柳広司のレビュー一覧
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大日本帝国陸軍の上級将校、結城中佐の発案で極秘に設立されたスパイ養成学校「D機関」
諜報活動など卑怯で卑劣な行為!スパイなどという姑息な手段を用いるのは、日本古来の武士道に反する…と軍上層部からも強い反感を受ける「D機関」だったが…
頭脳明晰、冷静に任務をする諜報員たちにより「D機関」は確実に成果を上げていく…
「死ぬな、殺すな、とらわれるな」この規律を結城中佐に徹底的に叩き込まれた若き精鋭たち…
彼らは自分以外の何ものも信じていないニヒリスト!
命懸けのスパイ任務についたところでちょっと面白いゲームにすぎない…
彼らを突き動かすのは
手に負えぬほどの自尊心なのだ…
水曜日 23:30~24:00(BSテレ東)のアニメをみてはまり、調べてみたら舞台上演があるため9年ぶりに再放送されているものらしい…
それに2015年に映画まで上映されていたとは…
こんなおもいしろいスパイものに気がついていなかった私
いったい何をしていた…
アニメもおもしろいが、原作を読むとよりその世界観に浸ることができる
やはりスパイものはやめられない…(笑)
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山之口貘さんと瀬長亀次郎さん。
本土から沖縄を詩にして届けた芸術家と、沖縄の中心から闘い続けた政治家(?)を中心とした沖縄戦後史小説、とでもいうのか。小説とされてるけどその沖縄の史実はおよそ僕の知ってる限りの歴史と符号するので、沖縄の日本から切り離された戦後を振り返るにもいい一冊。なんだかこの感想合ってない気がするけど、今年一番くらった作品かもしれない。
改めて振り返ると沖縄が置かれてきた過酷で特殊な状況と、恐ろしいのはそこから不変さを感じる、沖縄の特殊な状況と日本政府の弱腰ぶり。
亀次郎さんくらいたたかえる沖縄人でありたい。
貘さんは申し訳ないけど名前をギリギリ知ってるくらいだったけど、この方も本土でたくさん考えて、生きて作品を残し続けてくれたのだろうと思う。
詩を読もう。
やっぱりもっと知る必要あるよな、沖縄。 -
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D機関、あまりにかっこよすぎる設定だなと思いながら読んでましたが、あとがきを読んだら史実をモデルにした話だったんですね!水面下の頭脳戦、しびれました。
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ネタバレ面白かった。ジョカゲ人気にあやかって、スパイミステリとしてるかもしれないけど、そこまでスパイでもミステリーでもない。暗号やら偵察やら工作などのスパイ要素はあるけど、そこまでがっつりではない。
史実と小説としてのエンタメの絡め方めちゃうま。こういうのもっと読みたい。
「雲雀」
小林多喜二に取材を受けるしスパイもする、というのが面白い。蟹工船読んだこと無いけど読もうかなという気持ちが強くなった。
雲雀=小林多喜二
P78、“谷の脳裏に、早春の空のきわめて高い場所で囀ずる雲雀の姿が浮かんだ。鷹も烏もハヤブサも、かれは少しも恐れる様子もなく、空の一角で囀ずることで春の訪れを告げる。雲雀の声を耳にして、地上の者たちは春が来たことをはじめて知るのだ。”
「叛徒」
特高と憲兵との駆け引き。川柳も侮れないというか、まあ風刺の意味が込められてるからな。丸山がぺろっと川柳の魅力伝えちゃうの迂闊すぎ。
「カサンドラ」
戦後生まれの身としては、予想出来るオチだけど、この時代に生きた者としては受け入れがたい予想で面白かった。だから真実を言っても信じてもらえないカサンドラ。
P213、
”助言しようにも、もう遅い。
志木は目を閉じた。
俺たちは動物園の象以下の存在だ。
足下から雀の群れがぱっと飛び立つ。
虐殺が始まった。”
このラスト好き。
「赤と黒」
クロサキの話。アカを追うからクロサキ。
クロサキが東京大空襲の被害を受けて慄然とするとこ好き。
P254、“相手国の意志決定機関は破壊しない。それが、戦争当事国同士の暗黙の了解だ。権力者は戦争では死なない。だからこそ彼らは気楽に戦争を始め、どんな状況になっても平気で戦争を続けていられるのだーー。”
また、特高という組織の維持のためにノルマをこなし、ノルマのために難癖付けて捕まえる。最悪すぎる。
でも最後の三木清のとこ泣いちゃった。パンセの、人間は考える葦である、に続きがあるとは考えたことなかった。ちょっと考えれば、そりゃあるだろなんだけど、その続きが良い。結局、意志は死なないということだろうと読み取った。尊厳は誰にも奪えない。
だからこそ、思想は恐ろしいんだよなあ。
クロサキが浮かべた絵画について調べてみた。おそらく、ゴヤの「砂に埋もれる犬」だと思う。ゴヤは結構政権批判政治批判してる画家だと思うけど、その画家のこの作品を選んでくるとは。クロサキどこで知ったの!?
