赤神諒のレビュー一覧
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鎌倉三代将軍家の時代の13篇の短編アンソロジー。
タイトルは『旅する』だけど、旅自体を扱った作品はなかったような?(^_^;)各作品の冒頭に、作品にちなんだ名所の写真と説明がついています。
前半は頼朝と政子の逸話が多く、後ろになるにしたがって時代があとになります。
砂原浩太朗さんの「実朝の猫」が好きかも。鎌倉に行きたくなりました(^.^) -
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赤神諒『神遊の城』講談社文庫。
忍者エンタメ歴史小説。
神遊観という忍術の秘密が後半に明かされる。三雲新蔵人と藤林半四郎という希代の忍術の使い手が混迷極まる物語をさらに複雑にしている。
応仁の乱末期、若き甲賀忍の望月三郎兵衛は、細川京兆家当主暗殺のため京の今出川屋敷に潜入するが、返り討ちに遭い、行動を共にした相思相愛のくノ一であるお詮を失う。
10年後、三雲新蔵人に名を改めた三郎兵衛は復仇のため、2万の軍勢を率いる足利第九代将軍義尚の湖南の鈎に陣に異父妹のくノ一のお喬らと夜襲を掛ける。
夜襲は失敗し、藤林半四郎という手練れの武士に強烈な反撃を受けた新蔵人は朋輩を逃がすため、お喬の目の -
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一つの戦いを多方面からの目線で描く短編集で読み易い決戦シリーズ、今回は武田勝頼vs徳川家康&織田信長連合軍との設楽原の戦いで世に言われる長篠の戦いを描く。長篠の戦いで戦国一の武田軍が敗れ滅亡する事は知れているがその詳細はこの小説で良く理解出来面白く読めた。信玄亡き後親方として跡を継いだ諏訪家の血を引く四男勝頼、名だたる武将の上に立ち実績を積み上げたい葛藤で徳川攻めに活路を見出そうとする。長篠城を囲み戦略上有利な持久戦で徳川勢を待ち受ける戦略を説く重鎮の武将に対し、徳川&織田連合軍が陣を張る設楽原への交戦に出ると決めた勝頼。対し織田は設楽原で3,000丁の鉄砲を手に入れ待ち受ける
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戦国時代の九州を舞台に、大友家の二十代当主である義鑑とその実子である義鎮の間で起こったお家騒動(大友二階崩れ)と、その結果として家臣である吉弘一族が辿ることになった熾烈な運命を描く。親子で殺しあったり、殺した敵の娘と結婚したり、兄弟同士で戦をしたりと、日本人も昔はかなり血なまぐさく、派手に刃物を振り回しながら激しい生き方をしていたのですね。
さて、このお話の主人公である吉弘左近鑑理は、義を大切にする人間です。しかも鑑理は世渡りが下手で必要以上に義に篤く、馬鹿正直にどこまでも主君に尽くそうとし、そのことが一族にとっての危機を招きます。
そもそも「義」などというものは武家社会において支配す -
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2020年 日経新聞連載小説。
伊集院静が「ミチクサ先生」を連載中に、くも膜下出血で倒れて、休載。
そのため、急遽、「太陽の門」が連載されることになった。
(伊集院は、その後復活して「ミチクサ先生」を完結させた)
「太陽の門」の主役は「リック」。
映画「カサブランカ」でハンフリー•ポガートの演じたニヒルな飲み屋の亭主「リック」の若い頃の物語だ。
その意味では、これは「カサブランカ」のスピンオフ•ドラマだと言える。
リックがカサブランカに飲み屋を開業するずっと以前、彼がスペインで内戦に参戦していた頃の話だ。
だが、このニックは映画に登場するニヒルで気障で、タバコばかりをふかして、酒を煽ってい -
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うーん、そうねー
戦国時代、西国無双と唄われた立花宗茂とその妻で鬼道雪こと戸次道雪の娘立花誾千代夫婦の物語です
男勝りで武勇に長けた逸話がかなり残っていて、また宗茂との間に子を成さなかったことからなんでしょうが、この誾千代を今で言うトランスジェンダーとして描いています
かなーりセンシティブな取り組みと言えばそうだし、実際の史実や正偽の不確かな逸話なども交えながらうまく組み立ててるなーとは思うんですが、なんかちょっとやり過ぎというか、エンタメの材料にしちゃうのに自分はちょっと違和感感じちゃった
うーん、立花誾千代を体は女性、心は男性だと捉えると確かにいろいろ納得できるよね!とはならんかっ