【感想・ネタバレ】史上最強の哲学入門 東洋の哲人たちのレビュー

あらすじ

最高の真理を求める男たちの闘い第二ラウンド!古代インド哲学から釈迦、孔子、孟子、老子、荘子、そして日本の禅まで東洋の“知”がここに集結。真理(結論)は体験によってのみ得られる!

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Posted by ブクログ

前作、史上最強の哲学入門を読み、だいぶ時間を空けて、本書を読んだ。
読み物としては、東洋の哲人たちの方が面白かった。
東洋の哲学の真髄が分かったとは到底言えないのだが(その理由は本書を読んでもらえれば分かると思う。)、著者の言いたいことはある程度理解できたと思う。

とりあえず、南無阿弥陀仏を口癖にしてみようかな笑

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2025年09月07日

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非常に読みやすかった。読書筋力が低い私でもすらすらと読め、理解に困らない平易さとユーモラスを持った本で、著者の他の本も読みたくなった。
ただ東洋哲学自体は難解で本来はこうした入門書で理解することに頼るものではないというのも学んだ。それでも、自分は生きている苦しみをどうにかするため、思考し、理解しようとしてしまうだろうと思った。

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2025年07月27日

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東洋の哲学総ざらい!
日本は仏教が主流とはいいつつも、何もに知らなかったのでここまで東洋哲学と宗教が関係していると思っていなかった。
経験的体験を重視する仏教は非常に自分にマッチしているなと思った。
あとがきの完成された哲学ならば素晴らしい国になっているはずだから不完全なのだろうというのはとても印象的。西洋哲学も知りたくなった。

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2025年07月06日

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東洋哲学は、「学ぶこと」では決して理解に達することができない、と本書の冒頭にありましたが、全くその通りだと思いました。ここで、感想を書くこと自体が、理解していないことを証明する行為でありますが、書かせていただきます。東洋哲学の「私がない」という概念ですが、本書を読んで、ぼんやりと理解できた気がしています。もちろん、この感覚は「悟り」ではなく、あえて言うなら、「悟り」の入り口の門の前に立てた、とでもいえばいいでしょうか。この門の先に「悟り」があるかもしれないが、とても入れない、といった感覚です。もっとも、「門」とか「門の先」とかと表現していること自体が、「物がある」と認識しているわけで、この「物がある」という概念や思考に囚われている限り、「悟り」の境地には到達できないのだと思います。いつか「悟り」の境地にたどりつけたとして、そこはどんな景色で、どんな感覚なんだろうか…非常に興味深いです。

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2025年05月28日

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西洋哲学は、常に反証が繰り返され進化していくもの。
東洋哲学は、祖となる経本へ様々な解釈を繰り返し進化を遂げていくもの。
その異なりを発見できただけでも儲けもん。

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2025年05月03日

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おもしろいしわかりやすすぎる〜!
今まで仏教書を読みながら「でもこれってこうじゃない?」と頭の中で反論していたことに飲茶さんがビシビシ突っ込んで解説していってくれるから、読後のいやでもやっぱり…がない 読者がわかるまで例えを使って何度も根気強く教えてくれるイメージ
東洋哲学は経験がなきゃ理解したと言えないから、だからこそ新興宗教やカルト集団がたくさん誕生するのかなと思った 悟った、ってわかんないもんね。

たしかに法華経とかって釈迦の「たとえばさ…」みたいな話が多くて、読者側はこれがかえってはぐらかされたように感じていた でもそれは書かれてるように釈迦が悟りへ「辿り着くこと」だけを重要視していたから だからそれ以外の理論、弟子から投げかけられる「世界はどうなっているのか」の問には無記としていた

中国哲学について初めてこの本できちんと知ったけど、墨子、アツいね。中国の歴史や国の成り立ちから解説されているのがすごく勉強になる 自然に立ち向かって国を作っていった人たちが何度も王に反乱を起こすのは当然のことで、そりゃ何度も国名が変わるよね…と思わぬ所で世界史の理解を深められた
タオはすべてのもと……という思想は単純明快で、なるほど仏教が浸透しなかったわけだ、と納得

