【感想・ネタバレ】あした死ぬ幸福の王子―――ストーリーで学ぶ「ハイデガー哲学」のレビュー

あらすじ

20世紀最大の哲学者の1人、マルティン・ハイデガー(1889~1976年)。本企画は、ハイデガー哲学(存在と時間)の内容をストーリー仕立てで説明する入門書です。

本書はハイデガー哲学の「死の先駆的覚悟(死を自覚したときに、はじめて人間は本来の人生を生きることができる)」に焦点を当てます。

物語の舞台は中世ヨーロッパ。登場人物は傲慢な王子と謎の老人、そして、物乞いの少女。サソリに刺され、余命1か月を宣告された王子は自暴自棄になり、自殺しようと湖に。そこに謎の老人が現れ、ハイデガー哲学を学んでいく……。

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ネタバレ

はじめは「幸福の王子」というフレーズだけ目に止まり読み始めました。
(ワイルドの幸福の王子が好きなので…)

で、読み始めたら思ってた本と違って、「ハイデガーをわかりやすく学ぶ内容の本なのね〜。コレはコレで面白い!」
と思っていたら…

なんと想像してたところに帰結した!

結構、心に響く部分もあり、自分にとって良い本でした。
著者の他の本も読んでみたいです。

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2025年09月20日

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飲茶さんの本は、難しいことが、わかりやすく説明されていて、とても面白く好きな作家さんです。
この本もハイデガーの難解な本をストーリー仕立てにして、わかりやすくなっています。
物語としても非常によく出来ていて感動する内容で、とても良かったです!

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2025年09月14日

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ハイデガーの「死の哲学」をこれで理解した、などとは微塵も思わないが、素人でも大枠がみえるような論理的文章は本当に素晴らしいと思った。
飲茶先生の哲学の本は、本当にわかりやすくて最高。

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2025年08月18日

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ハイデガーの哲学を物語形式で解説しており、難解なテーマも不思議と身近に感じられた。
「死」について考えるなんて、普段は避けたいと思うものだけど、本書では「死を考えることで、人生の本質に気づける」と語られている。特に、「死期を知らされた今も、趣味や仕事が本当に幸せか?」という問いは、自分の日常を見つめ直すきっかけになりそう。
また、「人間は存在について語れないのに、なぜか理解している」という部分も印象的。普段何気なく使っている「存在」という概念が、実はとても不思議で奥深いものだと気づかされた。
今この瞬間をもっと大切にしようと思える一冊で、いつかまた再読したい。

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2025年07月03日

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救われた一冊

2025年の5月病はヘビーだったわけだが、その立ち直りに欠かせなかった一冊。
過去思い描いた理想との乖離、その現状から逃げて目を背け全力を出して立ち向かっていないこと、それを頭では分かりつつもなお逃げてしまうこと。

その心を説明し、
その上で前向きに生きていくこと、
今を人間として生きることを教えてくれた。

思春期に読んで欲しい一冊

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2025年06月05日

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良いお話だった。ベタだけどそれ故にストレートに内容が伝わりました。
ハイデガー哲学についてはわかったようなわからないような、でも大事なことだということはわかった。

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2025年04月27日

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飲茶さんはいつも難しい内容をかなり噛み砕いて馴染みのある言葉で言い換えてくれることもあり、入門の入門であったとしても中身がスッと入ってくる内容だった。

人はそれぞれ全く違うのだから共通な解などあるわけもなく、それぞれの人が自分で考えて最善を見つけていくしかないということを改めて感じた。
ただ、その考えるきっかけや問いを見つけることがまず難しい。そこでそのとっかかりを与えてくれる哲学はもっともっと学んでみたいと思わせてくれる本だった。

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2025年04月27日

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人とは自分がどんな存在かを問いかける存在。
ハイデガー哲学を学べるだけでなく、何故か泣けてくる斬新な本。

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2025年04月11日

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不覚にも泣いてしまいました(涙)
ハイデガーの「存在と時間」を物語りを使って分かりやすく紐解いてくれました。
最後は「幸福な王子」になぞらえてしめくくる、いい涙を流させていただき感謝です。

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2025年01月12日

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ハイデガーは難解である、ということすら知らずに読んだので、とても分かりやすく腑に落ちる内容で、ハイデガーに興味を持った。こんな生と死の捉え方をする人間が、どうしてナチスに加担することになったのかを含めて知りたいと思うきっかけになった。

