あらすじ
結城率いる異能のスパイ組織”D機関”に対抗組織が。その名も風機関。同じ組織にスペアはいらない。狩るか、狩られるか。「躊躇なく殺せ、潔く死ね」を叩き込まれた風機関がD機関を追い落としにかかるが……。
※なお、本電子書籍は、紙書籍『ダブル・ジョーカー』(単行本)をもとにしたものです。紙書籍『ダブル・ジョーカー』(角川文庫)には、掌編「眠る男」が特別収録されています。
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「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第2作。スパイたちの暗躍より、対抗心・先入観・偽情報・安心感・慢心・過去等に「とらわれた」者たちの末路を中心に描いた作品を収録。
「蠅の王」でのD機関のスパイ“西村久志陸軍二等兵”は、事情を知らぬとは言えプロの芸人 藤丸に笑わぬ目の持ち主=“笑わぬ男”として見抜かれた。果たしてこれは彼がスパイとして未熟だからか、それとも脇坂衛を誘い出す作戦の一部だったのか?
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ジョーカーゲームをアニメでしか観たことない人は是非読んでみてほしい!「柩」が入ってます。しんどいです。しんどいですが、かなり素晴らしいです。ぜひ読んでみてください…(語彙力の低下)
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1作目に引き続き、スパイ組織「D機関」がギュッと詰まった短編。1作目を超えたというわけではないが、どの話も楽しめて面白かった。結城中佐はどこに姿を現してもスマートでカッコいい。1作目につながる話も付いているので1作目を読んでから読むのがオススメ。
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柳広司さん著「ダブルジョーカー」
「ジョーカーゲーム」シリーズの第二弾になる。今回の作品も5篇からなる「D機関」に纏わる連作短編集になるのだが各編が各々独立している為とても読みやすい。
前回読んだ「ジョーカーゲーム」と展開とスタイルは変わらず特に目立った変化を感じる事はなかった。
また5篇分の物語が追加されたという感じでもう少し変化を期待してしまった。
しかし舞台が帝国陸軍内の話であるが為に前作同様、薄暗い影が作品全体にかかっており非常に不穏感漂う作風。諜報という影の部分とその薄暗い作風が絶妙にマッチしていると感じた。
短編集の為、前作でも抱いた感想だが読み応えという点では薄く感じてしまう。
あと2作品このシリーズの作品はあるのだが、連続して読むのは止めておいてまた気が向いたら読んでみようと思う。
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『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第二弾。これまた再読。文庫本特別収録の「眠る男」は初めて読んだけど、結城中佐の化け物感が更に増した気がする。このシリーズだけでなく、柳広司の他の本もそのうち読みたい。
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『ジョーカー・ゲーム』に続くD機関シリーズの二作目
(って、こんなシリーズ名がついているのかは知らないけれどなんとなくで書いてしまった……)
D機関という存在の特殊性ゆえに、どうしてもどんでん返しが当たり前のお話になってしまうのだけど、どんでん返しが当たり前になったうえでそこから更にどう楽しませるか、というのが徹底されていて面白かったです
この作品の話ではなく、例えば本の帯に「最後の一行まで油断できない」的な宣伝文句があるとちょっと構えて読んでしまうんですけど、『ダブル・ジョーカー』からはそんな紹介をされたとしてもそれでもなお楽しませてやるぞ!ってなもう一歩先を見据えた心意気を感じました
短編集なんですけれど、一作品ごとに楽しませ方を工夫されているなぁと
ワンパターンになりそうなの設定なのにまだまだこんなにも楽しめるのか!という別方向からの驚きも得られました
この感想を書きつつ柳先生のwikipediaを見てみたら、さらにまだ二冊のシリーズ作品が発売されているようで、どんな楽しませ方をさてもらえるのか読むのが楽しみです
……あと、D機関シリーズって名前も使われているみたいでホッとしました(笑
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ジョーカーゲームシリーズ第2弾。
結城中佐率いるスパイ組織“D機関”プライド高いスパイ達が暗躍する短編6編。こちらは、対スパイ戦の作品が多いですね。
「ダブルジョーカー」
新たな陸軍諜報機関“風機関”を一蹴する結城中佐。
「蝿の王」
亡き兄の遺志を継ぎ、ソ連のスパイとなった軍医を暴く。
「仏印作戦」
D機関を騙る詐欺集団の罠にハマる電信係を助け出す。
「柩」
不慮の列車事故で命を落とすD機関のスパイ。最期にまで任務の隠蔽を遂行する。これに若き日の結城中佐のお姿あり。
「ブラックバード」
任務遂行の為、現地で結婚までして完璧な活動をしていたD機関のスパイ。協力者であった腹違いの兄の病死により、アメリカ戦争介入を止められず。
「眠る男」
深層記憶を駆使したD機関の協力者を描く。
殺さず、死なず。彼らの活躍は、洗練されているんですよ。もう、次も読みます。
