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Posted by ブクログ
細い路地を何度も曲がってやっとたどり着く「うしろむき夕食店」は、二階建ての洋館に一枚の絵のように続く左右のステンドグラスの嵌め込まれた観音開きのドアの店。ドアを開くと、「お帰りなさい!」と、はじけるような笑顔の女将の志満さんと孫の希乃香さんが着物姿でお客を迎えてくれる。自分の勝手な想像だが、廣嶋玲子さんのふしぎ駄菓子屋銭天堂のイメージが浮かんできた。名物「料理おみくじ」には、ちょっとした言葉と料理名が書かれている。相手を想って作られたその料理が、とにかく美味しそう。それがお客の迷いや悩みの背中を押してくれることになる。五つの物語とおまけの一話は、だんだん面白くぐいぐい引き込まれていった。それぞれの話の登場人物が、その後の話にも登場して、それをつなぎ合わせて色々想像するのも楽しかった。
Posted by ブクログ
あやごぜさんのレビューで知った本です。ありがとうございました。
この本の印象は、なんといってもハート型のエビフライ。イナコさんの装画に魅せられてしまいました。その他のお料理のイラストも思わず食べたくなるものばかりでした。
夕食店の店主、志満さんのお料理は、どれも気取ってないのにおいしそうなものばかり。彼女は、誰に対しても態度を変えない素敵な方でした。店員の志満さんの孫、希乃香さんが見送ってくれるときの「いってらっしゃい、明日もいいお日和になりますように」という言葉には、さりげない心遣いが感じられました。
おみくじでオーダーされた五つのお料理に込められた言葉は、その人のことをさりげなく後押ししてくれるものでした。最後の〈おまけの小皿〉の物語は、これからのうしろむき夕食店の始まりが描かれていて、みんなの笑顔が溢れていました。
うしろむきではなく、前向きにさせてくれるお店は、「相手を思うこと」で頑張っている人をそっと後押ししてくれていました。
とても優しい物語でした。
〈お品書き〉
一の皿
願いととのうエビフライ
二の皿
商いよろしマカロニグラタン
三の皿
縁談きながにビーフシチュー
四の皿
失せ物いずるメンチカツ
五の皿
待ち人来たるハンバーグ
おまけの小皿
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小説・文芸
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