【感想・ネタバレ】トーキョー・プリズンのレビュー

あらすじ

戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪ねた私立探偵のフェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死の事件の謎を追ってゆく。戦争の暗部を抉る傑作長編ミステリー。

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Posted by ブクログ

戦争の暗部を抉るミステリーの傑作。スガモプリズンでのBC級戦犯をめぐる推理が主軸でそのプロットも勿論面白いが、キョウコの語る一般市民の戦争責任が胸に響く。大本営発表を最たるものとしての報道のウソを知りつつ、イヤなことを見て見ぬふりをしたかった日本国民一人一人の責任を問うところが一番印象的だった。

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2023年01月02日

Posted by ブクログ

いったい誰が悪いのか。
私立探偵・フェアフィールドは記憶を失った囚人・キジマとともにプリズン内で起こった毒殺事件を追う。探偵がワトソン役とは面白い。最後はちゃんと探偵も探偵するけど。
推理小説だけど、反戦小説の色が強い気がした。
二転三転もする展開。あの人が実は犯人では……という予想が実際そうだったときの悲しさは、予想通りだったつまらなさではなく、そうでなければ良かったのにという思いから。
主人公がアメリカ人でも日本人でもなくニュージーランド人なので、客観的に当時の日本を見れた気がした。
「ジョーカー・ゲーム」で興味を持った作家さんだけど、これも映像化してほしいな。ミステリとして楽しみながら、観たあと二度と戦争を起こしてはいけないと思う作品にしてほしい。

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2016年08月23日

Posted by ブクログ

内容は後半失速気味。というか謎解きがかなりゴリ押しで拍子抜け。
でも謎解き後のラストシーンはとっても好き。
とにかくキャラクターが良くて、それだけで星4、ラストシーンでプラス1という感じ。
個人的には柳広司作品で一番好き。
感覚的にはライトノベルだった。

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2015年03月04日

Posted by ブクログ

推理小説としてより反戦小説として満足しました。
殺人事件の犯人やトリックはかなりわかりやすくて少し物足りなかったですが、第二次世界大戦直後の日本における天皇制、原爆投下、戦争の責任の所在に対する様々な立場の人の考えは読み応えがありました。
主人公がニュージーランド人の探偵であることで、日本人たちともアメリカの軍人たちとも違う(無論西洋よりではあるけれど)一歩引いたところから見ているのが独特で良かったと思います。
しかし彼も相棒と同じく戦争で精神的ダメージを負った元軍人であるため、幻想的な悪夢を見ていて、結局この話のどこまでが真実なのかはよくわからないところが面白かったです。
探偵と囚人のバディものとしてこの終わり方はかなり好みでした。
あと、シャーロック・ホームズをはじめとして様々な作品のオマージュがあって楽しかったです。

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

ジョーカーゲーム以来いつか読もうと思っていた一冊
二本のメインストーリーがどう絡むのかな、と読んでいたが一応落ちが着いており面白かった
舞台となる「戦争」について、読み手として辛くなるくらい筆者がきちんと向き合い書き込まれており良かった
若い人に読んでもらいたい

自由の反対は義務、ではなく責任

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2022年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「メリークリスマス、ミスターローレンス!メリークリスマス!」

上記のセリフは映画「戦場のメリークリスマス」のラストシーンですが、本小説は明らかに戦メリを意識していますね(笑)
本小説のラストは戦争が終わって20年が経っており、社会情勢としては「戦後」がようやく一段落して次のステージに歩みかけてる時期なのだとおもいます。
その象徴がキョウコなのであり、キョウコに「メリークリスマス!ミスターフェアフィールド」と言わせるあたりは作者(というより兄イツオが述べていた)の「自由と責任」を体現させているようで心地よかったです。

小説の中の謎解きである、連続自死案件、キジマの戦犯容疑それに伴う記憶喪失案件、従兄弟の捜索案件などを追いながら、
日本の戦争責任のあり方や民意責任のあり方や、権力の裏側(正当に制御しない権力は暴力になるという考え方)を示しておりとても面白かったです。