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今回読んだ物語の多くがアニメ化されていないが、どの話も常に緊張感がある展開で面白く読めた。本作最初の話である『ダブル・ジョーカー』p12は、岡崎久彦『戦略的思考とは何か』(中公新書)で指摘された内容が如実に反映されている。それは日本が日清戦争と日露戦争で勝利した経験から根拠なき自信をつけてしまい、反省を怠ったことである。それが今回の話のように、諜報活動が重視される現状の世界情勢を無視して、組織が膠着状態に陥る。
スパイとは周囲から関心を寄せないように工夫を凝らさなければならないと前作でも再三言われてきたが、本作の後半に収録される「ブラック・バード」を読むと、スパイとは平時だからこそ役目を果たせると実感できる。この話を最後まで読むとわかるが、いざ国家間の戦争が開始されると、それまでの努力が一瞬にして水の泡となるのだ。物語の終盤、日米との戦争が始まり(今回は真珠湾奇襲による太平洋戦争の開始)、アメリカ側が国内に潜む外国人を一斉に摘発する方策をとり、それを受けて、この話の主人公は最後に逮捕されてしまう。このように、諜報活動はたとえ過酷な選抜試験を突破した強者集団だとしても、強大な組織、国家の前には抗えないという個の限界が垣間見える。
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やっぱり面白い。
前作よりも、スパイの危機的瞬間が描かれていた気がした。
いつなん時も自分を曝け出せない孤独の中に生きているんだなあ。
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ちょっとダークな話もありますが、何となくスカッとする不思議な感じです。D機関が無双するのがヒーロー戦隊ものとかプリキュアを見る感覚に近いのでしょうか。スリルと安心感が短編で味わえるのでお得ですね。
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1作目に続き相変わらずの世界観。D機関のメンバー達のそれぞれの暗躍が短編集として描かれているため読みやすくもある。さて、この物語はこのあとどんな山場を迎え、どんなエンディングを迎えるのだろうか。
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ジョーカー・ゲームの続編、「ダブル」の示すところは第二のスパイ組織との対峙。前作と比較してかなり高度な物語構成になり、難解なところもありつつ、読み応えあった。
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前作が面白すぎたので2作目もイッキ読み。
面白かった。お気に入りは表題作のダブル・ジョーカー。
20世紀前半の戦争しまくってた日本の思想・時代背景の描写が多くて考えさせられた。自分はあまりにも知識が無くて読み飛ばしてしまった部分もあるので勉強しようと思った。
前作を☆4にしているので☆3。残念。
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ダブル・ジョーカー
結城
異能のスパイ組織“D機関”を率いる中佐。
風戸哲正
大東亜物産課長。陸軍中佐。新たに秘密諜報員養成機関の設立を参謀本部に具申した。“風機関”。
白幡樹一郎
元英国大使。
森島邦雄
内通者。“D機関”に所属。
阿久津泰正
陸軍中将。
蝿の王
藤木藤丸
漫才コンビ。
十徳五郎
一人芸人。
脇坂衛
陸軍軍医。
西村久志
陸軍二等兵。
脇坂格
衛の兄。京都帝国大学法学部に在学中、治安維持法違反で検挙。留置場で肺結核を発病。家に帰って半月後に亡くなる。
K
片岡誠。陸軍大尉。
小野寺
部隊長。
脇坂勝
衛の従兄弟。
猪熊
軍曹。
赤沢
憲兵伍長。
乙倉
わらわし隊のマネージャー。
仏印作戦
高林正人
中央無線電信所に勤める。仏印(フランス領インドシナ連邦)に出張。
土屋昭信
陸軍少将。
イエン
高林がダンスホールで知り合った。
永瀬則之
高林を暴漢の手から救った若い男。陸軍少尉。
ガオ
地元の商人。
レイモンド
仏印郵便電信局の通信士。
柩
ヘルマン・ヴォルフ
大佐。対外防諜活動を担当する情報第三課課長。
オットー・フランク
マッチを拾った。
ヒトラー・ユーゲント
ヨハン・バウアー
秘書。
カツヒコ・マキ
真木克彦。美術商。
カイツ
少将。
ブラックバード
ヒタキ
仲根晋吾
マイケル・クーパーの個人秘書。メアリーと結婚。
マイケル・クーパー
石油プラント工場のオーナー。
メアリー
クーパー家の三姉妹の末娘。
ジョナサン
仲根、メアリーの子供。
ベック
警察署長。
蓮見光一
外務省二等書記官。
モグラ
二重スパイ。
眠る男
サム・ブランド
アンクル・ニック
エリー
サムの娘。
セイラ
サムの妻。エリーを出産後、回復することなく死亡した。
ヒューズ
勤務伍長。
M
英国諜報機関に籍を置くスパイの元締めの一人。
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スパイvsスパイの知略と策謀が交錯する頭脳戦。
ただ、慣れから1作目で受けた衝撃には一歩及ばず…
それでも、この緊張感と巧妙な駆け引き、次作も読まずにはいられない。
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面白かった。
5話+オマケ
以下ネタバレ
D機関vs.風機関
わらわし隊 モスクワ側のスパイ あんま面白くなかった
永瀬はD機関のスパイとみせかけて詐欺集団のリーダー
任務中に列車事故で事故死したスパイ 結城中佐の過去も少し 結城中佐何者よすごすぎるやろ
不運なスパイ 優秀で何事もうまくいっていたのに上記の列車事故や仲間の突然の病死が重なり、情報が届かずアメリカから逃げ遅れた 任務失敗?