なかなかの分厚さでどうしようかと思ってたけどするする読めた 読もうか迷ってるなら読むべき だって東洋哲学は体験を伴った理解でしか知ったと言えないからね

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2025年04月16日

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おもしろかった!
前作のことを思い出しながら読みました。

イデア論とか例外があるからすべてに当てはまるわけではないけど東洋哲学がトップダウン型で西洋哲学がボトムアップ型っぽいな〜って思いました。

また忘れた頃に読み返したいです。
あとこの作者さんの他の本も読みたい。「読ませる力」が強すぎる。

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2025年01月24日

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東洋哲学と西洋哲学の違いや、東洋哲学の変遷がわかりやすく学べて有意義な本でした。
読み終わった今思うのは、これから先の未来に東洋哲学はどう残っていくのだろうかということ。日常生活において祖父母など身近な先祖を仏様として意識することはあっても、無とか悟りとか禅などの哲学に触れることはほぼない。また、世界中が繋がっているせいか西洋とか東洋などの地域性もない混ぜに均質化しているように思われ、インドや中国や日本などの哲人たちが繋いできた求道の存在感が薄らいでいる気がする。そんなことにさえ捉われないことが哲人たちのスタンスなのだろうけど、果たして現代って望ましい方向に向かっているのかな、というのが気になった。

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2025年01月23日

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ほんとに分かりやすい説明、全く無知の私でも理解できる内容になっていた

西洋哲学の方も読んでいて、中盤までは西洋哲学派だなと思っていたが、「悟り」を理解してからは逆転した
火事の話やピーナッツなど、とてもわかりやすい例だった
入門書として最高だと思う

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2025年01月18日

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龍樹の「空」の考え方が気に入った。
色即是空、空即是色、世の中は全て空である。
哲学の悟り開いた、ダルマ大使も「何もない」と言うてる。世の中は「何もない」ってことらしい。
また読み返したい。

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2025年01月04日

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めちゃくちゃ面白い。
池上彰的な、淡々と分かりやすく解説するのが上手なだけの人かと思いながら読んだけど、後書きの意外な熱量に心射抜かれました。著者のファンです。
自分なりの中道を見出して生きたいと改めて感じました。

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2024年12月26日

ネタバレ 購入済み

哲学〜仏教〜禅で繋がる!!!

2024年12月読了。

西洋哲学を読んだので、東洋も…と思い読んだ。
元々の釈迦の主張は「宗教」と云うより「哲学」で有る事は、今まで読んてきた本でうっすら判ってきたが、『インド哲学⇒釈迦の哲学(原始仏教)⇒中国仏教⇒日本の禅宗で繋がる』と云う此処までハッキリとした解釈は聞いたことが無かったので、正に≪目からウロコが落ちる≫思いがした。

そして、何かと関係性において胡散臭がられる「大乗仏教」も、その「釈迦の哲学」を何百年と云う時間を超えて伝えていく為に、そして「現世利益」や「今そこに有る貧困」に振り回されている一般大衆の為に、解釈方法を変えて一つの≪宗教≫足らしめたと云う著者の論理には、心から『恐れ入りました』と頭が下がる思いがした。何かモヤモヤしたものが一気にクリアに成ったようで、日本の○○宗の信者でも釈迦の原始仏教と繋がっているのだと云うこの安心感は、何にも勝る思いだ。