ゴヤは有名作品として我が子を食らう~とかは知ってたけど、犬のは知らなかったので知れて良かった。目に入っていても気に留めて無かったかも。
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共産党員を追い詰めていく特高を描きながら、逆説的に文学や思想というものの、普遍性を感じさせる内容で、すごく良かった。
以下、ネタバレ含みます、注意。
「雲雀」では、小林多喜二が『蟹工船』を生み出す前夜が舞台となる。
蟹工船の工員二人にインタビューを行うのだが、その二人は特高の息がかかったスパイであった。
彼らは小林多喜二との会話の中で、自分たちが生きていた蟹工船という世界の異常さに気付く。
面白いのは、エンディングだろう。
『蟹工船』を読んだ工員の一人は、自分が語った体験を、語り以上の「ストーリー」に仕立て上げている小林多喜二と、小説そのものに、のめり込む。
そして、「ストーリー」がまた、人の行動に影響していくという終わりが良かった。
「赤と黒」では、時間軸が終戦直前にまで進められている。
この話で中心となるのは、三木清だ。
正直なところ、これまで断片的な情報しか知らなかったのだけど、彼の持つ才能と、人間味に惹かれた。
特高クロサキの憧れの人物であり、世俗の人間とは段の違う場所で、当時の世界を俯瞰出来ていたであろう三木清が、なぜ酷い最期を迎えることになったのか。
特高内の状況変化と、三木清という人物を、クロサキがずっと追ってきた対象として、それぞれ丁寧に描くことで、うまく繋がったラストとように思う。
その意味では、短編の、どこをテーマにすると良いかというボリュームの持たせ方が上手いといえるかもしれない。
とにかく最初と最後の二話に、心を持っていかれた、良い一冊だった。 -
購入済み
旧日本軍が苦手とした諜報もの
史実では、ゾルゲ事件や紫暗号解読など旧日本軍は諜報戦を苦手とした と 一般的に言われている。
この小説はそこを逆手にとってこんな諜報機関があったのだ という視点で書いている。
現在、歴史として記録に残っていないのはその諜報機関(D機関)がうまく機能したことの証拠である と空想してしまいそうなほど良くできた小説である。
今の日本における諜報活動にも思いをはせそうな小説。 -
ネタバレ 購入済み
極限
圧倒的なスリルと冷酷さにとらわれ,どんどん読み進めてしまう。
自分とかけ離れた能力の人達が生きる,非日常の世界。
決してハッピーなストーリーではないけれど,終わらせ方が,嫌いじゃない。 -
Posted by ブクログ
いったい誰が悪いのか。
私立探偵・フェアフィールドは記憶を失った囚人・キジマとともにプリズン内で起こった毒殺事件を追う。探偵がワトソン役とは面白い。最後はちゃんと探偵も探偵するけど。
推理小説だけど、反戦小説の色が強い気がした。
二転三転もする展開。あの人が実は犯人では……という予想が実際そうだったときの悲しさは、予想通りだったつまらなさではなく、そうでなければ良かったのにという思いから。
主人公がアメリカ人でも日本人でもなくニュージーランド人なので、客観的に当時の日本を見れた気がした。
「ジョーカー・ゲーム」で興味を持った作家さんだけど、これも映像化してほしいな。ミステリとして楽しみながら、観たあと二度と戦争を起こしてはいけないと思う作品にしてほしい。 -
Posted by ブクログ
全3巻。
霜月さんの絵が好きでそこから見つけた漫画。
面白かった。すんごく。
ドキドキ。
ジョーカー・ゲームっていう原作があるんだー。そっちも読んでみたいなぁ。
「天皇が生きた神だと、日本人が平気で口にするようになったのはいつからか知っているか?
…10年。
20歳そこらの貴様にとっては大昔に思えるかもしれないが、たかが10年前のことに過ぎぬのだ。
そのような同語反復(トートロジー)で仕込まれた今の天皇のあり方を問うて何がおかしい?
貴様が何を信じていようが構わん。
シャカだろうがキリストだろうがイワシの頭だろうがな…
ただしー
それが本当に自分の頭で考えた末に信じたものならばだ。」
「死を選ぶくらいなら、どんな手を使ってでもその場を切り抜ける術を考えるべきだ!!」