アンブレイカブル

アンブレイカブル

858円 (税込)

4pt

3.8

1925年に成立した治安維持法。歴史の闇の中であっても輝きを放つ、「敗れざる者たち」の矜恃とは――?

『蟹工船』の取材と執筆に熱中するプロレタリア文学の旗手・小林多喜二。
反社会的、非国民的思想犯として特高に監視される反戦川柳作家・鶴彬(つる・あきら)。
同業他社の知人たちに不可思議な失踪が続き、怯える編集者・和田喜太郎。
不遇にありながら、天才的な論考を発表し続ける、稀代の哲学者・三木清。

己の信念を貫く男たちを、クロサキと名乗る内務省の男が追い詰めてゆく。
彼らはなぜ罪なく裁かれたのか?
累計130万部突破「ジョーカー・ゲーム」シリーズの著者が令和の世に問う、もう一つの傑作スパイ・ミステリ!

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アンブレイカブル のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    小林多喜二、鶴彬、横浜事件、三木清など歴史の勉強では一行登場するかしないかの人達。でも、実際に生きていた人達の生きた証が、特高警察幹部の視点から語られるのが面白い。もうこんな時代には戻りたくないけど、そこに向かって時代が巡り始めているようにも感じてしまい少し怖くなった。『ジョーカーゲーム』シリーズも

    0
    2025年09月05日

    Posted by ブクログ

    柳広司は、岩波書店の「機関誌」である『岩波』のレギュラーとしてエッセイを寄せている。それらのエッセイで激越な表現で示される彼のスタンスや内容には全く共感できないのだが、彼の小説は、敬意を払って読んでいる。ヒューマニズムと社会の束縛の桎梏に苦しむ心理を描くのがとても印象的。また、とてもクリアで平明な文

    0
    2024年06月09日

    Posted by ブクログ

    ちょっと気になる文章があり、備忘録に。
    P160『国民の多くが欲しているのは正確な㊤ではない。彼らは、ああしろ、こうしろ、と指示されるのを待っているだけだ、その方が楽だから。彼らには未来が見えないのではない、見たくないだけなのだ。』

    0
    2024年04月14日

    Posted by ブクログ

    戦時中の共産主義(アカ)狩りの話。
    重めの内容ですがテーマが一貫しているので比較的読みやすい。

    柳氏のジョーカー·ゲームのシリーズが好きな方、戦時中の政治のゴタゴタ好きな方におすすめ。

    0
    2024年03月30日

    Posted by ブクログ

    時代背景や時間の経過が上手く染み出す感じで、その中でそれぞれと立場で、必死に生き方を模索している様子が印象に残りました。

    0
    2024年02月19日

    Posted by ブクログ

    良くも悪くもこの作者らしい作品だ。
    時代や取り上げた題材はお得意のカテゴリーだと思う。
    「ジョーカー・ゲーム」のシリーズより内容的に半歩踏み込んでいる感じはした。
    なかなか期待値までの評価ではないが、つい読んでしまう作家だ。

    0
    2024年06月22日

    Posted by ブクログ

    ジョーカー・ゲーム作者のもう一つのスパイ小説、
    と言われているけどスパイ要素は少ない。
    戦時中の共産主義者(アカ)を巡る短編集。
    1番印象的だったのは「蟹工船」の小林多喜二が
    スパイの対象として登場する「雲雀」。
    蟹工船に乗る人々の地獄の日々をインタビュー形式で。
    罠にかけるよう指示を出した相手に反

    0
    2024年04月24日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった。ジョカゲ人気にあやかって、スパイミステリとしてるかもしれないけど、そこまでスパイでもミステリーでもない。暗号やら偵察やら工作などのスパイ要素はあるけど、そこまでがっつりではない。

    史実と小説としてのエンタメの絡め方めちゃうま。こういうのもっと読みたい。

    「雲雀」
    小林多喜二に取材を受

    0
    2024年04月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    内務省の役人クロサキでつながる連作短編集。
    戦時の日本中が狂っていた時代、まっとうな人間が死へと向かう。狂気を進めていた本人でありながら、なぜこうなってしまったのかと三木清を前に思うクロサキ。(「赤と黒」より)
    こんな時代に逆戻りはなんとしてもごめんだが、今の世の中をみていると不安になる。
    不気味な

    0
    2024年09月23日

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