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2024年12月28日

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「死」が幼い頃からこわくて、大人になってからも常に考えています。ハイデガーは初耳だし本のタイトルも怖かったけど、なにかヒントがあるのではないかと、手に取りました。答えはないけど、流されて生きるのをやめて、本気で生きようと改めて思わせてくれる本でした。ストーリー仕立てはとても読みやすくてスルスルとありがたかったです。

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2024年12月27日

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 非常に読みやすく分かりやすい。

 でもやっぱり哲学って難しい、というか今はまだ理解に苦しむ。

 でもハマりそう。

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2024年11月22日

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ネタバレ

ある国の裕福な王子の物語に沿って、ハイデガー哲学を学んでいく内容。飲茶氏の本は何冊か読んできたのですが、本著は本当に心に残る一冊となりました。

全ての人間に与えられた平等なものは「死」であり、人間はいつか必ず死ぬからこそ時間は有限性となる。よくよく考えれば当たり前の事なのですが、日々生活をしている中で自分の「死」を意識する機会なんてどれほどあるでしょうか。

時間が有限性であるから人は「負い目」を感じるとも書いてあるのですが、確かにプライベートや仕事において「やってしまった!」と思うことは多々あります。ですが、それらに対して全て真摯に向き合ってきたかと問われればそうでもありません。「まいっか」「仕方ない」で済ませたことも多いでしょう。ですが、ハイデガー哲学的に言えば。それは人間の本来的な生き方ではないのでしょうね。

また、他人に対しても人によって得手不得手が自分の中にもあります。ですが、その人もいつか死ぬし自分も死ぬ、同じ共通点があるんだなと考えたらやはり先入観で不得手の人を見ず、その人にある背景をちゃんと見なければならないなと感じました。

本著で学んだハイデガー哲学、王子の境遇のような差迫った「死」というものを感じることは難しいかもしれません。それでも自分の「死」というものを真剣に考える時間は必要だなと思いました。

「人生は終わるまで終わらない」日々頑張って生きていきましょうね!

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2024年11月20日

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永遠のテーマの生きる目的や人間について書かれている。哲学はどうしても、手が出せないテーマだったが、ストーリー仕立てでわかりやすく教えてくれた。
道具として生きている現在を少しでも立ち止まって本来の生き方で生きることの重要性を学んだ。
年を重ねて、また定期的に読みたい本だと思った。

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2024年11月10日

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勉強になるいい作品 人は、必ず死ぬ。ここから始まるハイデッガー哲学。自分も、他人も、必ず死ぬ。自分以外は道具で、他者から見ると自分も取り替えのきく道具と認識されて、後悔と負い目を感じながら生きるしかない人間。
だけど、「人生は、終わるまで終わらない」
他者との関わりの中で、他者を思いやりながら、いつか来る死に向き合う。
うわあ、できるかなあ?知ることはできたから、意識してみようと思う。
ラストに、きちんとあの童話の幸福の王子でまとめられていた。感動した。

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2025年12月07日

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ハイデガー哲学を対話形式で紐解きながら、死を意識することで人生の本質的な意味を見出す物語

挑戦すらためらわれるハイデガー哲学であったが、よくぞここまでといったわかり易さで「現存在」「道具体系」「死の先駆的覚悟」などを説明している
物語の最後の章などはそのまま絵本にでもなりそうなお話

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2025年11月16日

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結論、「限りある人生を、前向きに自分らしく生きよう」ということ。

(『限りある時間の使い方/オリバー・バーグマン』は、哲学的でハイデガーの現代版だね)

人間は、自分以外の他者を道具として、自分の目的の手段としてしか認識できない自己中心的な存在。
だから、よく考えて、道具ではない生き方をしろと熱く語っていた。


「良心」≒「負い目」、「無力さ」も面白いハイデガー哲学。

私は、ハンナ・アーレント(女性哲学者)に興味を持っている。なので、ハイデガーは、ハンナ・アーレントの愛人としての認識が強い。

「負い目」が出てきたあたりでは、あぁ、「負い目」か〜、「良心の呵責」ってやつか〜、そうだよね〜とハンナ・アーレントに思いを馳せた。

ハイデガーは、カリスマ性があって、魅力的な面白い人物だったのかなと推測している。大学の講義は、人気だったとか。

それでも、最期は「沈黙」を選んだというのが、私が最も考えさせられるところ。

ハイデガーは、なんで「沈黙」を選んだのだろう。
人間、黒い感情やしんどい感情を持っていたって、「沈黙」してしまえば、誰にもわからない。穏やかな日常を送れるからね。主張したり、暴れたり、わめいたりすると負けってことかな。