飲茶さん、本当に勉強に成りました。これから本腰を入れて≪原始仏教≫からアタックしていこうと思います。
時間の経った本ですが、この本に出会えて、心から感謝します。

…と、此処まで読んで『何のこと…?』と思っている其処のアナタ、西洋編から是非読んでみてください。絶対に「!!!」と云う経験が得られますよ。

#深い #タメになる #スカッとする

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2024年12月21日

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西洋編に続き、本当に素晴らしい本であった。

孔子や老子にはじまり、釈迦、そして日本の仏教における念仏、禅など「小さい頃から知ってはいるけど結局これってなんなの?」な東洋神秘(?)を非常にわかりやすく噛み砕いて教えてくれる。また東洋哲学における"自己の極め方"→すなわち";無我"の境地についても、『体験をもって理解せずして、分かった(悟った)ことにはならんよ』の考えを大切にしつつも、現代的感覚をもって解釈してくれているのでよく理解できる。

すげえな、東洋哲学!!!!!ほんと、なんというか、最高じゃねえか!!!!!!!もちろん「理解した」なんて戯言は吐かないけど、けどもだ、この本に出会えたことを感謝せずにはいられない。それくらい大きな影響力を持った本。飲茶大先生、ありがとう。

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2024年12月04日

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シリーズ第二作目。

東洋哲学は予備知識なしだったので、全ての内容が新鮮で新しい発見が多かった。

体系的に理論立てて学び進めるものではなく、他人とは共有できない体験としての「悟り」。西洋哲学でいうソシュールのシニフィアン/シニフィエの構造による世界の捉え方を乗り越えて、ブラフマンとアートマンが混然一体となる「梵我一如」へと通ずる道程。そんな関連性を見て取れた気がする。

第一作目と比べ、個人的には著者の熱量が上がっていると感じた。バキの世界観に寄せることを放棄してまでも、著者の東洋哲学に対するリスペクトを十全に表現されている。(いや、思想が東へ移動して日本に到達する流れは、『バキ』の最凶囚人たちの動きと類似するか・・)

難解でいまいちピンとこない教えを、卑近な例で易しく解説してくれる力量は前作同様折り紙付き。それでいてすべての思想に横断する核心部分を抽出して提示してくらる。私のような初学者にも飽きさせず、決して少なくない文章量を読み切らさせる手腕は、あっぱれでございます。

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2024年11月22日

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哲学が好きなのですがあまり小難しく書かれても理解できない…と思っていた時、何だか漫画みたいな表紙のこちらの本に出会い惹かれて、思わずジャケ買いしました。
文章は砕けた感じではありますが、色んな東洋の哲学者達の主義主張をわかりやすく書かれていて、とても読みやすかった!こちらの本のおかげで、哲学が身近で親しみやすく感じました。あと仏教が日本に入ってきて、それが根付き、宗派が複数に分かれることになった経緯が、とても納得…!でした。

完全理解は出来てないので、あと何度か読み直ししたいなと思います。読み直しが楽しみに感じる本です。

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2024年11月04日

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読み応え抜群。
入門書というだけあって、わかりやすかった。
ただ、「説明して」と言われても上手く説明できる自信はない。
なので、是非読んでみてください。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

私には西洋の哲学より、こちらの東洋の哲学の方が難しかった。理解しようとしているからかもしれない。ただ両方知れたことで、私の中の世界の和が広くなった気がした。

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2024年03月14日

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ものすごくおもしろかったです。読んでよかった。

以前西洋編も読んだのですが、東洋編の方が段違いになじみやすく、スッと入ってくる感じがしました。
自分も東洋の文化の中で生きる者なのだなあと実感。

西洋の方は哲学と宗教が相容れないような関係値であったと記憶しているのですが、東洋では仏教というものが宗教であり東洋哲学そのものでもあるというのもおもしろかったです。

いろいろと感じたことがたくさんありましたが、それを言葉にしようとするのは無意味ですね。

なんにせよ、とてもおもしろいのでおすすめの一冊です。

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2024年03月10日

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西洋哲学編は、ほんとに「階段状」というように、最初から最後に向かって理解の階段を登っていくような読書だった。