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2022年02月26日

Posted by ブクログ

GHQが接収した東京拘置所(当時)内で、収監された戦犯と別件調査でニュージーランドから来日した探偵を組み合わせた、異色探偵小説。米軍を中心とした占領軍と、東京裁判を迅速に結審させようとする思惑の中で、キーマンとなるキジマが安楽椅子探偵のような役回り。最後は、キジマの帝国軍人のメンタリティというステレオタイプな結末でなかったことは良かったが……決してハッピーエンドではないのは、著者の真骨頂かも知れない。

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2019年07月12日

Posted by ブクログ

柳さんが書く大戦前後のこの時代の日本がとても好きだ。
スーツや軍服、燕尾服や着物と様々な身なりの人々が出てくるが、どれもきちんと着こなされその情景にきちんとはまっているように感じる。
モノがなかった時代だからこそ、衣装は着る意味も含めて大切にさているように思える。
もちろんストーリーも十分おもしろい
ところで、現在日本では安保法案に関して騒がしい。安倍総理を筆頭に政府が暴走していると言う意見もある。
もしこの法案が通り、将来的に悪法と認められた時、安倍さんは別として、与党の他の面々は罪を自覚できるのであろうか?
この小説の中にあるように『私は反対したのだが、決まってしまったものは仕方ない』と主張する人が大勢でてくるのでは?
はっきりとは理解し切れていないけれど、なんとなく日本人・日本国の特性が解りかけたような気がする話であった。

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2018年11月11日

Posted by ブクログ

柳広司『トーキョー・プリズン』角川文庫。

巣鴨プリズンを舞台にしたミステリー。

探偵役を演じる記憶を失った捕虜のキジマの不思議な魅力と奇抜な設定。柳広司らしい作品だと思う。

反面、策に溺れた感のあるスッキリしない結末は如何がなものか。

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2017年10月04日

Posted by ブクログ

読みやすくて面白かった!!第二次世界大戦の話も絡めつつ、推理ものとして出来上がっていた。
日本で習った歴史と考え方が、他国から見たら気味悪かったり感情が無いようにみえたりするんだなと感じた。(確かに昔の戦争の考え方はひどかったけど)

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2017年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み応えあった。
「時代劇は大した内容じゃなくてもそれなりに面白くなる」と映画関係の誰かが言っていたけど、終戦直後の日本という背景だけでも面白い。disっているわけでは無いです。
エドワードの相棒も、キジマもイツオも救われなかったけど、後味の悪さは感じなかった。様々な人の思惑が交錯して複雑になった事件の真相の扉が一枚一枚開いていく爽快感が上回ったのかも。
「キジマにとっての真実」は、5年前の自分では思いもよらないようなサディストの一面が戦争によって引き出されたということ。戦争とは恐ろしいものですね。

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2016年07月23日

Posted by 読むコレ

戦後の独特のやるせない喪失感と重苦しい空気が
ヒリヒリ伝わる描写にまず引き込まれます。
探偵の一人称で語られるストーリーですが、
あくまでもストーリー上の探偵は更に別にいて、
その探偵が被告を兼ねるという設定もいいですね。

作中のいくつかの謎解きや(流石にオウムの件はビミョーですが)、
ラストの意外さはミステリーとして逸品。

そして何より、カッコいい小説。

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2013年02月05日

Posted by ブクログ

戦後の巣鴨プリズンが舞台。
探偵の出てくるミステリではあるけど、戦争責任、戦時中独特の異様な雰囲気、戦後の傷、争いに纏わる様々なことについて考えさせられる。

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2024年01月05日

Posted by ブクログ

舞台は終戦直後の巣鴨プリズン。
主人公のニュージーランド人探偵が人探しのためにプリズン内の調査権と引き換えに戦犯である貴島の記憶の回復を命じられる。
貴島は頭脳明晰な脱獄の常習犯、捕虜虐待の罪で捕らえられているが事故が原因で戦争中の記憶がない。
折しもプリズン内で発生した連続変死事件を主人公と貴島が謎を解く。
頭脳明晰でクールな貴島は本当に捕虜虐待を行った戦犯なのか・・・