「自分らしさ」って何だろうね。




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2025年10月18日

Posted by ブクログ

難しくて有名とされるハイデガーの哲学だけど、哲学素人の自分でもわかりやすい内容で理解することができた。ストーリー仕立てで半分小説感覚で読めて、それでいてしっかり教養の本としても成立しているのがすごくいい本だとおもった。
読んだ後に過ごす一日一日を大切にしたいと思える話でした。

人はこの瞬間にも死ぬ存在であること、
死を意識した生き方こそ人間本来の生き方であり、
余命を宣告されたときに、これまでの自分の人生はなんだったのか、自分とはなんだったのか、この問いの答えに辿り着くために、自分に問い続け、自分だけの人生を生きることこそ、人間(現存在)のあるべき姿

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2025年06月04日

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まあまあおもろかったよ。死という事について考えさせられた。
どんだけお金持ってても、死んだら終わり。
死ぬというのは、いつ来るかわからなく、全員に来る、必須な事って考えたら毎日大切に生きないとなって思った。

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2025年04月27日

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読みやすいストーリー調で、さくさく読めた。人間はいつ死ぬかわからない。だからこそ、後悔のないように生きろ。ということかな?人生は辛いことも色々とあるけれど、生きていかなければならない。人生は終わるまで終わらない。

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2025年02月09日

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物語仕立てにハイデガー哲学というものを少しかじれる。誰もが人はいつ死ぬか分からない、もしかしたら今かも…と意識して、無駄におしゃべりしてる時間はない、ってことかなあ? 一度読んだだけでは理解が浅いので、時期を空けてまた読んでみたい。でも、自分なりに何かが残ったと思う。

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2025年01月07日

Posted by ブクログ

ブログで紹介されてるのを見かけて読んでみました。

そのブログを書いている人がガンに冒されいて
そういった方が紹介されているというのもあり
興味津々でした。


この本のタイトルがとても印象的でサブタイトル?
の「ハイデガー哲学」というのを見ていなくて・笑


実はハイデガー哲学を分かりやすく解説した本でした。
哲学自体には興味があったのですが
哲学は奥や底が深すぎて理解ができないと思ってました。


もちろん、この本もめちゃくちゃ分かりやすく書いてあるのですが理解はできてません。
だけど私自身は哲学って物事をどう捉えるか?という視点を研究するものだと感じていて、このハイデガーさんの場合は存在や死についてだったと思います。

最近、身近な人を亡くし
私自身が死について、生きるということを考えたくて
手に取った本でもありました。

余命宣告をされた王子がハイデガーの哲学理論を通して死に向き合っていくというストーリーなのですが、ハイデガーさんなりの死についての捉え方は参考になりました。でもこの本で印象に残っているのは最後かな。
ここがハイデガーさんが言いたいことがぎゅっと詰まってる物語なのかな、と。

そしてその部分を読んで泣きそうになりました。

「人生は終わるまで終わらない」
「人は最後まで自分らしくありたいと願う」

最後のツバメと王子の話は何度読んでも涙が出ちゃいます。

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2024年12月27日

Posted by ブクログ

1 どんな本?
ハイデガーの哲学を物語を通じて教えてくれ
る本。ハイデガーの難解な哲学書を平易の表現し
ているのはこの本だけ。

2 なんで読んだの?
(1) 好きな作家だから。
(2) 新たな哲学を学びたい。
(3) 学んだ哲学を説明できる状態になりたい。

3 構 成
280頁
死の宣告されるシーンから始まり、報われた死
で終わる。天国の天使と神のやり取りのおまけ付
き。存在、現存在、道具、死とハイデガーの哲学
を物語を通して説明する構成。

4 著者の問題提起
死を受け入れて初めて有意義な人生を送れると
ハイデガーが言ってる。

5 命題に至った理由
ハイデガーの哲学

6 著者の解
死ぬ瞬間まで人生はわからないとハイデガーは
言ってる。

7 重要な語句・文
(1) 現存在
(2) 人類はあるを語れない。
(3) 自分以外は道具
(4) 死ぬ迄は人生の満足はわからない。
(5) 死は全ての関係を断ち切る。

8 感 想
物語が面白い。自身がが蹴り上げた貧民と心通
じ合う物語は素敵。
刺さったのは死ねば終わりと言う事。全ての関
係が無くなる。寂しい事もある。今を生きよう。
深く知りたいことは死ぬまで人生はわからない
事。9割ぐらい決まってそうな感じがするが?
人に勧めるなら自己以外は道具。冷静に考える
と全てそうなるのか?我が子すらも?他者にも考
えてほしい。
絵や図は無し。
タイトルの通り幸福に死ぬ王子。他者貢献が充
実の鍵なのだろうか?

