飲茶のレビュー一覧
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倫理ちゃんと正義くん他、学園ドラマのラノベ風の仕立てもそれなりに抑揚のあるストーリーで楽しめた。その娯楽性のある初心者向け目線で、哲学を学べるという内容。例えば、学校をパノプティコンのように監視できるようにした方が良いか、などのテーマをベンサムの功利主義的視点で考えてみようというような。
ー ソ連以外の共産主義国家もそうですが、共産主義、つまり、平等の正義を旨とし全体の幸福度の最大化を目指す国家は、だいたい強権的で抑圧的な政治体制になる傾向があります。これはなにも、共産主義者が悪い人だからという短絡的な話ではなく、「平等の正義』を実現するには、どうしても強権と抑圧が必要になってしまうからなの -
Posted by ブクログ
前作の西洋哲学トーナメントに引き続き、本作では東洋哲学によるバトルが展開される。
西洋哲学が「ゴール(真理)を目指す」ものであるのに対し、東洋哲学は「ゴールした」ところからスタートする。
東洋哲学者は、西洋のようにそれまで築かれてきた哲学を批判したり打ち砕くことに躍起になったりはしない。
後世の人間たちは、先人の東洋哲学に対して「自分たちの解釈の仕方が間違っているんだ」と考え、「新しい解釈の仕方」を作り出し、その解釈の体系を発展させていく。
ーーーーーーー一以下、抜書きーーーーーーー
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西洋の場合は、最初の哲学として「世界の根源とは何か」「絶対的に正しいことは何か」といったことを考え -
Posted by ブクログ
ネタバレ・ゲーデルの不完全性定理
‐第1不完全性定理:ある事務準のない理論体系の中に、肯定も否定もできない証明不可能な命題が必ず存在する
‐第2不完全性定理:ある理論体系に矛盾がないとしても、その理論体系は自分自身に矛盾がないことを、その理論体系の中で証明できない
・不確定性原理:運動量と位置を同時に正確に知ることは不可能
・観測至上主義的見方「測定してねぇんだから、一も運動量もへったくれもねぇんだよ!決まってねぇんだよ!」
・コペンハーゲン解釈:矛盾をそのまま受け入れる、予測の道具として使いやすいから使われている
‐電子は観測される前は波のような存在であるが、観測されると粒子になる。
‐観測される前 -
Posted by ブクログ
先日「嫌われる勇気」を読み、哲学にも興味が湧き購入しました。
難しい内容かな?と思ったのですが、嫌われる勇気と同じ対話式で話が進んでいく構成となっており、とても読みやすかったです。イラストでの説明も多く用いられており、特に「永劫回帰」の説明についてはイラストありきで分かりやすかったです。
正直なところ、読み始めて半分くらいまでは何を伝えたい本なのか、なかなか掴むことが出来ませんでした。しかし、上記に挙げた永劫回帰の説明が終わったあたりから、話の束が1本に収束していくかの如く、面白くて夢中で読み進めました。
本著を読み終え「今、この瞬間を生きる」を胸に、日々を精一杯生きていきたいと思いまし -
Posted by ブクログ
一年くらい前に「哲学的な何かあと科学とか」を読んで、次は数学だな、と思っていた。
科学の方はかみくだいた表現のわりにけっこう難しくて、数学はもっと難易度あがるかも…と思って覚悟して読んだ。
私にとって聞いたことはあるけどよく知らない、フェルマーの最終定理。
この数学史上、もっとも難解な問題に挑む数学者たちの歴史をなぞりつつ、役に立つこととは、ひいては生きることとは…を問うていく内容。
いやぁ…飲茶さんの書き方のせいもあるとは思うけど、めちゃくちゃエモーショナルでドラマチック。
フェルマーの最終定理がなんなのか、そんなの全然わからなくてもとても面白く読める。
一見無機質とも思える数学を軸にし