読む前に、ハムレットとマクベスを読んでいたのである程度は作者の傾向というものは理解していたが、本作はこの理解を上回っていた。
    シャイクスピアの作品の中では一番好きかもしれないと思っている。

    あらすじはあまりにも有名すぎるが、一応簡潔に述べると、絶対に結ばれる環境にない男女の恋の行方を描いた作品だ。
    そして、数々の苦難の先に、悲劇的な結末を迎えてしまう。

    この結末を迎えるにあたり、まず思うのがここまで人を愛した事があっただろうかということだ。今の常識で考えると、相手に何か瑕疵があったりすると、結婚は無理ですね、という事になりそうだ。しかし、ロミオとジューリエットはどんな障害があっても諦めることはない。このメンタルの強さは見習いたいと思った。

    ロレンス神父が何かとこの二人の恋の仲をもっていたのだが、最後の一か八かの賭けのような提案はもっと用意周到に行うべきであり、結果的に二人を死なせてしまう罪は重く、怒られるでは済まされない気がした。
    まあ、細かいところを指摘したところで、本作の理解に何か重大な影響が出るわけではなく、全く無意味なのだが一応記載しておく。

    全体として、運命への抵抗ということを強く感じた作品だった。生きていく上で、どうしても自分の置かれた環境や、境遇に生き方や考え方を支配されがちになる。しかし、それでも何とかその運命に抵抗していく事により、本当の自分の幸せや人生の目的が見つかるのではないか。こう思った作品だった。

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    2021年07月28日
  • ヴェニスの商人

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    読書好きとして一度はこういう歴史ある名著を読んでおこうと思い、拝読。
    率直に、すごく面白く、意外と登場人物も限られており読みやすかった。
    当時のイギリスの文化や法、背景が彷彿とさせられ、舞台はヴェニスではあるがシェイクスピアの頭の中が見て取れるようで、興味深かった。

    特に印象的な人物
    ・ネリッサ…ポーシアの侍女であるが、発する言葉に名言が多く、印象的。
    「あまり御馳走を召し上がりすぎますと、却ってこれは食物もなく、飢えている人間と同じように、やはり一種の病人だそうでございまして。してみますと、すべて中っくらいにいますということは、どうして中っくらいの幸福どころではございませんで。」
    「過ぎたるは白髪を早め、適度は長生の基のようで。」
    「月のあるうちはあの燈も見えませんでしたが。」
    (そうよ、大きな輝きが小さな輝きを見えなくする。)

    ・シャイロック…富めるユダヤ人。シェイクスピアの、また当時のイギリスのユダヤ人に対する憎悪がシャイロックの性格像に表れている。解説を読むと更に興味深いが、ここに当時の偏見とも言うべき人物像が写されている。

    他、印象的な言葉の引用
    ・「外観というものは、すべてひどい偽りかもしれぬ。そして、世間という奴は、いつも虚飾に欺かれる。世の虚飾とはすべて、魔の海へと人を誘う偽り多い岸辺でもあれば、また黒いインド美人の顔を隠す、美しい顔覆いでもあるのだ。」

    ・「外観によりて選ばざるもの、汝にこそ幸運は常にあり、選択もまた正しからん。かかる幸運の汝に帰せし上は、足るを知りて、ゆめ新を求なかれ。」

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    2021年03月17日
  • ヴェニスの商人(まんがで読破)

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    まんがで読破を読破するシリーズ。
    何気にこれで初ヴェニスの商人。
    シャイロックが悪人として描かれているけれど、ユダヤ人だからいけないのか、高利貸しだからいけないのか。奥が深いなと思うけど、そこがヨーロッパ文化の根底にはあるんだよな。

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    2018年03月10日
  • リア王(まんがで読破)

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    まんがで読破を読破するシリーズ。
    何気にこれが人生初のシェイクスピア。
    兄弟の争いは醜い。
    権力者に忖度して、言うべきことを言わないのは真の側近ではない。
    教訓は多い。
    それにしても、こんなに悲惨な話なのに、どん底の先には希望が待っているっていう最後のメッセージはスゴイな。

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    2017年11月02日
  • リア王

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    シェークスピアは、部分的にしか読んでませんでした。あらためて、悲劇作品を通じてシェークスピアの天才を垣間見た感じです。

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    2016年04月28日
  • リア王

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    シェイクスピアの四大悲劇の一つ。読むと現代にも通じる愛憎劇あり。ブリテン王リアや道化、エドガー扮する乞食の狂気ぶりも描かれ、読むのに苦労した。

    この狂気ぶりがシェイクスピアの「リア王」では非常に特徴的であるらしく、伝統的な秩序を重視するエドガーら善玉と新しいやり口で秩序を破壊していく悪玉のエドマンドらとの間で起こるギャップを道化の”狂気”を通して描いている。

    実際読んでみて「リア王」は単純に善玉・悪玉では区別できないものがる。元々、ブリテン王リアやグロスター伯爵は近代的な感覚で見るとかなり問題がある訳であるし、リアの娘であるリーガン・ゴネリル、グロスターの庶子であるエドマンドが親世代の秩序を破壊していく。一見すると「悪玉」的な行動は中世的な旧弊を打破してやろう、という気概さえ感じられる。


    結果的にリアとグロスターの浅ましい行動から、リア一家はリアとコーディーリアら三人の娘全員が、グロスター家でもグロスター伯爵とエドマンドが死ぬ。主要人物の大半が落命するという悲劇的な結末とともに、エドガーとオルバニーが新たな時代を築くことを決意し終わりを迎える。
    人間の浅ましさがもたらした究極の悲劇と言っていいかもしれない。


    「リア王」の悲劇は読み手によって受け取り方はいくらでもある。それだけの含みを持たせた作品だからこそ、長きに渡って読み継がれてきたのである。

    本書は訳者の野島氏が脚注を本文の下段に付しており、逐一本文の含みとなる意味を確認しながら読み進めることができるので、大変読み手にやさしいように感じた。

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    2016年03月22日