柳広司のレビュー一覧

  • ラスト・ワルツ

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    ネタバレ

    ・ワルキューレ
    かなり早い段階で疑念を抱いていた。現場を逸見に見られ、屋上から何者かに鉢を落とされる。D機関のスパイにしてはあまりに軽率すぎる。彼は佐久間のように軍人上がりの人間なのか、飛崎のようにD機関の人間でありながらD機関に馴染めない人間(かつ落ちこぼれ)なのかと。その疑念は話が進む程大きくなり、新進気鋭の映画監督であるランゲを個人的な事情で見逃す、逸見との派手な逃走劇でMAXまで膨らんだ。もはや彼はD機関の人間ではない。作中そうであっても私が認めない。そう思った頃、彼は海軍のスパイであるという唐突なネタバラシ。膨らんだ疑念は強烈なカタルシスを生んだ。私は作中の無能な軍人のように鮮やかに

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    2026年04月30日
  • パラダイス・ロスト

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    ネタバレ

    ジョーカー・ゲームシリーズ第3弾
    ・誤算
    記憶を失いながらも任務を遂行する話。このシリーズの魅力には「人間離れしたD機関の活躍」がある。久々にそれが見れたので良かった。

    ・失楽園
    キャンベルの披露した「パーカー大尉と揉み合った時にブラントは死んでいたが、自分が殺してしまったと思ったジュリアはありもしない罪に悩み自主した」という仮説あまりに無理がありすぎるのではないか。推理力のないキャンベルが披露したとはいえ周囲の人間を納得させているのだからそれなりの説得力は欲しい。まず、ジュリアがなぜ自分が殺したと思ったのかという動機付けが一切ない。これは後に真相らしきもののように、ジュリアが死に関与したか

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    2026年04月29日
  • ロマンス

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     上野のカフェー〈聚楽〉の仕切りのある小部屋で発見された刺殺体。子爵の麻倉清彬は、第一発見者となり警察に疑われることになった友人をその場限りの嘘を使って助ける。それで関わり合いになくなったかに思われた事件だったが、後日、特高に所属する黒崎が清彬のもとを訪ねてくる。反体制活動の取り締まりが主な仕事の彼らが何故、自分のもとに? 黒崎は事件解決のために協力してほしい、と言ってくるが……。

     舞台は昭和八年。軍靴の音が聞こえる時代を背景に起こった殺人事件は、ある人物の逮捕とともに意外な方向へと進んでいきます。そのひとは何故すべてを話さないのか。何を隠そうとしているのか。そして清彬は何に気付いてしまう

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    2026年04月26日
  • ダブル・ジョーカー

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    ネタバレ

    ・ダブルジョーカー
    もう1つのスパイ機関「風機関」が登場する話。D機関を下に見ている風機関がスパイであることを一般人にも見抜かれD機関にしてやられる様子はスカッとした。
    ・蠅の王
    ほとんど話に登場せず裏で糸を引くD機関の話。そういえばD機関以外の人間の視点から書かれた話が増えたような気がする。まあそちらの方が書きやすいのだろう
    ・仏印作戦
    これまたD機関が裏で糸を引いていた話。永瀬はD機関の人間かと思ったが有能な詐欺師で驚いた。
    ・柩
    恐らく初めてD機関の人間の死が描かれた話。完璧超人であっても不慮の事故では命を落としてしまうようだ。だが死してなお情報を伝達するのは流石D機関の男だが、佐久間や

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    2026年04月26日
  • ジョーカー・ゲーム

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    ネタバレ

    何度目の再読か分からないが相変わらず面白い
    ・ジョーカー・ゲーム
    記念すべき1作目。出来る事なら全ての物語を佐久間の視点からみたいと思うくらい佐久間は好きなキャラクター。所謂典型的な軍人然としながらもD機関で魔王と化物に触れ合ううちに日本軍の持つ精神に疑問を持てる逸材。
    ・幽霊
    スパイ活劇を書き手も良いところをまさかのスカシ。何故かグラハムとチェスを打つシーンは初読の時から印象に残っている。最後の蒲生の仮面を脱ぎ捨て口笛を吹くシーン大好き
    ・ロビンソン
    次こそはスパイ活劇が来るだろうと思っていたところで任務失敗(と思わせる話)が来るとは。結城中佐の恐ろしさを知らせるための話
    ・魔都
    D機関が裏

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    2026年04月22日
  • ダブル・ジョーカー

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    プロローグ

    あの結城大佐が帰ってくる
    左手をなくした過去が明らかに

    死なな、殺すな
    こんなスパイ小説は、他にはない
    唯一無二なのか!?

