三宅香帆のレビュー一覧
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ネタバレ題名に惹かれるものがありますよね。
そして口語調で読みやすい。
ただ、使う技術は『比較』『抽象』『発見』『流行』『不易』と言った、自分としては目新しいものではないと感じた。
しかし本書の良い点は、様々な具体例を出してくれること。そしてその例が、難しくない。これくらいの批評なら自分もできそうだと思わせてくれる。(自分でやろうとすると難しいのだが)
個人的に、話がおもしろい人って、ある事象に対して自分の言葉を使って、自分の体験を織り交ぜて話す人だと思う。
それは、この5つの技術に近しいものを無意識に使って、言語化しているんじゃないかと思った。
あとは、誰かにこれを話したい!という欲求。
あとがきに -
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読書で得た知識や感動を上手にアウトプットしたいと思い購入。最近、本を読んでないせいか頭が正常に働いていないと感じたので、読書脳を作りたかった。
1章で読んだ本のアウトプット方法について説明し、そのあとは「こうするといいよ」というように、noteに掲載した著者の批評が掲載されている。
「これはハウツー本ではなくて、著者のこれまでの批評のまとめ本なのでは? 著者の提案する鑑賞ノートのつけ方を詳しく知りいのだが…?」
と、困惑した。しかし、著者の批評が面白くて、のめり込む。
本書はタイトルの件については、詳しく教えてくれない。これを「実際の文章から学べということか」として自分の技術として取り -
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考察する令和の若者たち
巷では考察動画がYouTube等で流行っており、考察動画から売れ行きが良くなった映画、ドラマもあるぐらいだ。考察と批評は違っており、簡単にいうと考察は作者側の意図の答え合わせ、批評は個人の主観が入り込んだ意見となる。かつては小林秀雄ら有名な批評家がおり、鑑賞側も自由に批評できたが、いつの間にか考察による答えにいかに速く正しく辿り着くかを鑑賞側も追い求めている。それでいうと自身もフィルマークス等のアプリで作品感想は載せるが、昔は〇〇かわいい!等のくだらない感想を正直に書いていたのが、最近は作者は〇〇を言いたいのではないかなどと一丁前に書くことも増えている。
この現象は -
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考察する若者たち
令和時代の正解を欲しがる若者たち。
界隈に属する私に、最適化されたコンテンツをお勧めしてくれるプラットホーム。そんなコンテンツたちと他人が出す考察を見て、わかった気になる。気づいたら何時間も過ぎている。失敗や恥や後悔が怖くて、報われるキャラクターになる自分。とても身に覚えがある。
三宅さんは世代が近いため、平成〜令和時代のヒットコンテンツを通じた批評は身近に感じ、懐かしくも面白くも読ませていただいた。
自分の事はいちばん自分が知っていて、新しい自分を見つけるのも自分。他人(プラットホーム)に分かるわけがない。「報われ消費」で生きて行かないように、自分の感想を持って生きて -
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読書をするとその感想を一言記録をするようにしているが、それがなかなか難しい。「すごかった」「よかった」としか表現できなくて、なぜほかの人たちはあんなにも内容のある素晴らしい感想や評価を書くことができるのだろうかと思っていた。今回この本のタイトルを見て、私にこそ必要なことが書かれた本だと思った。この本は推しをネット上で進めるためのノウハウを意識して書かれているが、映画や読書の感想を書くのにも通じることが書かれていた。それをするための具体的な方法は、まず ①細分化して具体的に気になった点を列挙し ②それぞれに対する感情を言語化し ③それをメモする ということだった。確かに細分化して言語化するとい
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ネタバレ読むのにも技術がいることはなんとなく似たような本を読んで知っていたが、具体的にどんな技術がいるのかはわからなかった。しかし、これを読めばわかる。
ただ読む技術であって、話が上手くなる技術ではなかった。
自分が大事だと思ったのは、結局なぜ作家はこの文章を書いたのかということを想像して理解しようとすることだと思った。登場人物はなぜそんな行動をとったのか、逆になぜしなかったのか。
それを他作品と比べたり、時代背景を含めて考える。テーマは何なのか考える。
自分の心に刺さった物語や台詞はきっと自分らしさを明らかにする部分であると思う。そこを深掘りすれば、きっと自分にしか書けない感想も出てくるんじゃないか -
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推しが「好き」という感情の捉え方、言葉での表現の仕方について書かれた一冊。好きなものが分からない、流行ってるから好きという傾向がある方に、是非手に取って欲しいと思った。
【感想】
専門用語は登場せず、分かりやすい言葉を使ってくれている。
便利な言葉(本文でいうクリシェ)に頼りすぎないことは同意。私も普段「すごい」は使わないようにしてる。その三文字では相手に伝えたいことの半分すら伝わっていないと思うから。
感想の生み出し方として、感情の核を見つけるために、思ったことを深く掘り下げていく手法を紹介している。掘り下げの思考が、トヨタのなぜなぜ分析と似ていると思った。
ネガティブ・ケイパビリ