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Posted by ブクログ
いわゆる「分身の術」の分身が意識を持ち始めるという話。そこにそれぞれの「物語」が生まれてくる。
伏線や人物の設定、話の展開も面白く、違和感なく展開・回収されていく。
読みながら感じたのは、人は自らの経験や思考パターンなどから、己自信を縛ってしまっているのではないかということ。本作の中で言えば、「過去」や「自分は影だから」という思い。それはそのまま自分自身にも当てはまる。未来はこれから自分次第でどれだけでも変えられるのに。
前向きに、希望を持って生きていこうと思わせてくれた一冊であった。
前作までは面白かったんだがなあ
半ばほどで読み進めるのが苦痛になってしまいました。このサカリのついた忍者たちはなんなの。非情な忍びの世界にあって、命を賭したお役目の最中でさえ愛だの恋だの緊迫感のかけらもありません。バックグラウンドとして挟まる史実パートが唯一の救いです。こっから面白くなるのかなあ。
読了後
ちょっと思い違いをしていました。この作品は忍者を題材にした歴史小説(もしくは時代小説)ではなくて、歴史エンターテイメント小説です。ちょっとピンとこない年代にわかりやすく言うと、山田風太郎から脈々と受け継がれる忍者小説の流れで、いわゆる「伝奇小説」にあたります。突飛なしかけが沢山あって、構えていないと面食らうことになりますが、小説としての出来は悪くありません。