サラッと読めて面白かったです。
変死事件の謎解きはストーリーの本筋ではないのでご愛嬌の感じ。
貴島とシャーロック・ホームズを重ねたミステリー仕立てのストーリーとは別に、著者の語りたい「戦争]「戦後」「敗戦国」「原爆」「米国日系」「日本人気質」等々少々詰め込み過ぎかと・・・
日本人と米国人を冷静に語らせるために主人公をニュージーランド人にしたのはなかなかのアイデア。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

結局キジマは狂気の男であり、もしかすればフェアフィールドがキジマだったかもしれない。
戦争の持つ紙一重を描いたサスペンスドラマだった。

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2021年11月30日

Posted by ブクログ

戦争によって狂わされた人間を、ミステリー仕立てで描写する。それ以上に日本がなぜ戦争(日中戦争〜太平洋戦争)に突き進んだのか、その責任はどこにあるのか? さらに言えば戦争を選択した政府を国民はなぜ指示したのか? これを小説家として描きたかったのかな? 作中、「国民全員が騙されていたんだ、判断ができなかったんだ」という台詞が出てくるけど、これじゃアイヒマンと一緒で、アーレントじゃないけど、日本人はこの世に存在は許されないってことになるよなぁ。しくしく。

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2021年10月26日

Posted by ブクログ

柳広司作品には通底するものがあって、僕はそこに惹かれている。この作品を読んで自分の嗜好で再確認できたことがあった。それは謎解きのあるミステリーがあまり好きじゃなかったってこと。その前に人間が描かれていなかったら面白くない。だからと言ってこの作品で人間が描かれていなかったという訳ではないが、物足りなさを感じた。巣鴨プリズンを舞台にするなら、柳さんが描く広田弘毅をいつか読みたい。

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2021年08月22日

Posted by ブクログ

面白かった
東京裁判で裁かれる者たちが拘留されている巣鴨プリズンを舞台にした物語。

主人公はそこに拘留されているキジマ。
キジマは戦時中に捕虜を虐待した容疑で拘留されていますが、その戦時中5年間の記憶がありません。
キジマの虐待行為に対する様々な証言
キジマは本当に捕虜を虐待していたのか?

また、頭脳明晰で何度も脱獄を繰り返す変わりモノ。
そして、プリズン内で発生した服毒死事件の謎を追っていく事になります。

その相棒となるのが知人の情報を得るためにニュージーランドから来日した私立探偵のフェアフィールド。

プリズン内の人間関係、事件の真相、さらにはキジマの5年間の捕虜虐待の真相と、様々な謎が絡み合って明らかになっていきます。

さらに、筆者自身の戦争観も随所に見られます。
とりわけ、戦犯の問題や、日米文化の相違、そして天皇責任論にまで踏み込んでいます。
マツウラのセリフ
「ねえ、あなた。いったい女や子供の頭のうえに無差別に大量の爆弾を落とすというのは”人道に対する罪”には当たらないものなんですかね?」

東京裁判の意味が問われています。

ということで、戦争そのものの悲惨さ、戦争責任、東京裁判、そして、ミステリーと満載な物語でした。

お勧め

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2019年05月25日

Posted by ブクログ



舞台は巣鴨プリズン。戦犯達を裁くための拘置所。
現在池袋サンシャインの旧跡だ。
戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵。
調査交換条件に、囚人貴島の記憶を取り戻す任務を命じられる。
貴島なる囚人は恐ろしく頭脳明晰だが、戦争中の記憶が失われており...
拘置所内で立て続く服毒殺人事件の果てに...

一冊のミステリとして面白いことは間違いないが、戦争における正義、責任、国による文化的差異、教育の脅威、その示唆は実に富む。
本書の一節に、戦時中の日本における当時の国民性が実に端的に表されている。
女:「誰?誰が私の子供を殺したの!」
亡者達が女の周りに集まり、犯人探しが始まった。
「豚を選んだのはこいつだ」亡者達が一人の男を指差した。
「俺は選んだだけだ。こいつが豚に紐を結んだんだ」別の男を指差した。
「俺は紐を結んだだけだ。こいつが紐を引っ張ってきた」別の男を指差した。
「俺は引っ張ってきただけだ。こいつが豚を押さえていた」別の男を指差した。
「俺は尻を押さえただけだ。こいつが豚の頭を押さえていた」別の男を指差した。
「俺は頭を押さえただけだ。こいつが豚の喉を切った」別の男を指差した。
「いいや、俺は豚の喉を切らなかった」最後に指さされた若い兵士が首を振った。
「のどを切ったのは、この斧だ」
-そうだ、この斧が豚を殺したんだ!
正に御真影を仰ぐ天皇制が、敗戦直後の日本が、実によく表したものだ。

