松浦弥太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「働くこと」に関するエッセイ集。
素朴で素直な文体で綴られる。
著者の来歴自体がユニークなので仕事観を語っているエッセイも勿論面白い(「センスだけでここまでやってきた」というのはある意味凄くイヤミだが)が、やっぱりこの本で一番面白いのはP.149からの町歩き・古書巡りの部分。
旅先ではあまりあっちこっち観光に行かず、その町をじっくり歩きまわることに幸せを感じる俺としては、著者の町の歩き方はとても共感できる。
その上、古本屋を巡るのが趣味(仕事?)ときているんだから、読んでいて面白くないわけがない。
旅好きで本好きなら、この本はそのエッセイの部分だけでも読んで損はない。 -
Posted by ブクログ
@yonda4
古書店「カウブックス」を創り、「暮しの手帖」の編集長も勤める著者のお話。
高校を中退し、単身渡米。路上でビジュアルブックのページを切り取り販売するところから始まった。
「自由に生きる」ことはのべつまくなしに自由ということではない。
自分の中で「大切なものは何か」を決め、それを軸に生きること。
本書の中で一番好きなところは「自分(著者)がいなくなっても、本屋が続いていくようにしたい」というところ。
100年後に自分が創った本屋が続いていたら、と想像するだけでもたのしくなってくる。輪廻転生が本当にあるならば、自分が立ち上げた本屋で、本を買ってみたい。
というわけで -
Posted by ブクログ
◯本の紹介
暮らしの手帖編集長の松浦さんの本。
松浦さんの物事に対する姿勢が好きなのです。
◯読書メモ
p83「優しさの交歓は旅の真骨頂である」
p148「世の中には食事だけでなく、あらゆるものに対して中途半端なものが多すぎると思う。」
p209「一つわかったことは、答えを見つけようとせず、大切なのは、ひとすら楽しく歩くこと。」
p249「こうでなくてはいけないという枠に収まらなくても、純水であれば生きている価値がある」
◯考えたこと
松浦さんの様々な著書からは、生きる中でいかに小さなことを楽しむか、工夫できるかということを言っている。
このエッセイでは、松浦さん自身がどのようにそういった -
Posted by ブクログ
ネタバレ1965年生まれ。彼の方が少し若いけど世代はほぼ同じ。
不自由だったけど、手つかずの部分が世の中にはいっぱいあって、自分の好きなことを職業として開拓していくには楽しい時期だったかもしれない。こういった成功本を読むと触発されるなぁ。
本が大好きで、自分の感性で集めた本を理解してくれる人に売る。
贅沢な仕事です。若さゆえにできることはいっぱいあったでしょう。
年とって、経験とまとまったお金がある状態だからこそできる仕事もあるのではないか・・・・なーんて、また夢をみさせてもらいました。
影響を受けて「女子の古本屋」と「本屋さんに行きたい」という本を購入しました。彼が若い頃に読んだ「就職しないで生きる -
Posted by ブクログ
寝る前に少しずつ読むのにぴったりな感じのエッセイ。サンフランシスコに行きたくなる。なんというか、善人のかたまり?みたいな、品がよくてまっすぐな感じ。心がきれいそうというか。最後のほうにあった、文章を書いていくことに対する気持ち、みたいなものになんだか感動めいたものも感じた。なんとなく、村上春樹のエッセイや片岡義男っぽい感じもする。似てるといわれている植草甚一は読んだことないのでわからないけど。個人的に、昔からどうもビートジェネレーションというものがいまひとつぴんとこないので、本の趣味は合うとはいえないのかも。カウブックスは今までに二度ほど行ったけれども、なにも買わなかった記憶があります。でもま
-
Posted by ブクログ
99年ごろの、お洒落&カルチャー系雑誌に寄せたエッセイをまとめたもの。
本屋で自分を表現したり人に何かを伝えたりしてるってのは、わたしにとってのソイポケみたいだなあ、と心にぐっときた。自分の好きなもので社会とつながることができれば最高なわけだ。
本業失格ってのは???で、この人の本業って何?暮らしの手帖編集長? それよりも古本に夢中なのが本業失格ってワケ?
沼田元気さんのあとがきも面白かった。二人は小学校時代の同級生なのだそうで。松浦さんはアメリカに、沼田さんはヨーロッパに傾倒していって、仲が悪くなっちゃった、ってお話。でも今はあとがきなんて書いてるんだから、お互いを認められるようになったのだ -
Posted by ブクログ
まったく知らない著者でした。
随筆とあったからいかにもな随筆っぽいのをイメージしていたらかなり違った。あか抜けててロマンチックで知的で詩的で意識高い系でコミュ強。ほどよくスノッブなところがチャームポイントか。そこらへんちょっと村上春樹っぽい。あるいは芸風は違うけど今風の『なんとなく、クリスタル』。あとこの著者のセンスは民藝運動に近いのかもしれないとも思ってたら河井寛次郎さんの話も出てきた。
志高く独自の美意識、一冊前に読んだ『キャンティ物語』の伝説のイタリアン・レストラン〈キャンティ〉に出入りしててもおかしくない人やとも思った。
こういう人物を前にするとぼくなんかはついつい「生きててすんまへん -
Posted by ブクログ
松浦弥太郎さんは、『100の基本』がまず大好きで。日々を人間らしく、ていねいに暮らすのだという姿勢はもちろん、それをやわらかく、わかりやすく発信し続けているところが好きです。
古き良き日本人のいいところが考え方のベースになっているのだとは思うのですけど、だからといって新しいことにもちゃんと興味も持たれているし、柔軟に取り入れているようにも思えるからすばらしい。
実はちょっと考え方の合わないなと思うこともあるのですけど、それもまた自分への気づきのきっかけになったりして、無駄なお話がひとつもないんです。
時をおいて、定期的に何度も繰り返して読みたくなるような、そんなエッセイでした。