9 TODO
大事な人を大事にする計画を立てて実行する。

10 問 い
良いものの条件は?

11 答 え
  限りある事

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2024年12月08日

Posted by ブクログ

「自分の死」から存在、現存在、道具、死の5つの性質、負い目=良心などをめぐって論が続く。
とにかく分かりやすい。ストーリーにもわざとらしさが少ない。
結末は感動的だが、こういうことでよいの?という一抹の不安は感じる。

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2024年12月05日

Posted by ブクログ

「自分にとって自分はかけがえのない存在にも関わらず、他人にとって自分は道具に過ぎない。死はそれを突きつけるから怖いのだ」という話は、歴史を通じて普遍的かと思うが、市場経済の進展につれて社会関係資本が失われた現代社会では、より自分の道具性が突きつけられやすいように感じた。

市場で取引される財やサービスは交換可能な道具そのものであり、市場における自分の価値をいくら高めようとも、交換可能な道具であることには変わらない。
自分の道具性以外の価値を見出してくれる他者との関係をどれだけ築けるかで、死への向き合い方が変わるということなのだろうか。

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2024年10月13日

Posted by ブクログ

p215 に全体の要約がある。
・人間は有限の存在である
・だから無力さ(負い目)を感じる
・この無力さを逃げずに受け入れる

これが本来的な生き方(=自分がどんな存在かを問いかける生き方)につながるという。

これだけなら聞き飽きたお説教に感じ、うんざりしていたかもしれない。

ただ本書を通して、「現存在」などといった独特のキーワードを元に、日常では使わない視点からの思考することで、この月並みのお説教に説得力を感じられるようになったと思う。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

自分の死と向き合うことが人間の「本来的な生き方」につながるというハイデガーの哲学をもとにしたストーリー。

読むまで知らなかったが、哲学の中でもこのハイデガーの哲学はかなり異質らしい。

明日死んでもいいと思える生き方をしよう
と言われることがあるが、それをより哲学的に理解することに繋がった。

はいえ、あまりにも難解であるがゆえに
深く考えようとしないほうがいいのだろう。

また、これを読んだからといって劇的に何か考え方が変わるわけではなく、日々の自分の人生に対する違和感を大事にしようといつニュアンスで解釈した。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

本書は、一般に難解とされるハイデガーの哲学を、物語形式でわかりやすく解説した入門書です。かなり噛み砕いた説明がされていますが、それでも読み応えがあり、深く考えさせられる内容でした。

特に印象的だったのは、「人は孤独ではない」というメッセージです。私たちは皆、異なる道を歩みながらも、「死」という同じゴールに向かっている。理不尽な世界に投げ込まれ、不確かな未来の中で無力さを感じる人間ですが、誰もが懸命に生きており、唯一無二の存在であるという事実に、心を揺さぶられました。

哲学に興味はあるけれど、難解な原著に尻込みしている方におすすめです。ハイデガーの思想に触れながら、生きることの意味を深く考えさせられる、少し泣ける物語でもあります。

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2025年05月16日

Posted by ブクログ

ハイデガーの死の先駆的覚悟という言葉が印象に残った。
人生エンドレスに続くように生活してしまうが、今日明日、人生が終わる可能性もあるということを意識しながら、大切に生きていく必要性を訴えられているような気がした。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

好きな著者の新刊となれば、これはもうワクワクしかない。今回はハイデガーの哲学を物語を通し、わかりやすく伝えてくれる。内容としては、そんなに目新しいとか、世界が変わったとかはなかった。
おそらく私の好きなアーティスト達が歌の中で語ってくれていた内容ですでに触れていたからなのかもしれない。人生という有限性の中で終わりを意識して生きることが、いかに人間として真の生きるべき姿であるか、他を思いやる心の美しさ、全てに取り替え可能である道具であるが故、誰かにとって、取り替えのきかない唯一無二の存在になることへの渇望、やはり哲学っていいなと思う。何の役にも立たないように思いながら、本質を求め続けるその姿。
迷いながら、間違えながら、歩いていく
その姿が正しい…ふとメロディが流れてきた。

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2024年10月29日

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