福島正実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレSFミステリとはどんなものか…と思って読み進みてみたら止まらなくなった。
人口がどんどん増えて宇宙植民地化する→結果、地球が置いてけぼりになって対立構造化して…というのは設定としてあるパターンだと思うが、ロボット=人工知能に仕事を取られることへの忌避・抵抗といった要素は現代にも通じるものが多い。実際、JTCの中にいる身としてはこういう抵抗反応をする人を目の当たりにしたこともある。
科学解説者という側面もあるアシモフは、こういう奴になるなよ!というメッセージを伝えようとしてくれたのか?とも思ってしまう。抵抗=過去讃美と新しいことの追記は紙一重なのだから、未来に目を向けようというのが主題と見えるが、わからせるのも難しいのだ。優れた小説家は優れた人間観察者であり描き手である。。
登場人物が少ない分、トリック的な要素は少ないかなぁと思いきや、古典的なミステリーとしては十分な読み応え。伏線が分かりやすく散りばめられているので、分かる人にはわかったのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ⚠️ネタバレ注意⚠️ ※ポアロシリーズ過去作のネタバレもあり
著者の得意とするこの手のテクニックにまた騙されちまった。むしろお前が見抜ける作品あるのかよと思われそうだが。もう流石に"この技"はないだろうと油断していた。悪く言えば過去作の使い回しであるが、それが連続すると見事に決まる。
今作はわざわざモノマネ女優までフェアに登場させているのだから、このトリックにも実現可能性が保証されているし、成功したかを電話で確認までしているのだからリスクが極めて低い。実際に○○○○○に気付いて殺された奴もいるわけだし。
トリックは見事◎で動機も前例なし◎(自分の読んだ中で)。ミスリードは本サイトのレビューを見ると引っかかってる人は少なめなので微妙か△ 最後の獄中からの手紙、自信に満ちた狡猾な犯人の造形もよし◯ -
Posted by ブクログ
ネタバレ数冊クリスティ小説を読んだもののどうにも世界観に入りこめず、今回は事前にドラマ版を少し視聴してから読んだら各登場人物像がイメージとして頭に入ったせいか面白かった。今後は同シリーズ抵抗なく読めそう。
離婚して別の男と結婚したい妻・ジェーンに対し、夫・エッジウェア卿は断固拒否する。ものまねタレント・カーロッタのショーを見に来ていたポアロに、口添え願えないかと夫人から依頼される。
いざ、ポアロが卿を伺ってみると、最初は拒否していたがあんな女仕方ないと思い直して承諾する旨の手紙を夫人宛に出して既に受け取っているはずだと卿。
呆気にとられながら夫人に報告しに行くと、そんな手紙は受け取っていないが、承諾してくれたのなら良かった!ポアロさんありがとうと、話は解決したがどこか引っかかるポアロ。
翌朝、卿は首を刺されて死亡。
卿の執事や秘書は、昨夜ジェーンが訪ねてきたというものの、ジェーンには確かなアリバイがあった。(パーティへの出席)
カーロッタを訪ねに行くと、ベロナール薬の過剰摂取により既に死亡していた。
〆が手紙で、自己顕示欲・自己愛の強さが強いのが面白く、すっきりした終わり方だった。
ポアロの仕返しも面白い。該当者じゃなくても気が気ではないだろう笑
「殺人狂でなければ、とおっしゃるのかな?ところがそうでない、実際にあることなのです。最初の殺人はーー犯人も、非常な、良心の呵責に苦しみます。発見される危険も、ある。だが、二度目の殺人は、精神的にはずっと楽になる。さて、それで嫌疑がかからないとすれば、犯人は今度は気軽に第三の殺人にとりかかるのです。そして、しだいしだいに、芸術家的な誇りが芽生えてくるーー殺人の方法に凝りだすーー最後には、ただ楽しみのためにさえ、人を殺すのです」p199 -
Posted by ブクログ
エルキュール•ポアロが自身に対して失敗を認めることは、ポアロシリーズの後半にはよくある事で、「私はなんて間抜けだったんだ!!」と反省しては真実に辿り着く事がある程度お約束の部分ではあるが、今作「エッジウェア卿の死」においては真相究明までに何度も誤った道筋を辿り、ようやく終盤にて真犯人を導き出すという状態である。冒頭、ヘイスティングスにより、ポアロはこの事件への関与を公表したくなかったと述べているが、珍しく名探偵が犯人に丸め込まれる一歩手前まで来ていた様な事件で、今作の犯人の秀逸さがみてとれる。
舞台女優とそれを取り巻く人達。大女優は夫と離婚したいが認められず、彼女は殺してしまいたいと周囲に吹聴しているが、食事の席でポアロを見つけ、うまいこと夫の考えを翻す協力を依頼する。ポアロ自身エッジウェア卿に興味もあり依頼を受け彼を訪ねるが、エッジウェア卿は既に離婚を認めており、書面を数ヶ月前に送ったという。
