柳広司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジョーカー・ゲーム作者のもう一つのスパイ小説、
と言われているけどスパイ要素は少ない。
戦時中の共産主義者(アカ)を巡る短編集。
1番印象的だったのは「蟹工船」の小林多喜二が
スパイの対象として登場する「雲雀」。
蟹工船に乗る人々の地獄の日々をインタビュー形式で。
罠にかけるよう指示を出した相手に反対に罠をかける、
終盤の物語の逆転劇が軽快でエンタメチックで
暗い暗い時代のお話ですけど軽快に読み進められました。
この「雲雀」が最初のお話でこのタッチで進んでいくと思いきや、これ以降、特に3篇目以降は重苦しさが増して戦時中のリアルをそのまま読んでいるようでした……。
読者に訴えかけてくるような作品 -
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Posted by ブクログ
面白い。
面白い面白い。
エンタメ小説として、シリーズものとして、オススメ。
シリーズ3作目。そろそろワンパターンになっても良さそうだが、そうはならないようによく工夫された短編群。
1本目は、スパイなのにいきなり記憶を無くしたところから始まる「誤算」。秘密を守ってナンボの立場なのに、記憶がなかったらあなた、何を言っちゃいけないか、わかんないじゃん!という見事な設定。
2本目「失楽園」は、優れたスパイは必ずしも自ら動く必要はないという話。周りがこちらの思うがままに動いて、事態を解決させてしまう話。
3本目の「追跡」は、我らが結城少佐の正体が相手スパイによって明らかにされてしまうのか?という、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ明治時代に活躍した、大石誠之助という人物の話なのだか、勉強不足で全く知らなかった。読後、色々調べてみた。
舞台が新宮、和歌山であり自分の隣県で方言も近く、親しみやすかったのだけど、社会主義、政治の話は取っつきにくく中々読み進められなかった。
誠之助の行動を中心に話は進んで行くのだけど、途中で横道に逸れて明治初期の出来事が紹介されるので歴史の教科書のよう。
穏やかな好人物だったんだけど、唐突に居なくなってしまう。余りに呆気ない退場に、え?と、悲しい気持ちも湧いて来ない。
それだけに当時の裁判や政府の無茶苦茶さ、理不尽さが伝わり、なんだそれ、と怒りの方が湧いてきた。