あらすじ
サンフランシスコのアパートで恋人と過ごした土曜日の午後。ニューヨークの老舗古書店で大切なことを教わった日。18歳のときに初めてアメリカを旅してからずっと、いくつもの出会いと、かけがえのない日々をくれた場所はいつも「旅先」だった。『暮しの手帖』編集長の著者が、自身の旅について飾らない言葉でひとつひとつ綴った自伝的エッセイ集。軽やかな心で明日から旅に出たくなるような一冊。
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Posted by ブクログ
元々映画を先に見てエッセイも読んでみようと思いました。映画の雰囲気も大好きなので、おすすめです。
旅先のできごとは時に、小説よりもドラマチックなことが起きる。人と人との交流や物語はこんなに素敵な物語を生むのだなぁとわくわくしながら1話ずつ読みました。ずっとこれからも読み続けていたい話が多くて、旅のお供になる素敵な本に出会えました。
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旅先での邂逅や出来事についてのエッセイ。筆者が活動していたバークレーやサンフランシスコの話が多く、自分もベイエリアに住んでいたことがあったので懐かしく感じた。
特に印象に残ったエッセイは「母のこと」と「テキサスでの再開」。子の決断を尊重しても子のことが心配で気遣う母の姿、二十年越しの三角関係には心を打たれた。
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海外に旅に行けない現在、いつでも旅に連れて行ってくれるような、刺激的でほろ苦さの混じった本でした。
「世界いち美しい道」で松浦さんが山で感じた感覚は凄く響くものがあった。他にも「フレッドさんの教え」での人との出会いとあたたかさなど、実際に行動して旅しなければ出会わなかった、変えようのない人生の宝物であろう。
一人海外の旅への渇望が促進される一冊!
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この本に出会って、本当に良かった。それに尽きる。ニューヨーク、ロンドン、パリ、マルセイユ。松浦さんが旅を通して感じたこと、出会った人々について赤裸々に語っていて、「次旅に出た時はこうしてみよう」と、旅の楽しみ方、人生の楽しみ方を教えられた気がする。一昨年までニューヨークにいたことから、ニューヨークでの話は特に情景を思い浮かべて物語を楽しむことができた。
「何かをたくさん持っていることは、なるほど素敵だ。しかし、その持っているものを理解していなければ、持っているとはいえないだろう。」
「旅とは、自分自身を見つめる精神的行為であり、自分自身へと立ち返る行動である。要するに、独りになり、自分を取り戻すことが、旅の真意なのだ。」
日々の生活の中で、自分を見失っている今、改めてこの本を手に取ってよかった。そして一刻も早く旅に出たいと言う気持ちが抑えられないでいる。
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今まさに旅をしているかのような、あるいはかつての旅をまざまざと思い出しているような今とかことが混じり合った不思議な感じのエッセイでした。
今すぐにでも旅に出たくなります。
旅をして人と出会う、難しいことですがとても刺激的。私もこんな風に、その土地に馴染むように旅することができますように。
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自叙伝のはずなのに、どこかファンタジーの香りもして、不思議な一冊。
弥太郎さんのことばは優しい感じがして、ゆるくトリップ出来て心地良い。
一人称感が強いし、私小説、てかんじがするけど、情景が浮かびながら、ぐっとひきこまれていく。初めてロバートハリスの小説を読んだときの感覚に似ているなぁ。もっと穏やかだけど。
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旅をする人は、文章がうまい。
いくつもの素敵なエッセイが読める。装丁も読む前は、素敵な写真だなっと思うのだが、これは著者にとって哀しい思い出の一つであることが最後の最後にわかる。文庫本で装丁を気に入ることはあまりないけれども、これは装丁「も」とても好き。
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リーバイスの501をアメリカで大量に仕入れて、日本の古着屋に売って大儲け! この話はとってもわくわくした。
松浦弥太郎さんの生き様がすご過ぎて、フィクションのように思うが、ほんとにノンフィクション!
