【感想・ネタバレ】太平洋食堂のレビュー

あらすじ

消された歴史に命を宿す傑作歴史長編!

こんなに魂に沁みる小説はめったにない!
今こそ、読むべき物語だ。(作家・藤沢周)

一九〇四年(明治三十七年)、紀州・新宮に西洋の王様がかぶる王冠のような看板を掲げた一軒の食堂が開店した。
「太平洋食堂」と名付けられたその店の主人は「ひげのドクトル(毒取る)さん」と呼ばれ、地元の人たちから慕われていた医師・大石誠之助。アメリカやシンガポール、インドなどに留学した経験を持つ彼は、戦争と差別を嫌い、常に貧しき人の側に立って行動する人だった。
やがて幸徳秋水、堺利彦、森近運平らと交流を深めていく中、“主義者”として国家から監視されるようになった誠之助に待ち受ける運命とは――。
歴史の闇に埋もれた傑士の半生を描く傑作長編小説。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 大逆事件の詳細を知ることができる小説です。明治藩閥政府の無茶苦茶ぶり、その反面として紀州新宮の大石誠之助たちの人間的魅力が伝わってきます。
 次は、西村伊作自伝を読む予定です。

1
2024年06月07日

Posted by ブクログ

近現代史て高校でさらっと流れたからこの事件も結末しか知らなかったんで、その辺りの厚みがすこし出来てよかった

0
2024年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

明治時代に活躍した、大石誠之助という人物の話なのだか、勉強不足で全く知らなかった。読後、色々調べてみた。
舞台が新宮、和歌山であり自分の隣県で方言も近く、親しみやすかったのだけど、社会主義、政治の話は取っつきにくく中々読み進められなかった。
誠之助の行動を中心に話は進んで行くのだけど、途中で横道に逸れて明治初期の出来事が紹介されるので歴史の教科書のよう。
穏やかな好人物だったんだけど、唐突に居なくなってしまう。余りに呆気ない退場に、え?と、悲しい気持ちも湧いて来ない。
それだけに当時の裁判や政府の無茶苦茶さ、理不尽さが伝わり、なんだそれ、と怒りの方が湧いてきた。

0
2023年09月03日

「歴史・時代」ランキング