シェイクスピアのレビュー一覧
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ネタバレヴェニスの商人・アントーニオ、ユダヤの金貸・シャイロックとのいわゆる「人肉裁判」で有名な喜劇作品。
正直あんまり面白くはなかった。まずSSのような台詞形式であるため、風景や場面などが浮かびづらい。気づいたら退場していた、なんてことがままある。また、(これは現代人だからかも知れないが)シャイロックへの扱いが理不尽に感じた。きつく当たっていた人物(アントーニオ)がその本人に恨まれるのは当然じゃね…?と。従って一番の見せ場となる裁判の結果も、スッと入ってこなかった。
それでも訳者の解説は必見。「実はシェイクスピアは素材、原話は他人任せであること」・「1290〜1650年の間、ロンドンではユダヤ人が殆どおらず、しばしば嘲笑の対象とされていたこと」・「(この作品が描かれた)エリザベス期は金貸の黄金時代であったこと」など。 -
Posted by ブクログ
すでに人口に膾炙した作品なので、内容自体に驚くことはありませんでした。
しかし本作が500年以上もまえに書かれたと思うと、そして500年以上が経っても読むに十分値する作品を書いたかと思うと、改めてシェイクスピアの才気に驚嘆させられます。
そして昭和に書かれた訳者あとがきには、別の意味で驚かされました。とにかく訳者の自意識が作品の解釈や意義を述べる際にも強くあらわれ、ご本人の強い信念に基づく文体と内容が読んでいてつらかったです。
ですので、作品の読後は良かったのですが、上記あとがきの読後は悪かったです。したがって、どこか気まずさを感じてしまったことによる作品評価です。 -
Posted by ブクログ
“All the world's a stage. And all the men and women merely players." でお馴染みの、シェイクスピアの、最後は大団円で終わるドタバタ恋愛劇。
登場人物は他のシェイクスピア劇に比べても特別多いという訳でもないけど、やっぱり一生懸命読まないとゴチャゴチャして分からなくなる。始めに河合先生の『あらすじで読むシェイクスピア全作品』であらすじや登場人物の関係なんかを予習してから読んだ。
うーん、河合先生の訳はびっくりするくらい面白いし、もうこれを台本にして今すぐ芝居を始めようという気にすらさせられるが、話自体はそんなに…。おれが恋愛モノ苦手だからだろうけど…。
印象的であったところのメモ。まず女性同士がめちゃくちゃ親密にやり取りをするというところにちょっとどぎまぎしてしまうが、この点は「訳者あとがき」にも書かれている通り、「当時はシーツを容易に洗えないという事情もあって、同性で同衾するということはよくあり、(略)同性間の親密性が文化的に支えられていた。」(p.147)ということらしい。それからやっぱり名台詞の「この世はすべて舞台」(p.60)は来た来た、と思うのだけど、まったくその前後を知らないというか、その前の部分、「見ろ、不幸せなのは、我らに限ったことではない。この広大な劇場では我らが演じている場面より遥かに悲惨な芝居が演じられているのだ。」(同)という公爵兄の台詞の方が、スッと頭に入って来る感じがした。
あとは河合先生の訳がすごい。元の文の解説もされているところがあって、よくこんな訳思いつくなあとしみじみ思いながら読む。あんまり言うとネタバレになっちゃうので、2つだけ気に入ったやつを。「その木にボケナスを、つまり、おまえを接ぎ木しようか。それからミカンでも接ぎ木しよう。おまえの言うことは無ミカン燥だから。」(p.71)、「前世はネズミで、しょっチュー歌われてたのかもしれないけど、よく覚えてないのでありマウス。」(p.74)。それから原文で韻を踏んでいるところはちゃんと印がついていて分かるようになっており、訳も韻を踏ませている。これもたっくさん秀逸なのがあるけど、1つだけ。「おいで、オードリー。結婚したらやり放題だよ、裸おーどり。」(p.87)。ちなみにここは注釈によれば「Audreyとbawdry(猥褻)で押韻している。」(同)らしい。すごい。裸おーどり。だって。