つまり、普通の読書だった。

対してこの東洋編。やっぱり、冒頭で著者が述べてることが全てで「ピラミッド型」であり本質的に「わからないもの」。

その触れ込み通り、内容はずっと一貫していて、通奏低音は変わらない。そして思想の内容よりは「わからない」ことをどう越えようとしたか、その挑戦方法を知ることに意義を感じた。

これを読んだあとで「わかった」「わからなかった」「わかりやすかった」「わかりづらかった」と言うのは少し無粋かもしれないなと思ったので、面白かった、にとどめておこうと思います。

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

表紙のせいで読まず嫌いをしていたが、もっと早く読めばよかった…と思うくらいいい本だった。
まずはこれを読んでからもっと本格的な本を読むのが良いですね。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

哲学と宗教の境目が最早分からなくってしまったが、東洋哲学の大きな枠組みが理解出来た。
ここからそれぞれについての沼に嵌りこんでいくかは分からないが。

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2024年02月26日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白くて一気に読んでしまった。1冊目の西洋哲学の方を読んでから読み始めたら、その始まりやアプローチのされ方がまるで真逆で面白かった。悟りとは何かをインド哲学でしっかり説明されたうえで、言葉では伝えられない「体験による理解」がいかに伝承されてきたかを、中国哲学、日本哲学という流れを通して理解できるようになっていた。それぞれの哲学がいかに必然的にそうなったかを歴史的な流れと分かり易い例えを多用しながら説明していて、物語に入り込みながら読み込むことができた。
仏教でいう悟りの正体を知識として掴むことができた。不幸とは自分自身の思考が作り出しているものにすぎないので、無分別智の境地(悟り)を目指そう。すると自分というものはなくなり無為自然に至れる。自然と事を為せるようになる。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

東洋哲学の本はは初めて読んだ。
難しいかなって思ったけど、読み進めていくと面白い!やはり寺や仏など身近なものだからなのかもしれない。
東洋哲学は全て体験、経験、自分が初めて悟りをして完成する。
言葉では言い表せない。
西洋哲学とは真逆だが、似たような内容を説いている部分もある。
西洋哲学と東洋哲学、どちらも歴史に残す立派な学問。
私も考えることをやめない人間でありたい。

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2024年01月15日

ネタバレ 購入済み

最高だった!

間違いなく今年最高の本でした!
ちんけな悩みが吹き飛ぶ逸品!
歴史も学べて超お得!
何よりエガちゃんが偉大なる哲学者とはおみそれしました!

#笑える

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2022年04月17日

購入済み

東洋哲学の入門書には最適!

難解な東洋哲学を初心者でもわかりやすく解説しているので、東洋哲学について初めて触れる人は、この本はオススメです。

#深い #タメになる

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2022年03月05日

ネタバレ 購入済み

面白い^_^

とても読みやすくすぐ読めました。
釈迦とか老子とか名前は知ってたけど何した人かよく分からなかったけどスンナリと入ってきました。
素晴らしい読書体験
皆さんもそれを体験してねw

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2020年02月17日

Posted by ブクログ

西洋哲学が難解であっても、論理で説明できるのに対し、インド哲学、仏教や老荘思想などの東洋哲学は、論理で説明することはできない。
だから、そもそも、東洋哲学を言葉で説明するのは無理に等しく、多くの入門書は処世術に役立つというような適当な説明でお茶を濁している。

しかし、作者はユーモアも交えながら、東洋哲学が本当はどういうものかを熱く語り、必死で伝えようとしてくれている。こんなに親切な入門書はない。
お陰で少しは東洋哲学が理解できたような気がする。

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2025年04月21日

購入済み

飲茶さんは

いいね

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2017年01月21日

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当方、哲学は初心者。この本は入門書として面白い。
特に西洋哲学の発展は真理を目指す階段で、東洋哲学は真理を悟った各派の開祖それぞれのピラミッド、との説明は秀逸。
東洋哲学って(西洋哲学とは違って)宗教の学問?
この本で扱うのは、インド仏教、中国の諸子百家、日本の仏教。

