赤神諒のレビュー一覧

  • 夏鶯

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    ネタバレ

    最後まで、「もしかしたら、もしかしたら……」と思いながら読んだけど、やっぱり駄目だった。

    赤神さんの文章は、感情移入させられる。さまざまな感情を共有した。

    谷雲に夏鶯は枝のさき 蛇笏

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    2025年12月03日
  • 誾(ぎん)

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    どこまでが史実に基づくのか、おそらく大部分が作者の創作だと思うが、すばらしい物語だと思う。過酷な運命と戦い、受け入れ、乗り越えていく誾千代と統虎の生き様に感動した。誾千代の最期は切な過ぎる。。

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    2025年05月15日
  • 火山に馳す 浅間大変秘抄

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    ネタバレ

    予約本借りに行ったついでに新刊コーナーから適当に選んだ一冊でした。偶然の出会いは大切です。こんな良本を引き当てるんですからね!
    さて、登場人物を見ると実際の人物で、実は妖怪本「耳袋」の著者でもあると知って驚きで、話の後半にその件も書かれていて二度びっくりでした。
    浅間山の噴火による被害で村ごと飲まれ人も村も失われたそんなところを再建しようとする公人の奇特さともいえる人情が読んでいて心が熱くなった。ばらばらになった被災者同士で新たな家族づくりという提案には驚きだったが、一人ひとりの立ち直りの様を夢中で読み、ずーっと心を閉ざした人物が最後殻を割った瞬間はじわっと来た。損得なく支援に乗り出す市民、そ

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    2024年06月30日
  • 誾(ぎん)

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    誾千代という女武将がいたことを初めて知った。

    戦乱の世で、生を受けた美しい女子が、
    武士として戦いたいという、「男勝り」で成長し、
    体は女でありながら、心が男であることに苦悩する。

    「虎女」を検索すると、虎御前が出てきて、
    「鶴男」は出てこないので、著者の造語?

    現代の性的少数者の問題を歴史小説の中に入れることは、
    とても斬新に感じた。
    戦乱の世の、武器としての女性の生き方を、
    とても細かく描写されていて、胸が痛かった。

    道雪の武将として、一国の主として、誾千代の父親としての思いが感動的。

    幼馴染であり、夫の統虎も、武将として、人として素晴らしい人物に描かれている。
    史実では子供がい

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    2024年01月23日
  • 誾(ぎん)

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    読み始めしばらくしてジャンヌダルクを思い出した。身体は女性でありながら精神は男として生を受けて、それも秀吉や徳川の生きた時代だ。現代とは余りにも違う時代想像を絶する苦難の人生だったと。この様な小説は初めてではないだろうか。実に素晴らしい書籍だった。

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    2023年10月24日
  • 太陽の門

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    スペイン戦争の時代の話がメイン。アメリカ人義勇兵のリックが魅力的すぎる。
    老若男女、いろいろな人物が彼の考え方や生き様、戦術の手腕に惚れるのだけど、戦争によってその関係が続かないものもあり、突然別れが訪れたりもする。その別れの描写が様々で読めば必ず泣くとわかっているのに定期的に読みたくなる。というかリックに会いたくなる。


    好きなシーン
    1.ゲルダが初めてブランカに会う時のリック

    2.ラモンが馬に乗れないのに馬を使うリックの作戦に何も言わずに従ったミゲルの「初めての規律違反」

    3.2.で離ればなれになったが、ブランカが特大のプレゼントがあると言ってミゲルが酒場に帰って来た時のリック

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    2023年10月09日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    「13人」の小説家が「鎌倉」時代について書いた作品集。どの作品も面白いし、最新研究や資料を読み込まれている感じがして、興味もそそられる。
    この本片手に鎌倉を歩きたい。

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    2022年04月09日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    ネタバレ

     歴史小説が苦手な人にも読みやすいと思います。
     
     様々な思惑がうごめく武家のはじまりの時代。その時代背景がよくわかりますし、素敵な話もたくさん。

     そして、何より出かけたくなる。あー、修善寺の温泉でゆったりしたい~。

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    2022年02月17日
  • 太陽の門

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    日本経済新聞連載時に毎日楽しみに読んだ小説。
    有名な映画『カサブランカ』の話とは知らず読んでいました

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    2021年06月27日
  • 大友二階崩れ

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    大分に関わりのある方からの推薦本。「大友二階崩れ」に改題する前の「義と愛と」というタイトルが本書のストレートなテーマです。戦国時代の国東半島周辺を舞台に大友家の家臣の吉弘鑑理・鑑広兄弟を主人公にして、権謀術数渦巻く時代に「義の人」であろうとした兄と「愛の人」であろうとした弟の生き方の葛藤を描いています。でも「義か愛か」ではなく「義と愛と」という書名であることに作者の狙いはあり、それがエンディングに向かって加速度上げて展開していく筆力に巻き込まれた気がします。いま、「愛」は盛んに語られますが、「義」については意識されない時代だからこそ、「義」ある「愛」を訴える本書が現代に訴えるメッセージ持ってい