どきどき、わくわくする一冊◎
Posted by ブクログ
『なんて面白い本なんだろう!』
この本を読んでいると筆者が旅の中で出会った人々や
場面が頭のなかにうかんでくる。
ほんとうにおもしろい本っていうのは
中から飛び出て動き出すんだよね。
ヘタな小説よりもひとつひとつのエピソードが濃くて面白い。
松浦弥太郎の本は初めてなんだけど、男性の物書きで最も好きな
ロバートハリスを少し思いだした。
2012年の後半の読書は松浦弥太郎になりそうだ。
Posted by ブクログ
旅の本が好きだ。行ったことがある街でもない街でもその空気を感じ、実際にその場にいるような気分になれる。ましてや角田光代さんや松浦さんのようにエピソードをたっぷりもっている人の旅行記は楽しい。文章もうまいのでグイグイ惹かれていく。この本は「ブルータス」や「クウネル」に掲載されたショートストーリーなので断片しか書かれていないけれど、それから彼女はどうなったの‥など続きを読みたくなる章もある。
松浦さんが古本屋を始めるきっかけとなったリーバイス501を巡る冒険はワクワクしたし、特に好きなのは「ショウエンバーグ・ギターズ」というサンフランシスコの小さな町にあるギター屋さんを訪れた時の話。その店のオーナーは知る人ぞ知るカリスマギタリスト。その場にいた本人に、ギターをひくなら何か弾いてみろと言われ、恐る恐るビートルズの「ブラックバード」を弾いてみた。その演奏を褒めてくれたうえに「よし、君に『ブラックバード』を教えてあげよう」と1時間みっちりとアレンジを教えてくれるという贅沢な時間を過ごした。オリジナルギターを買いたくなり、一際目立つ逸品を指差し購入する旨を伝えたが、「いいギターではあるけれど、君には勧められない」と言われた。まだお前には早いということか。「今度はいつ来るんだい。その時までに『ブラックバード』をマスターしておくんだよ。来る前に必ず電話してくれ」‥それから一年後、「ショウエンバーグ・ギターズ」を訪れた松浦氏は一本の素晴らしいギターを手にしていた。‥ええ話やー。
人生は、その人が関わる人たちによって決まっていくのだとつくづく感じる一冊だ。
Posted by ブクログ
松浦弥太郎さんの人生訓や生活の心得みたいな本を読んできたから、この本は大きく期待を裏切ってくれた。
若さに満ち溢れ、外国でも颯爽と生き抜く姿があった。彼女との出会い、別れ、憧れ、珍事件。羨望を感じるほどアクティブで勇猛果敢。
ヴィンテージジーンズを安く買い付ける話、古本屋仲間に助けられる話、彼女が車の中で音楽を聴かず、口笛でグレン・グールドのバッハを響かせる話。
ひとつひとつが面白い。
圧巻は山歩きに挑戦する話。
私も富士山で高山病になり動けなくなった。
山はまさに自分との闘い。気弱になったら終わり。楽しむすべを自分で見出すしかない。
風景と高山植物と仲間が癒してくれたけど。
無鉄砲時代の弥太郎さんも
魅力的!
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─旅することは友達を増やすこと。
私の心に響いたことば。
松浦さんが出会った人、自然、場所のあたたかさが繊細でな言葉で綴られていて、自分も同じ経験をしたような気持ちになった。
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松浦弥太郎(1965年~)は、書籍商、エッセイスト。2002年に中目黒にオープンした古書ブックストアCOW BOOKSの代表。2006~2015年に「暮しの手帖」の編集長を務め、現在はcookpadの「くらしのきほん」の編集長。
本書は、2009年に発行された単行本に、「BRUTUS」、マガジンハウスのライフスタイル誌「Ku:nel(クウネル)」に掲載された作品を加え、2011年に文庫化されたエッセイ集である。
本書に登場する場所は、サンフランシスコ(バークレー)、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドン、コートダジュール。。。そこは確かに「旅先」とも言えるのだが、それは一般に考える「旅」ではなく、「暮らし」が存在する場所である。旅のスタイルとして、単に「観光地を巡る」旅ではなく、「暮らすような」旅の人気が高まって久しいが、松浦氏は、1980年代に高校を中退してから、日本と海外を行き来して暮らすような旅をしながら、多くの人と接し、多様な体験をしてきている。その一部をまとめたものが本書であるが、ひとつひとつのエッセイは、まるで映画のワンシーンや短編小説のようで、実に印象的である。
私は、松浦氏をCOW BOOKSの店主として知ったこともあり、また、ニューヨークに行った際に同地の老舗・ストランド書店(本好きには大変有名な書店である)を覗いたこともあり、松浦氏がひょんな事件からストランド書店のオーナーに出会い、本屋になった経緯を描いた数篇は実に興味深かった。また、こうした人生を送ってきた松浦氏のセレクトだからこそ、COW BOOKSにはあのような本が並んでいるのだと合点がいった。
私は今回、出張で欧州のいくつかの街を回る飛行機の中で読もうと、本書を買って行ったのだが(海外の地域内の短距離フライトはモニターもなく、とにかく暇なのだ)、おかげで、次に訪れる街で何かドラマティックな出来事が待っているような気分になり、いつになく快適な移動をすることができた。(実際にはそんな出来事は起こらなかったのだが。。。)
これぞ松浦弥太郎の世界といえる、エッセイ集である。
(2019年12月了)
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松浦弥太郎さんが、北海道東川町につい最近お越しになりました。
それから、まわりじゃちょっぴり弥太郎さんフィーバー!
わたしも久しぶりに一冊セレクト from D & Department!