    あの結城中佐が帰ってきた!


    本章
    『ダブル・ジョーカー』★5

    馴致不能な兵卒こそ、あの“D機関”が求める
    人材だ
    今回も、結城中佐率いるD機関の精鋭たちが暗躍する、5つからなる連作短編及び特別収録1話の
    計6つからなる物語

    結城中佐の脱獄エピソードや風戸率いる風機関と
    D機関との対決エピソードも素晴らしかったが
    何と言っても、特別収録の“眠る男”が、
    20頁足りずだったが、何とも言えぬ喜悦を憶えた!

    個人的には、『ジョーカー・ゲーム』より萌えた

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    2026年04月19日
  • ジョーカー・ゲーム

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    スパイものですが、読みやすくて爽快な作品。作品内の教えとしてはスパイの過酷さや報われなさなどが説明されていますが、実際に描かれるストーリーとしては重さやグロさはないです。短編形式で一つ一つの事件に対するページ数が少なく、しっかり解決して終わるので、ヒーローものや時代劇のような爽快さがあります。
    評価にもそれがあれわれいるようで、高評価が多い中、本を読み慣れている方からは強めの低評価が散見されています。その理由で多いのは文章や人物描写の拙さ、時代背景の不正確さ、ストーリーの深みのなさなどです。ただし低評価の多くに共通する点として文学賞受賞作品なので手に取ったという背景があるので、ここでミスマッチ

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    2026年03月30日
  • ジョーカー・ゲーム

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    何度も何度も読んでるけど改めて再読。
    大好きすぎる一作。
    テンポの良さによる爽快感しかり、D機関の話でありながら視点を変えて展開される物語に毎回ワクワクさせられちゃう。
    結構前の作品だけど今読んでも面白いし全シリーズ読み直してみようかなあと思ってる今日この頃。

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    2026年03月25日
  • ダブル・ジョーカー

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    D機関の対抗馬として天保銭組による諜報機関との対決の話。最前線に潜むソ連の諜報員をあぶり出す話。仏印で電信員が巻き込まれた差し押さえた蒋介石への物資横流しを阻止する話。ドイツで不審な日本人の死から日本のスパイをあぶり出そうとする独逸防諜組織の話。米国西海岸を主に活動したD機関の話。前作であった話の裏話。
    と大変楽しめる内容でした

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    2026年03月01日
  • ジョーカー・ゲーム

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    おびのりさんの、どこか?のコメント欄からです♪
    いつも、ありがとうございます!

     カッコいいです! 6篇の連作短編集、スパイ小説です。
     この小説は、昭和十年代初期、太平洋戦争に突入するまえの時代です。日に日に軍国主義が強まっています。
     そんな時代に、陸軍につくられた「D機関」とよばれる「スパイ養成学校」のおはなし。

     わたしが思うスパイといえば、ミッション:インポッシブルのトム・クルーズさんですね。アクション多めです。
     でもこのスパイ小説はちょっと違います。「情報活動」でした。解説の佐藤優さんによれば「インテリジェンス・ミステリー」だそうです。
     ちなみにこの場合、インテリジェンスは

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    2026年01月02日
  • ジョーカー・ゲーム

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    福本の話が印象的だった。
    とにかく誰がD機関の人なのか考えているうちに終わって、この位の短い話しだと余計にD機関の人たちの優秀さがわかって読みやすかった。
    「D機関」は本当にあったとしても、今なお日本にはなかったとされるんだろうなと思った。

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    2025年12月21日
  • ジョーカー・ゲーム

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    大日本帝国陸軍の上級将校、結城中佐の発案で極秘に設立されたスパイ養成学校「D機関」
    諜報活動など卑怯で卑劣な行為!スパイなどという姑息な手段を用いるのは、日本古来の武士道に反する…と軍上層部からも強い反感を受ける「D機関」だったが…
    頭脳明晰、冷静に任務をする諜報員たちにより「D機関」は確実に成果を上げていく…
    「死ぬな、殺すな、とらわれるな」この規律を結城中佐に徹底的に叩き込まれた若き精鋭たち…
    彼らは自分以外の何ものも信じていないニヒリスト!
    命懸けのスパイ任務についたところでちょっと面白いゲームにすぎない…
    彼らを突き動かすのは
    手に負えぬほどの自尊心なのだ…

