冬森灯のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“うしろむき”なんて名前だけど、出てくる料理とお酒は絶品揃い。きりりと白髪をまとめた女将の志満さんと、不幸体質の希乃香さんが元気に迎えてくれる。
お店の名物は「料理おみくじ」。
今宵の食事も人生も。いろいろ迷ってしまうお客さんに、意外な出会いを与えてくれると評判だが――。(あらすじより)
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料理が出てきて、読みやすくて、でも奥行きがあって、ストーリーがしっかり組み立てられている、まさに私好みの1冊。
短編ごとに主人公は違うけれど、みんなが繋がっていて伏線になっていて、最後はハッピーエンドという流れ。
心穏やかに読みたいときにぴったり。 -
Posted by ブクログ
タイトルから恋愛のお話なのかな〜と思っていましたが、人と人のいろんな縁を結ぶ人情味のある物語でした。心がじんわりあったかくなりました。とにかくパンが食べたくなった、、
商店街が舞台なので、だんだん廃れてしまっていくリアルな部分もちゃんと描かれていましたし、それでも自分たちらしくお店を続けていこうと、みんなで助け合って乗り越えていく姿に、元気づけられました。
新しいお店もいいけど、昔ながらのお店って人の温もりを感じるからいいですよね。実際に、この物語のように模索しながら続けておられる昔ながらのお店も、たくさんあると思うので、ずっと続けてもらえるように消費者として応援していきたいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシェフとギャルソンが兄弟の、移動フレンチレストラン「つくし」彼らの世界一美味しい料理をお客様に提供することを自負している。彼らの行くところには必ず芸術がある。
料理の描写は絶妙、特にフルーツシャンパンの食前酒と前菜が食べてみたくて仕方がない。最前半部にあるとある牧場を舞台に描かれるパンの食し方も、読んでてよだれが止まらない。
ただ肝心の物語がちょっと残念。短編一つ一つは良い出来なんだけど、風呂敷を畳んでいくときに今までの物語がつながりにくい。謎の人物をおいかけるミステリー形式でもあるんだが、その謎解きも人物の正体ももうちょっと意外性が欲しかったし、そもそもの人物相関図が頭に入ってきづらい部 -
Posted by ブクログ
素敵な装丁に惹かれて手に取ってみたら、以前に読んだ『縁結びカツサンド』、『うしろむき夕食店』と同じ作者さんでした。
既読の2冊もそうでしたが、出てくるお料理の描写がどれもめちゃくちゃ美味しそう(^^)
フランス料理はほとんど食べたことないけれど、こんな素敵なお店がほんとにあったらぜひ行ってみたいな〜。
各話に出てくる果実入りのフルーツシャンパンがとても美味しそうで飲んでみたくなり、果実フレーバーのチューハイに冷凍フルーツを入れてビストロつくしごっこをしてみたりもしました笑
連作短編のような形になっており、一つ一つのお話はとても良かったのですが、全編を通して描かれる「翁」を探すくだりに関して