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2025年11月10日

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最初の、西洋哲学との違いがとても
分かりやすく特徴を捉えているように
感じた。

西洋哲学はあくまで論理的に追究する
学問的なアプローチ。
一方で東洋哲学は悟りの境地はあると
しながらも、経験し体得を得て解釈を
行い昇華していく実践的なアプローチ。

日本人だから後者のアプローチを違和感
を覚える事なく読めるが、欧米人には
どうなのだろうか?
というのがとても気になりました。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 『史上最強の哲学』の続編で東洋思想版。インド、中国、日本の思想について記述しています。総括すると、①東洋哲学は西洋哲学のようにロジックを積み重ねるのではなく、ある日突然真理に到達した師匠が登場する、➁その言説を弟子たちが色々と解釈して学問としてまとめて伝える、③それ故に多くの分派ができる、というのは面白い解釈と思いました。「悟った!」というアハ体験が重要で、知識ではなく「実践」、つまり「普段の生活態度」が重視されるというのも一理あると思いました。

 前著に比べ、やや「くどい」点もありですが、東洋哲学の入口として学ぶには「史上最強」かと思います。(^^)

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かなり噛み砕いて説明されていてわかりやすく、基本的な内容を学びたい人におすすめ。
西洋哲学とセットで読んだ。

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2025年02月10日

購入済み

難解で敷居の高い東洋哲学を、初学者でも分かりやすい平易な文章で通史的に説明されているところがおすすめポイントです。読む過程で東洋の哲学と歴史の系譜を少しずつ理解し、一段ずつ積み上げるように知識を身につけていくことができます。章ごとにインド、中国、日本と舞台を移動させて世界全体から抽出された偏りのないエッセンスを集中して読むことができたところも良かったです。
大学等で東洋哲学を専門で学んだ経験のある人にとっては全体像を見通す復習となり、初めて哲学に触れる人にとっては興味関心に気づける良い入門書になると思います。

