三宅香帆のレビュー一覧
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『ただ楽しい、面白い、おいしい、という感情だけでは無駄に感じてしまう』(p8)
「ここは今から倫理です。」を思い出した。なんらかの実感が欲しいという人や単純な感情だけでは無駄だと感じてしまう人たちがいるのはタイパコスパの現代だと当然の結果だと言えるのかもしれない
第2章にある、萌えと推しの話に心当たりがありすぎて…
一瞬の感情の噴出を「萌え」、継続的な行動の対象を「推し」と言うのなら、自分の推しだと思っていたものたちがほとんど萌えだったことに気づいた。だからその後の好きが続かなかったのか〜と一人で納得。
“熱しやすく冷めやすい”と思っている人の中にも私みたいにこの2つが混同している人が多いと -
Posted by ブクログ
前作「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」は私個人の感想は世間の評判とは随分と異なり、論点が上手く掴めなかった。本作は書籍のタイトルと内容のギャップがあまりにも大きく、著者に対してではなく、出版社の責任を大いに感じた。
縮小が続く出版業界において流行作家を利用したある程度の商業主義は已むを得ないとしても、連載コラムの寄せ集めにあとがきの作者コメントを切り抜いて付したタイトルはあまりに杜撰で読者を裏切る行為にも思える。
多くのベストセラー作品の引用と要約があり、巻末に一覧が付されていることで、新しい読書の機会が創出される可能性を引き出したことが唯一の救い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ労働と読書の変遷を両者の相互関係を俯瞰しながら追った現代史、と言えばいいのかな。最終的に半身社会をどう実現していくか、という論理展開。労働と読書が度移り変わっていくか、という変遷については大変面白く読んだ。
半身社会はよく分からなかったのが率直なところ。“半身”で“全身”分(普通に生きていける分)の稼ぎの実現がもっともハードルが高かったりするわけで。そんなこと言ったら元も子もないのだけれど。
一番面白かったのは『ファスト教養』において、レジー氏と田端信太郎氏の考え方の違いを取り上げ、どちらかというと田端氏の論調に共感を示していたこと。そっちなんだ!という。やはり思想の根底にあるのは新自由主 -
Posted by ブクログ
古典文学については中高の歴史の授業で、タイトルと著者を試験のために覚えた程度。
実際の内容や著者の人生、背景については知らないことが多く、楽しく読めました。
・方丈記ってタワマン文学だったのか…
・徒然草のくだらなさ/オチのなさ、逆に令和で受け入れられそう
・和歌の流れと芭蕉の俳句の新しさ、井原西鶴との対比
・本居宣長が作った古典への読み方の態度
本書で一貫して書かれているのは、文学においても、イノベーションはその時勢、伝統を捉えつつ新しい試みをする人達によって生み出されているということ。だからこそ晩年や没後に評価される人もいる。
三宅さんは「怒られ」の歴史と書いているのも、ズバリその通り -