おまけ
ジョーカーゲームだったか、このシリーズの最初の方にでてきた話の共謀者側の視点 最初なんの話かわからなかったけど、最後のロビンソン・クルーソーで繋がる感じ
売る
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2024.07.29
ライバル組織 共産主義者のスパイ インドシナの無線技士 ドイツのスパイ狩り ロスの二重経歴
レディジョーカー二作目。一作目ほどのインパクトはない。
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ジョーカーシリーズ2作目。
1作目が衝撃的な面白さだっただけに、若干物足りなさを感じたが、それでも充分楽しめた作品。
大戦前夜のスパイ達の暗躍。人間ドラマ。
ミステリ。色々な角度から読めるエンターテインメント作品。
すっかり結城中佐のファンに……!!そのせいか今回は影がちらついただけの章が多く少し寂しかったわ。個人的には蝿の王が好み。
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僅かな情報を基に勘ぐり任務を遂行する
凄腕スパイ第二弾
各話の主人公の判断や行動には只々驚かされるばかり
世論・私のような凡人は、登場する秀才達に踊らされてるのかと考えたりする
「……ダブル・ジョーカーを使うつもりはない」
覇王翔吼拳を使わざるを得ない。ばりにツボった
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相変わらず面白い、サクサク読めるスパイ・エンターテインメント。
結城率いる「D機関」のスパイを主人公として描かれている作品あり、「D機関」に敵対したり利用されたりする側からの目線もあり、シリーズものでありながら、きちんとバリエーションがあって飽きない。
エピソード「柩」では、現役のスパイとして活動する若かりし結城の凄みが描かれており、興奮して読んだ。
また、最後のエピソード「眠る男」は、一作目を読んだ読者へのプレゼントというか、うん、これはシリーズ作品として備えるべき魅力をきちんと備えたエンターテインメントだと思います。
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D機関は軍隊にとって異質なもの、「死ぬな」「殺すな」と教えられていた。それ故に、軍隊に馬鹿にされていたが、それとは反対にD機関は優秀さと実体のなさが際立っていた。
最期までスパイとして生きた真木と、完璧にはなれなかった仲根。完全、完璧、絶対が無いのが人間味があり良い作品だった。
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前作で慣れてしまったからかインパクトは前作のほうがあるけど、表題作の「ダブル・ジョーカー」やドイツでのエピソード「柩」などが印象的。
手強いライバルが出てくる中長編ものが読みたくなりますね。
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ジョーカー・ゲームの続編、ダブル・ジョーカー、結城率いるD機関の考え方は、「死ぬな。殺すな。」が根底にある。片や風戸率いる風機関は、「躊躇なく殺せ。潔く死ね。」陸軍に機密諜報機関は二つ要らない。風機関がD機関を追い落とそうとする。
表立って結城は登場しないが、結城の存在が顕著に現れた作品群である。先の先の先まで読んで準備をしているのはドイツ軍か、アメリカ軍か、イギリス軍か、はたまた日本陸軍なのか、スパイものの王道だと感じた。
アメリカ合衆国は嘘をつかないことをワシントンの逸話で子供の頃から教えられるが、正直なのかというと、実際は相当な策士だと思うのである。
ジョーカーゲームほどのインパクトはなかったが、パラダイス・ロスト、ラスト・ワルツまでは読みたいと思わせられた。