#アツい #深い #タメになる

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

前作の西洋哲学トーナメントに引き続き、本作では東洋哲学によるバトルが展開される。

西洋哲学が「ゴール(真理)を目指す」ものであるのに対し、東洋哲学は「ゴールした」ところからスタートする。

東洋哲学者は、西洋のようにそれまで築かれてきた哲学を批判したり打ち砕くことに躍起になったりはしない。

後世の人間たちは、先人の東洋哲学に対して「自分たちの解釈の仕方が間違っているんだ」と考え、「新しい解釈の仕方」を作り出し、その解釈の体系を発展させていく。

ーーーーーーー一以下、抜書きーーーーーーー
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西洋の場合は、最初の哲学として「世界の根源とは何か」「絶対的に正しいことは何か」といったことを考えた。すなわち、西洋は「人間の外側」にある「何か」について考えたのだと言える。しかし、東洋の場合は、それとはまったく異なり、哲学者たちはみな、「自己」という「人間の内側」にある「何か」について考えた。そう、東洋と西洋は「関心のベクトル(方向性)」がちょうど逆だったのである。
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『存在と無』は、二〇世紀最大の知的巨人であるサルトルによって書かれた「私」に関する西洋最新最強の哲学書であるが、実のところ、そのいくつかの洞察は、紀元前六〇〇年頃の東洋哲学者がすでに通り過ぎた場所なのである
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だから、何も釈迦が突然そういう「境地」を新しく発明したわけではない。また、後に彼は、菩提樹の下で悟り、その境地に到達するわけであるが、それだって別に彼が人類史上初というわけではないのである。したがって、その意味では、釈迦は決してオリジナルな存在ではないし、突如インドに舞い降りてすべてを生み出した神のような存在でもない。釈迦は、ウパニシャッド哲学という脈々と受け継がれてきた古代インドの伝統を踏まえた上で存在しているひとりの人間であった、ということは覚えておいてほしい。
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釈迦が偉大だったのは、古代インドの伝統として根付いていた当時最強のウパニシャッド哲学にたったひとりで立ち向かい、その誤解を正してインド哲学の潮流を正道に戻し、そのうえで「アートマン」という概念を否定した次の時代を担う新しい東洋哲学を生み出したところにあるのである。
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仏教とは、釈迦の哲学を知識として伝えるための教団なのではない。仏教とは、釈迦、そして、古代インドの哲人たちが到達した「あの境地」をみんなにも体験させようと、その方法を何千年も研鑽し続けた学徒の集団なのである。それゆえ、仏教のお経には、知識や教訓や生きるヒントが書かれているのではない。お経とは、読むことで釈迦や古代インドの哲人たちと同じ悟りの体験が引き起こされるよう、周到に緻密に計算された実践の書なのであり、そのためにこそお経は後世に伝えられ、そのためにこそお経は繰り返し読まれ続けるのである。
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『論語』を読み、孔子の道徳的言説を学ぶことも大切ではあるが、僕たちが孔子からホントウに学ぶべきことは、「戦国時代、たった一介の学士にすぎなかった男が、歴史を正道に戻そうと、国家権力にも神秘的権威にも屈せずに立ち向かった」というその心意気、ハートの方にこそあるのである。
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墨子は自らの思想を「兼く愛する」というところから兼愛と名づけた。この兼愛の名のもとに、墨子は「家族も隣人も他国の人もみな平等に、自分自身を愛するかのように愛しなさい、そうすれば戦争なんて起きないよ」と情熱的に説いたのである。
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つまり、ある人は作物を植えることに専念し、ある人は家を建てることに専念し、互いにその仕事を分けあった方が効率的で、全体としても利益が大きくなるということだ。すなわち、荀子はまだ経済学すらない紀元前の昔に、分業のメリットをすでにうたっていたわけであるが、だからこそ万人が平等で同じであってはいけないのである。
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だからこそ、老子は言うのだ。学を捨て、分別を捨てなさい、と。そうして、ついには「私がいる、私がやっている、私が見ている、私が触れている」と言った思い込み(分別)を打ち破り、行動や思考が自然にわき出るままに任せるという境地に到達しなさい、と。このとき、『私』は何も為さないただの観客となり、人生は映画のようにひとりで為されていく。この境地を老子は「無為自然」と呼んだのである。
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日本において東洋哲学はいつはじまったのか? その答えは、仏像や経典が日本に伝来したときでもなければ、蘇我氏が物部氏を滅ぼしたときでもない。聖徳太子という日本を代表する稀有な智者が仏教の真髄を理解した、まさにその「瞬間」から日本の東洋哲学の歴史がはじまったのである。

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2024年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仏教の始まりから、各国でのメジャー哲人たちの現れによる変化や手法を順序だって解説してくれてわかりやすかった。
著者のグラップラー刃牙へのリスペクトによるものか、最強の哲人/先人たちが思想を作り上げてきた様の描きかたもエンタメ性があり楽しく読めた。
でも結局は、悟りを求めていたら悟れないし、悟っても毎日はそんな変わらないんだよ(著者が言いたいことを私がちゃんと理解できていない可能性たかい、、)という点が考え深かった

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2024年04月13日

Posted by ブクログ

東洋哲学はピラミッド、西洋は階段
東洋は内側を、西洋は外側を考えた
私とは意識感情感覚現象があり、それを認識してる者
私=アートマン=認識できないもの=
私は○○ではないが真理、思い込みが不幸の元
因果関係も立場によって変わる
考えることも言葉の組み合わせである
⭐️仏教とは赤子に戻り、無分別智を取り戻す。
  この世の不幸や幸福とはすべて執着である。
孔子、孟子の儒教、仁と礼、戦国時代の心意気
老子、道、無為自然、水のような柔らかさが強さ

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2025年05月25日

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