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    2018年11月25日
  • 大友二階崩れ

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    もどかしいほどの鑑理の義の貫き方、それが報われない展開にやるせなさを感じたが、最後のどんでん返しにホロっとさせられた。最終章あらためて読み返してしまった。

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    2018年11月03日
  • 大友落月記

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    大友シリーズ、第三弾。悲しい、哀しい作品で、心が震えて、泪が零れました。
    秋の夜長に月を見つつ、読みたい一冊。

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    2018年10月07日
  • 大友二階崩れ

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    ネタバレ

    また素晴らしい歴史小説作家が現れてしまった……

    鑑広がひたひたと死から逃れられなくなって行く様、愛してやまなかった楓の死。読んでいて、苦しく、哀しく、久々に本を読みながら泣きました。

    最後の鎮信の「義は苦しきものなれど、弱きものではないやもしれませぬな」という言葉にも考えさせられた。愛か、義か。

    シリーズ第2弾『 大友の聖将』も楽しみです。

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    2018年09月04日
  • 大友二階崩れ

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    時は戦国時代
    今の九州大分県にあった大友氏のお家騒動「大友二階崩れの変」がタイトルなんだけど
    話の軸になるのはそんな大友家家臣 吉弘家。
    大友家の今後の家督は正室の子か
    それとも側室の子かで真っ二つに意見が割れて
    側室派の中心人物が大友館(まさにここで言う大友二階)で
    殺害されるというまぁなかなか、おっかない事件。
    でもこの大友二階崩れの変がなかったら後の大友宗麟はいなかったわけだし…
    にしてもよ。
    大友様第一主義!で、義に生きたお兄さん鑑理と
    愛する者のためなら!で、愛に生きた弟の鑑広がなんだか切ない。
    この時代親兄弟子殺しが多い中で仲が悪いわけではないのに
    違う意見だから割れちゃうのもわか

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    2018年04月27日
  • 碧血の碑

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    恥ずかしながら、碧血碑というものがあることを初めて知った。
    歴史の敗者であるというだけで、葬られることもなく打ち捨てられた多くの遺体を大切に葬り碑まで立てた侠客がいたというだけでドラマになりそうだが、そこを敢えてエピローグとしてサラっと語っているところに味がある。

    沖田総司、橋本佐内、和宮親子女王、フランソワ・レオンス・ヴェルニーという4人の物語。
    歴史の敗者として退場した者もいれば、自身の運命と向き合い闘った者もいて、最後は日本の近代化に力を注いでくれた外国人の話で少し明るくなり、いろんな感情が湧いてくる読書となった。

    歴史にイフがないのは前提として、もし橋本佐内や小栗上野介のような有能

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    2025年10月01日
  • 碧血の碑

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    沖田総司、橋本左内、和宮......どの作品も読み応え十分。赤神さんは心理描写が上手で、登場人物と共に何度涙したことか涙

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    2025年05月13日
  • 仁王の本願

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    赤神諒さんの作品では、「大友の聖将」でも、自分の信じる「真理」に殉じて生涯を全うする人間を描いていて、感動したけれど、この作品にも、同様の世界が描かれている。この主人公が実在したかどうか?は、どうでもいい!こんな人がいて欲しい、と心から思った。

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    2025年04月16日
  • 誾(ぎん)

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    戦乱の世に存在した女城主 立花誾千代
    戦に出て命を懸けることを許されず、
    子供を授かり命を繋ぐことができなかった
    自分らしく生きることが許されない(理解されない)時代の中で「性」と「愛」に葛藤しながら、鮮烈に咲き誇る姿に胸が締め付けられた

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    2025年03月15日
  • 碧血の碑

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    明治時代は篤姫をテレビで観たぐらいの知識しかなかったが名前の知らない武士の生き様やイギリスから技師を呼んで製鉄所をゼロからつくり、人知れず苦労を見せなかった侍など短編ではあるが同じ年月を違う場所で活躍した人たちの生き様、興味無かった明治時代を引き込まれる背景で読むのをやめようとは思わない話だった。
    沖田総司の恋の話に篤姫や宮様の確執から徳川の名を残す結託までの話も短編じゃなく長編で読みたかった。

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    2025年01月30日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    鎌倉時代の鎌倉をテーマにして鶴岡八幡宮や銭洗弁天など場所に纏わる短編集。
    鎌倉はよく行っていたので全ての場所が分かって面白かった。しかし源頼朝は好きになれない。

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    2024年09月16日