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2018年11月26日

Posted by ブクログ

ジョーカーゲームで柳さんの世界観にどっぷりとハマり、こちらも読んでみることに。
読んでいても暗い雰囲気が映画のように頭の中に流れ込んできました。
だからといって、戦争小説のように重すぎるわけではなくバランスがいい作品に感じました。
そして、フィクションながらも実在した人物や巣鴨プリズンなど実在した場所も作品のに登場し、少しリアリティも感じながら読み進めたり…となかなか面白かったです。
また、敗戦国の庶民にもスポットを当てており、戦後の苦しい日本の生活などが少し垣間見れた気がしました。
バラバラであったピースが集約していくのが爽快。
ただ最後のオウムのトリック…無理ない…?と感じてしまったところもあったりしたのが残念だった。

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2017年11月12日

Posted by ブクログ

結末はかなり面白かった!でも、そこに行き着くまでがなんとも言えないグダグダ感。。
なんだかどっと疲れた(ー ー;)

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2017年10月18日

Posted by ブクログ

戦争の模写があるので若干残酷な表現も随所に見られるが、基本的には読みやすいので、どんどん読み進んでしまったナリ。

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2016年08月21日

Posted by ブクログ

ジョーカーシリーズ程はのめりこめなかった。
戦時中という特殊な環境下だと人は変わってしまうこともあるかもしれない。謎を追ってる途中までは楽しく読めたけど、真相含めなんだか後味が悪いままだった。だけど、やはり女は強いなぁ。
表紙の男は、キジマかな?

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2016年07月25日

Posted by ブクログ

トーキョープリズンってなんぞや?と思って本を開いたとたん巣鴨プリズンのことだとすぐに発覚。

この著者の作品はジョーカーゲームを先に読んでいたので、エンターテイメント性が強いものを想像していたため途中から様子が違うことに気づいて戸惑いましたが、事件の謎、キジマの記憶、クリスの行方が気になり一気に読めました。
BC級戦犯の裁判についてはもやっとするし、トリックや動機はいまいちはまらなかった。
でも大団円ではないけれど、この終わり方は好き。
そしてキジマのキャラがいい。
探偵役は奇人変人じゃなくちゃ!

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2017年08月15日

Posted by ブクログ

 太平洋戦争の戦犯たちが収監される巣鴨プリズンを舞台としたミステリー。

 柳作品はこの本で4冊目ですがなんというか惜しい作品だなあ、という印象。

 巣鴨プリズンで起こった連続毒殺事件、記憶を失った囚人と提示される謎はとても魅力的。また記憶を失った捕虜のキジマが探偵役でもあり、また彼の記憶が物語の中心にもなるわけですが、キジマのキャラが魅力的。危険な雰囲気やミステリアスな雰囲気が漂っていてなんとも言えないカッコ良さがあります。

 そしてテーマとして天皇の戦争責任や原爆の被爆者、そして戦争から浮かび上がる人間の闇にも踏み込みます。

 とまあ、魅力的な点も多いのですが、ミステリのトリックがかなりの力技だと感じるものがあったり、動機の面があやふやで説明不足に感じたり、
また戦争を取り上げた作品としても、作中で上がった議論はいずれも表面上触れただけで、議論が練られている感じがしなかったりと、惜しいなと思う点もちらほら。そのため後半は失速してしまった印象があります。

 柳さんの戦争下を舞台とした作品に『新世界』と「ジョーカーゲーム」シリーズがありますが、ちょうどその間の時期に書かれたのがこの『トーキョー・プリズン』。

『新世界』は原爆を扱った社会性の強い作品で、ジョーカーゲームシリーズはどちらかというと娯楽重視だったので、ちょうどその移行期で試行錯誤した結果が、惜しい感じになったのかな、と少し思いました。

