冬森灯のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
駒込うらら商店街にある「ベーカリー・コテン」は、家族経営でつないできた昔ながらのパン屋さん。
結婚や就職など、人生の節目にとまどう人たちが「コテン」を訪れ、パンを通じて三代目の店主音羽和久と、常連客となった人たちとの縁が深まっていく。
和久が店を継ぐこと、自分のパンを見出すことに迷いながら、前に向かって進んでいく物語。
創業者である和久のじいちゃんの残した言葉が、とても素敵でした。
ノーと言えないのは、弱さじゃなくて強さだ。
断ることは、可能性を断ち切ることになる。だなんて、断るのが苦手な私にとって、とても嬉しく励みになる言葉です。
巻末に載せられていた短編「もうひとつの縁結びカツサンド」 -
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表紙のおいしそうなエビフライとビール、
だけどタイトルは「うしろむき夕食店」
表紙のあったかさとタイトルが気になり手に取りました。
帯は、
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焦ったり
迷ったりしたら、
一度をうしろを
振り返ってごらんなさい
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うしろむき夕食店の目印は、野菜や果物の無人販売機。
やっとの思いでたどり着き、お店の扉を開けると、
「おかえりなさい!」と出迎えてくれる。
夕食店を訪れるお客様と、
そこを営む女将の志満さん、孫の希乃香さん。
人生の岐路や迷ったときに「料理おみくじ」。
・願いととのうエビフライ
・商 -
購入済み
ほのぼの….….
初めて読む方の作品だったけれど、一話一話が、ほのぼのとして、心が温まるような気がした。料理も、飲み物、お酒も、美味しそうで、良かった。
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手にしたきっかけは、なんと言ってもこのおいしそうな表紙ですよね!エビフライがハート型なのも、ビールが添えられてるのもたまらないっ!( ^_^)/□☆□\(^_^ )
都心から私鉄で20分、最寄り駅から徒歩10分ほどの場所にある「うしろむき夕食店」…その素敵なお店の雰囲気、提供されるお料理とお酒、お料理のおみくじ、そして来店者を「おかえりなさい」と迎えてくれると評判のお店。ここを訪ねるお客さんとお店を営む志満さんと孫娘の希乃香ちゃんのストーリー。
こんなお店が近くにあったらいいなって、この手の作品読むと必ず思いますね…!おいしいお料理食べたあとってみんな笑顔になって、幸せな気持ちになっ -
Posted by ブクログ
都心から少し離れた場所の少し分かりにくい路地裏にある「夕食店シマ」。別名は「うしろむき夕食店」。
そんな隠れ家的なこぢんまりしたレストランを舞台にしたヒューマンドラマ。
本編が「一の皿」から「五の皿」までの5話と、エピローグにあたる「おまけの小皿」の計6話からなる。
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店主は志満さんという高齢の女性。志満さんは元芸者だけあって客あしらいが上手く、出てくる小料理もしゃれていて見事だ。
給仕を担当するのは、希乃香という20代の女性。志満さんの孫娘で明るく元気で店のムードメーカー的存在だ。
ひとときの安らぎを求め、今夜も悩みを抱えた人が引き寄せられるように -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっと不思議な食堂「うしろむき夕食店」が舞台の連作短編集。
「うしろむき」はネガティブな意味ではなく、レトロなお店で昔を懐かしんだり、過去を振り返って歩んできた道を確かめたりして、前に進む力をくれるお店。一日の終わりに、「おかえりなさい」と迎え入れられて、「いってらっしゃい」と送り出される。
各ストーリーの主人公は別々の人だけど、直接または間接的に少しずつ繋がってる人たち。それぞれ仕事で悩んでいるなど、人生に帰路に立っている。
どのストーリーも主人公が初めてお店を訪れるところから始まる。一人称で語られるストーリーで、お店の構造や調度品の説明がされるけど、みんな同じものを見ているのにそれ -
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駒込うらら商店街にあるパン屋さん「コテン」の三代目が、お店を訪れる人たちとの繋がりの中から自分の原点に気づき、悩みも戸惑いも乗り越えていく。
少しずつ変わっていく三代目の姿や、一代目の「鬼八」さんから代々受け継がれる、頑固な絆にジワッと感動が込み上げる。
「銀座『四宝堂』文房具店」を読んだときにも感じた、タイパ・コスパも大事だけど、心の通った仕事って素敵だなってこと。
本のタイトルでもある、最後の「縁結びカツサンド」のお話の中でもまた、同じことを考えさせられた。偶然か、ドラマ「女神の教室」でも、似たようなシーンがあった。
少しずつ、時代の潮流が変わっているということか、それとも、時代やトレン