あとは関係ないところで、「ディンガディンガディング」(p.130)といって歌うところがあるが、カーペンターズのYesterday Once MoreのEvery Shing-a-ling-a-lingというのを思い出した。わりと古くからある擬音?なのだろうか。
下の注を読むのも面白い。「シェイクスピアより先に大活躍していた劇作家クリストファー・マーロウが、一五九三年五月三十日午後六時、ロンドン郊外デットフォードにある小さな居酒屋で、勘定書きをめぐるケンカがもとで刺殺されたことへの言及か。」(p.84)ということがあったらしい。「エリザベス朝時代、舞台上に藺草を敷きつめることがあった。殺人の場面などで血しぶきを飛ばしたあと、藺草をのけてすぐ舞台にできた。」(p.92)なるほど。イグサを使っていた、なんて意外。あとは最後のシーン。「シェイクスピアの喜劇には(略)大団円から立ち去る人物たちがいる。Kill-joyと呼ばれる彼らの存在は、浮かれ騒ぎが一時的なものでしかないことを明確にする。」(p.141)なんて、実生活でもこういうkill-joyみたいな人いるよなあ、おれもその気があるんだけど…。
という感じで、薄さに騙されずに、もっと気合を入れて読めばもっと楽しめる話だろう、と思った。逆に言うとやっぱりシェイクスピア作品はダラダラしながら読む話ではなかった…。(21/01) -
Posted by ブクログ
韻を踏んでいるのが面白い。日本語に訳すと仕方ないのか、踏み切れてないところも面白かった。ディミートリアス(ヘレナを無下に扱う)とヘレナ(片思いでストーカーチック)の掛け合いが面白かった。
惚れ薬で別の女性に気が移った途端、辛辣ー!好きじゃないからってそんなdisる!?好きor嫌いの2択しかない極端さ。身分の高い観客に、舞台でこの辛辣な態度がウケてたのかなと思うと微妙な気持ちになる。
豆の花 、蜘蛛の巣 、蛾 、芥子の種という四人の妖精が出てくるくだりが好き。なぜこのラインナップなのかと。
全体的に夏の暑さでゆだってお祭り騒ぎ、的な印象を受けた。 -
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ネタバレ日ごろ蔑まれているユダヤ人の商人が、とある男に対し敵対心と復讐心を燃やし、
その男に金を貸す代わりに契約としてとんでもない証文を書かせたといった内容
ユダヤ人金貸しのシャイロックは、ベニスの商人アントニオにのカネを貸した。
ところが、頼みの貿易船が帰港せず、アントニオはカネを返済できなくなってしまう。
2人が交わした契約書には、「もし期日までに返済できなければ、胸の肉1ポンドを切り取る」という文言。
シャイロックはただちに裁判所に訴え、契約の実行を迫る。
裁判所は契約どおりに肉を切り取る判決を下す。
シャイロックはすぐさまナイフでアントニオの肉を取ろうとする。
そのとき裁判官は「契約書にある通り肉は確かに切り取ってもよいが、一滴の血も流してはならぬ」と宣言する。 -
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べネチアを舞台にした、友情と恋愛、そして知恵の物語である。悪役を痛快に懲らしめる展開に加え、物語の終わり方も爽やかであり、素直に楽しめる物語であった。当時のベネチアの時代背景や、ユダヤ人とキリスト教徒の考え方の違いなどを、前提知識としてよく理解していると、さらに楽しめると感じた。また、「マクベス」同様英語で鑑賞しないと、本当のシェイクスピア作品の良さは味わえないと感じた。英語のリズム感や韻などを、翻訳されたものでは味わうことができないからだ。シェイクスピア作品については英語表現が見所の1つで、みんなが手本にしたくなるほど美しく綺麗な英語を用いているそうだ。そうした良さを味わうためにも是非英語で鑑賞したいと思った。