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2015年09月03日

Posted by ブクログ

本書を読んで、著者の「ジョーカー・ゲーム」での化けっぷりがいかにとんでもなかったかを実感。本作、やりたいことは分かるんだけど詰め込み過ぎ。結果としてどれも丸く収まってない気がする。東京大空襲・原爆・二世問題・戦時中の日本の空気、それらをマトモに問題として書いたうえでミステリとしても傑作、なんてことは起こり得ないと思うので、以降の方針転換は大正解。

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2015年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東条英機ら第二次大戦の戦争責任者たちを収監した巣鴨プリズンで起こる不可解な事件の謎に迫るミステリ。
巣鴨プリズンは実在したけど、本作でのポジションはあくまで舞台というだけ。戦争の功罪を読者に問いかけてきたりはしないので安心して読めます。
戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた主人公・私立探偵フェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられます。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追うが…。
歴史ものとも言えるけど、それよりは純粋に推理小説として楽しみたい作品。

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2015年04月05日

Posted by ブクログ

森美夏さんて最近表紙・挿絵ばっかりですよね…
北神からのファンとしては漫画が読みたいのです。
そんな訳で前から気になってはいたものの、
素直に表紙に釣られて読みました。
次はジョーカーなんちゃらいうのかな。

途中まではかなりの書き込み様でしたが、
後半失速したような気がします。
ただ、トリックや犯人が気になって
ぐいぐい読んでしまうにはちょっと惜しいです。
登場人物が個性的で魅力的なので、
森絵で妄想しながら読むと楽しいです(笑)

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2014年09月30日

Posted by ブクログ

戦争で行方不明になった友人を探しに戦後まもない日本にやってきた主人公。彼は手がかりをさがすために巣鴨プリズンを訪れる。
そこでは捜索する条件として、プリズン内で起きた事件の捜査とある戦犯についての依頼をうけることになる。
その戦犯は類稀な推理能力で人の秘密をも赤裸々に読み取るために周りから疎まれ独房に。そして戦時中5年間の記憶を失っている・・・

うまくいえないですが、まあ、そんな感じ。
「ダブルジョーカー」でおなじみの作者の前作。舞台は同じく昭和一桁台の日本。そのあたりの時代背景を書くのが得意な作家さんなんでしょうかね?

個人的には「長編」ということで物語が二転三転するのが自分好みで「ダブルジョーカー」シリーズよりもこちらは好みでした。
次回作・・は最後の展開からして望めないっぽいのが残念。
どうも自分は長編嗜好が強いみたいなので「ダブルジョーカー」シリーズの長編も読んでみたいですね。

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

「ジョーカー・ゲーム」「ダブル・ジョーカー」と2年連続“このミス”2位の作品を送り込む柳 広司。遅ればせながら、ブレイク前夜のこの本からと。
占領下の日本、ニュージーランドの元軍人フェアフィールドは個人的な調査で巣鴨プリズンを訪れる。
折りしもプリズン内では不可解な服毒死事故が発生。記憶喪失の囚人キジマは、記憶を取り戻す調査の手伝いを交換条件に事件の推理をするように提案されていたが、図らずもフェアフィールドは自らの調査の対価としてキジマのお守り役を押し付けられて…、という出だし。
ここからは、キジマの記憶の謎、プリズン内の事件、個人的な調査、という3つが重なり合って同時進行の謎解き。
最後はきれいに収まるのだけれど、何が本線か、ようく気をつけていないと、ちょっとややこしい。
全編を通じ、戦争がもたらした暗い影が横たわり、極限の中で人が正常な判断が出来なくなり墜ちていくことに対する深い哀しみが沁みる。

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2016年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2009/1/24 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
2018/9/21〜9/28

第二次大戦後の巣鴨プリズンで起こった不可能殺人。記憶を失った元所長の貴島、幼馴染のイツオとその妹で貴島の婚約者であるキョウコなどまさにミステリアスな雰囲気。柳さんの世界観がよく出た作品。

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2018年09月28日

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