    水曜日 23:30~24

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    2025年11月15日
  • ジョーカー・ゲーム

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    ネタバレ

    スパイと聞いて思い描く、華々しく目立つ活躍や、銃撃戦等のスリルさとは違う一種の生々しさが描かれていてとても面白かった。
    読者も一緒に考えながら読むミステリというよりかは、最後の種明かしでどんでん返し的に話がオチる爽快感を感じられた。
    一人一人のキャラクターが際立ち、D機関のスパイ達の異質さが良かった。
    続編も手に入れたので、近々通して読んでみようと思う。

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    2025年11月11日
  • ジョーカー・ゲーム

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    スパイ養成機関D機関のスパイの活動を描いたスパイ・ミステリー。五話収録で一話あたりが左程長くないのでサクサク読めますね。スパイとは。というのをじっくり描いているので面白かったです

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    2025年10月19日
  • 南風に乗る

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     山之口貘さんと瀬長亀次郎さん。
    本土から沖縄を詩にして届けた芸術家と、沖縄の中心から闘い続けた政治家(?)を中心とした沖縄戦後史小説、とでもいうのか。小説とされてるけどその沖縄の史実はおよそ僕の知ってる限りの歴史と符号するので、沖縄の日本から切り離された戦後を振り返るにもいい一冊。なんだかこの感想合ってない気がするけど、今年一番くらった作品かもしれない。

    改めて振り返ると沖縄が置かれてきた過酷で特殊な状況と、恐ろしいのはそこから不変さを感じる、沖縄の特殊な状況と日本政府の弱腰ぶり。

    亀次郎さんくらいたたかえる沖縄人でありたい。
    貘さんは申し訳ないけど名前をギリギリ知ってるくらいだったけど

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    2025年09月13日
  • ジョーカー・ゲーム

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    かなり面白かった。サクサク読みやすくく一気読みした。スパイものは初めて読んだけど好みにハマった。続編も全部読んでしまった。

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    2025年07月18日
  • ジョーカー・ゲーム

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    かなり面白かった。
    9年前に放送されていた(9年前⁉︎)アニメは見ていたが今年舞台があるということで思い出しがてら原作小説を読んでみることに。
    短編集というかオムニバス形式となっていてスパイの静かな駆け引きがカッコ良くてどんどん読み進められた。結城中佐が魅力的なキャラすぎる!
    シリーズも読んでみようと思う。

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    2025年06月22日
  • ゴーストタウン 冥界のホームズ

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    ネタバレ

    ホームズとワトスンが死者の街に? モリアーティとの対決の真相がここに!

    猛烈な頭痛とともに目覚めたワトスンの目の前に現れたのは、滝壺に消えたはずのホームズ。彼は骸骨の姿で、ベーカー街はなんと死者の街に! この奇妙な世界にもモリアーティの影が――。

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    2025年06月09日
  • パンとペンの事件簿

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    ネタバレ

    大正時代に実在した人物たちを活躍させた、ミステリー。登場した「ぼく」には失礼なことだけれど大変楽しく読み終えた。
    四話目の山崎弁護士の話は特に痛快!
    こんな裁判ネタならもっともっと読みたい。
    時代は暗く、人が人を裁き国が人を押さえつける時代だったとは言え、名もなき人たちはみな、いつも何かと戦っているということに時を超えて感銘してしまう。

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    2025年03月05日
  • ラスト・ワルツ

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     「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第4作。

     <日本帝国陸軍内に結城中佐によってスパイ養成機関--通称“D機関”--が秘密裏に設立された>。
     シリーズのほぼ全ての作品に登場するこの文言を些かくどく感じていたが、本書収録の「ワルキューレ」ではこの文言が終盤に覿面の効果を齎す。シリーズの読者が何度も言われなくても解っていると軽視し、読み飛ばすことで<D機関>の由来が“見えなく”なる仕掛けに心底びっくりした。

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    2024年08月29日