赤神諒のレビュー一覧
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ネタバレ予約本借りに行ったついでに新刊コーナーから適当に選んだ一冊でした。偶然の出会いは大切です。こんな良本を引き当てるんですからね!
さて、登場人物を見ると実際の人物で、実は妖怪本「耳袋」の著者でもあると知って驚きで、話の後半にその件も書かれていて二度びっくりでした。
浅間山の噴火による被害で村ごと飲まれ人も村も失われたそんなところを再建しようとする公人の奇特さともいえる人情が読んでいて心が熱くなった。ばらばらになった被災者同士で新たな家族づくりという提案には驚きだったが、一人ひとりの立ち直りの様を夢中で読み、ずーっと心を閉ざした人物が最後殻を割った瞬間はじわっと来た。損得なく支援に乗り出す市民、そ -
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誾千代という女武将がいたことを初めて知った。
戦乱の世で、生を受けた美しい女子が、
武士として戦いたいという、「男勝り」で成長し、
体は女でありながら、心が男であることに苦悩する。
「虎女」を検索すると、虎御前が出てきて、
「鶴男」は出てこないので、著者の造語?
現代の性的少数者の問題を歴史小説の中に入れることは、
とても斬新に感じた。
戦乱の世の、武器としての女性の生き方を、
とても細かく描写されていて、胸が痛かった。
道雪の武将として、一国の主として、誾千代の父親としての思いが感動的。
幼馴染であり、夫の統虎も、武将として、人として素晴らしい人物に描かれている。
史実では子供がい -
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スペイン戦争の時代の話がメイン。アメリカ人義勇兵のリックが魅力的すぎる。
老若男女、いろいろな人物が彼の考え方や生き様、戦術の手腕に惚れるのだけど、戦争によってその関係が続かないものもあり、突然別れが訪れたりもする。その別れの描写が様々で読めば必ず泣くとわかっているのに定期的に読みたくなる。というかリックに会いたくなる。
好きなシーン
1.ゲルダが初めてブランカに会う時のリック
2.ラモンが馬に乗れないのに馬を使うリックの作戦に何も言わずに従ったミゲルの「初めての規律違反」
3.2.で離ればなれになったが、ブランカが特大のプレゼントがあると言ってミゲルが酒場に帰って来た時のリック -
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大分に関わりのある方からの推薦本。「大友二階崩れ」に改題する前の「義と愛と」というタイトルが本書のストレートなテーマです。戦国時代の国東半島周辺を舞台に大友家の家臣の吉弘鑑理・鑑広兄弟を主人公にして、権謀術数渦巻く時代に「義の人」であろうとした兄と「愛の人」であろうとした弟の生き方の葛藤を描いています。でも「義か愛か」ではなく「義と愛と」という書名であることに作者の狙いはあり、それがエンディングに向かって加速度上げて展開していく筆力に巻き込まれた気がします。いま、「愛」は盛んに語られますが、「義」については意識されない時代だからこそ、「義」ある「愛」を訴える本書が現代に訴えるメッセージ持ってい
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時は戦国時代
今の九州大分県にあった大友氏のお家騒動「大友二階崩れの変」がタイトルなんだけど
話の軸になるのはそんな大友家家臣 吉弘家。
大友家の今後の家督は正室の子か
それとも側室の子かで真っ二つに意見が割れて
側室派の中心人物が大友館(まさにここで言う大友二階)で
殺害されるというまぁなかなか、おっかない事件。
でもこの大友二階崩れの変がなかったら後の大友宗麟はいなかったわけだし…
にしてもよ。
大友様第一主義!で、義に生きたお兄さん鑑理と
愛する者のためなら!で、愛に生きた弟の鑑広がなんだか切ない。
この時代親兄弟子殺しが多い中で仲が悪いわけではないのに
違う意見だから割れちゃうのもわか -
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恥ずかしながら、碧血碑というものがあることを初めて知った。
歴史の敗者であるというだけで、葬られることもなく打ち捨てられた多くの遺体を大切に葬り碑まで立てた侠客がいたというだけでドラマになりそうだが、そこを敢えてエピローグとしてサラっと語っているところに味がある。
沖田総司、橋本佐内、和宮親子女王、フランソワ・レオンス・ヴェルニーという4人の物語。
歴史の敗者として退場した者もいれば、自身の運命と向き合い闘った者もいて、最後は日本の近代化に力を注いでくれた外国人の話で少し明るくなり、いろんな感情が湧いてくる読書となった。
歴史にイフがないのは前提として、もし橋本佐内や小栗上野介のような有能 -