全く予想だにしない結末から、その後、エッジウェア卿が何者かに殺害されたとポアロの元に連絡が入り、捜査がスタートする。
クリスティ得意のトリック、人の入れ替えや手紙の謎が主な構成になっているが、いずれも趣向を凝らしており、一本調子では無く一つ、二つと撚りが聞いている。そもそもエッジウェア夫人が逮捕され、アリバイがあり容疑者から外れる一連から既に読者は欺かれており、相変わらずクリスティ作品は凄まじいと驚嘆してしまう。被害者については不幸な結果になっているが、真犯人については処刑に至るまでらしさを備えている。最後、犯人からの手紙があった事、自身の能力を過信している事(ここは職業柄、納得のいく部分ではある)等見事に描写している。
今回、ポアロは中々苦戦を強いられたが、探偵小説では事件か連続しなければ犯人を突き止められないのではと思う事がしばしばある。今作でも容疑者が逮捕されている状態から第三の殺人が起きてしまえば、明らかに犯人は別だという事になってしまい、綻びが出てしまうのだが、その方が作品としては面白いのだろう。いずれにしろ、やはりトリックは秀逸で思いもよらない犯人と結末だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「アガサ・クリスティ」の『エッジウェア卿の死』を読みました。
『親指のうずき』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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自宅で殺された「エッジウェア卿」の妻は、美貌の舞台女優「ジェーン・ウィルキンスン」だった。
彼女は夫との離婚を望んでおり、事件当夜屋敷で姿を目撃された有力な容疑者だった。
しかし、その時刻に彼女はある晩餐会に出席し、鉄壁のアリバイがあった… 数多の事件の中でももっとも手ごわい敵に立ち向かう名探偵「ポアロ」。
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久しぶりに読む名探偵「ポアロ」モノです。
1933年に発表された作品。
「ポアロ」の冴えた推理(本作では失敗もありますが… )や「ヘイスティングズ」のイライラするような言動は健在で、ある意味、安心感のある作品でしたね。
さてさて、物語の方ですが、、、
夫との離婚を望んでいた女優の「ジェーン・ウィルキンスン」は、離婚に応じない夫「エッジウェア卿」を説得してくれと「ポアロ」に依頼。
「ポアロ」は「ヘイスティングズ」とともに「エッジウェア卿」を訪ねるが、「エッジウェア卿」は離婚を承諾する手紙を6ヵ月前に発送したと言う… その後、「エッジウェア卿」が自宅で殺害されます。
離婚を望んでいた妻「ジェーン・ウィルキンスン」に容疑がかかりますが、彼女は殺害があった時間は晩餐会に出席しておりアリバイがはっきりしていたことから、容疑を免れます。
また、「エッジウェア卿」が離婚を承諾した手紙を発送していたが、「ジェーン・ウィルキンスン」が、その手紙を受け取っていないことが謎を深めて行きます。
その後、第二、第三の殺人が起こり、益々謎は深まるばかり… 怪しい人物ばかりで、読んでいると誰も彼も犯人なような気になってきますが、真犯人は意外かつ動機がはっきりした人物でしたね。
なかなか読み応えのある450ページでした。
作品中、「ポアロ」が「ヘイスティングズ」の稚拙な推理に対し、
「だめ、だめ、それじゃだめですよ。
あなたのやり方は、探偵小説を読むのに、登場する人物を、韻も拍子もなしに、片っ端から疑ってかかる読者の考え方です」
と窘めるシーンがあります。
読んでいると、まさに「ヘイスティングズ」と同じような状況に陥っていたので、耳が(目が?)痛い発言でしたね。
≪ちょっとネタバレ≫
最も疑わしい人物が真犯人だった… ってパターンでしたねぇ。
でも、鉄壁なアリバイや、本人の言動等から、その人は犯人じゃないとミスリードさせられちゃいました。
人物模写を得意とする女優「カーロッタ・アダムズ」が事件の鍵を握るのですが、、、
殺害があった夜、「カーロッタ・アダムズ」が「ジェーン・ウィルキンスン」に変装して「エッジウェア卿」を訪ねたものとばかり思っていましたが、
「エッジウェア卿」を訪ねたのは「ジェーン・ウィルキンスン」本人で、晩餐会に出席した「ジェーン・ウィルキンスン」が「カーロッタ・アダムズ」の変装だったとは… 本当に騙されましたね。
「カーロッタ・アダムズ」が妹に送った最後の手紙(一部が破り捨てられていた)や、「カーロッタ・アダムズ」が持っていた何者かの鼻眼鏡、「カーロッタ・アダムズ」が持っていた金の小箱等、小物が効果的に使われていたことも印象に残りました。