弥太郎さん、モテモテだな。
いつもとブレず、孤独と上手に向き合われてる。
自分を律して律して律する、弥太郎さん。
でも今回は、なかなかな等身大っぷりでした^^
モテモテです。
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松浦氏の自叙伝的旅エッセイ。
18歳から海外に飛び出してから、お金を稼いでは旅に出るという日々の中で培われた思想と精神。
氏の旅は、「とにかく人と出会うこと」に重きをおいてのそれゆえか、どの旅も興味深く、読んでいるこちらまで旅に出て誰かと出会ったような、また、次の旅では誰かと出会いたいと思わされるものだった。
特に胸に残ったのは文庫p.148 l.3~7
「世の中には食事だけでなく、あらゆるものに対して中途半端なものが多すぎると思う。僕は最低の中から最低をみつけたい。もしくは最高をもって最低を知りたい。それはもちろん衣食住すべてにおいてである。中流意識が高い世の中と言われているが、自分が中流であると思うことほど、不幸な人生はないとわからないのが不思議である。」
耳が痛い。そこから出たくても、この環境に納得している素振りで過ごしている身としては。
以下、勝手な私感です。
ただ、、、こんなこと言ってはいけないとわかっているけど・・・(笑)
松浦氏の容貌や思っていた感じと、内容が私の中ではなかなかなじまない。
私が知った氏はすでに『暮らしの手帖』の編集長だったし、目にする近影も朴訥そうで、穏やかそうで、ちょっとぽっちゃりめで、彼が進める暮らしの道具は男性のそれというよりも女性目線にウケがよさそうなものばかりでフェミニンなイメージ。
反して、書かれていることはアウトローで女性関係も割と激しめ…。
現在、ご結婚もされて娘さんもいるということなのだけど、、、果たしてこういう形で自分の夫なり父親なりの過去をここまであけすけに知りたいだろうか・・・と思ってしまったYO。
たとえば作家だったり、俳優だったりしたらまた受け止め方は変わってくるんだけど。。。まぁ、これは私感デス^^;
Posted by ブクログ
表紙の女性、何となく気がかりだったのだけど、本の最後の方で謎が解き明かされる。それもやはり、旅先での出来事。心地よい余韻が残るエッセイ集だった。
著者は自分と同い年なんだけど、この本を読みながら、自分はその頃どうだったか、重ね合わせながら読んだ。
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【松浦弥太郎の日常は、旅にある。】
19歳で渡米後、西海岸、東海岸、フランスやイギリス各地での話。普通グルメや観光に終始してしまうところを、著者はコミュニケーション取るのがすごく上手だから(というかモテすぎ。。。)色んな人とのエピソードが出てきておもしろい。
だからと言って観光話もちゃんとあって、そのバランスや語り口がほんといい。旅好きにはおすすめ!
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◯本の紹介
暮らしの手帖編集長の松浦さんの本。
松浦さんの物事に対する姿勢が好きなのです。
◯読書メモ
p83「優しさの交歓は旅の真骨頂である」
p148「世の中には食事だけでなく、あらゆるものに対して中途半端なものが多すぎると思う。」
p209「一つわかったことは、答えを見つけようとせず、大切なのは、ひとすら楽しく歩くこと。」
p249「こうでなくてはいけないという枠に収まらなくても、純水であれば生きている価値がある」
◯考えたこと
松浦さんの様々な著書からは、生きる中でいかに小さなことを楽しむか、工夫できるかということを言っている。
このエッセイでは、松浦さん自身がどのようにそういったことに取り組んでいるかを伺い知ることができる。
松浦さんは旅で沢山の心の交流をしている。私を含め、日本人はそれが苦手な人が多いと思う。
しかしそれは旅に限った話ではない。
日々の生活、さらには人生においても同じことだ。
そんな松浦さんの考えに、わたしはとても共感します。
読んだら旅に出たくなること必至です。
Posted by ブクログ
大層お洒落な。そして誰もが夢見る旅の理想型ってこんなのでしょうね。現地の人との心温まる交流、美味しい食事、人に語れる武勇伝、思ってもいなかった一獲千金、旅先の異性との甘くてほろ苦い思い出…。完璧すぎて全部実話か疑っちゃうんですが、まぁ言っちゃえばどちらでもいいのかなと。どちらにしても面白かったし旅への夢を掻き立ててくれたし。
「月日は百代の過客にして 行き交う年もまた旅人なり」って松尾芭蕉の文章を思いだした。人生旅ですね。ニューヨークの古書店行ってみたい。
Posted by ブクログ
松浦弥太郎という人を知りたくて読んだ本。
予想に反して、人の出会い、青春の旅がメインだからか特に恋愛が多くて意外だった。
前半の旅の日常を切り取ったようなエッセイはきれいで、こういう書きかたがあるのだと教わる。後半は物語仕立てのエッセイとなっており、海外でチャンスを掴みたい人には憧れのエピソードだろう。
あとがきでも、松浦さんの人柄を知る一面が書かれてあるので読んで損はなし。
若い人にオススメしたい一冊。