櫛木理宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
多感な時期の思い込みの極致
雪深い東北のある街で火災事件が起こった。
遺体は母とその娘だと思われていたが娘ではなく娘の友人だった。
高校生の弥子と小柚子は仲が良い、しかしお互いの家庭環境に問題があり、それがしこりとなり段々と大きくなっていく。
思い込みの激しい友だちの苺美
ずっと昔一緒に遊んでいてこの街に帰ってきた双子の京香
小柚子の母とその彼氏の大島
弥子の母と叔父と関口くん
全ての人間が何かと問題あり。小柚子は嫌になり酒に逃げる。弥子は叔父との関係に嫌気がさす。
積もり積もった事が爆発すると自分でも思っていない行動を起こす事になる。
初めて読んだ作家さんでしたが人間のドロドロとした感情 -
Posted by ブクログ
2012年に小説すばる新人賞を受賞した、櫛木理宇の初期作品。
『キャリー』のように、母親に抑圧されて暮らす少女が、いつ精神を崩壊させるのかと読者をハラハラさせる物語。
共に母親に抑圧されて暮らす小柚子と弥子、この仲の良い2人の少女に、莓実、京香というもう2人の少女が関わってくることで、閉塞感たっぷりの物語は更に閉塞感を増していきます。
雪の降り積もる冬の新潟を、暗く描いているのも、母娘の物語の閉塞感を更に重苦しく演出してましたね。
ヒロインの一人・弥子が夢野久作『少女地獄』を読んでいたり、冒頭が新聞記事だったり、弥子が背が高いことがコンプレックスだったりと、『少女地獄』「火星の女」を思わせると -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと引っ張っていたサボテンの名前の件がついに!
思っていたより随分後になったなと。
それだけシリーズが長く続いている証なんでしょうけど。
互いに敬称つきでネームプレート作ってるのが可愛い。
ただ本編はそんな可愛さもかすむほどのホラー度いうか、人間の妄執の怖さが増し増しでした。
猫の話は泣けましたが、座敷牢と殺人事件が絡んだ話はややこしくはあったけど、本当に怖かった。
しかも解決したかと思いきや、森司がピンチになってるし。
今回はこよみちゃんがヒーローでしたね。
これも愛の力か……
それにしても、何でこの二人、これで両思いになってないんだよと今回も焦らされることになりました。
進展はしてるんだ