福島正実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
以下の問を、人類よりも発展した種族≒宇宙人の出現というストーリーの中で描きたかった本である。と読んで思った。
・人間というものは、何を希求して生きているのか?
・人類とはどんな世界を目指し、どんな道を選んできたのか?
・人類はどのような発展ないし進化、変化をとげていくのか?
目的意識、論理的発展、科学の発展という現代が希求していることの限界を感じた。
サイエンスフィクションでサイエンスの限界を描くというのはSF名著で共通して見られると思った。
「議論をやめて事実を集めるべきだ。それには行動が必要だ」
「これが人類のメタモルフォーゼの結果なのか。」
この言葉が心に残った -
Posted by ブクログ
「ロボットは人を殺さない」は絶対か?
アイザック・アシモフの代名詞とも言える「ロボット三原則」の問題を、退廃した「地球人」の住む「鋼鉄都市」で繰り広げる。
少し前に読んだ『はだかの太陽』は、この続編。
小説はパソコンも携帯もない時代に書かれた。今、経営者や企業コンサルタントは「効率は人を幸せにする」として、無人化やオンライン化を進める。
他方で「移民問題」などにある民族間の軋轢の根底には、「労働コストの効率化」などからくる経済的理由が潜んでいる。
アシモフはR・ダニールに「正義とは法」と言わせ、ベイリには「法の上には時として寛容がある」と言わせた。
地球人や宇宙人の問題は、他人事ではな -
Posted by ブクログ
ネタバレ人類が娯楽にふけり、遊生夢死していたときが「黄金世代」と称されていたのを恐ろしく感じた。小人閑居して不善を為すとはまさにこのこと。
人類そのものの存在理由や運命を問いかける作品。作品としては文句なしだが、私の性には合っていなかった。「すばらしき新世界」を読んだ時は著者の物事についての思想が語られていて終始学びのある読書だったが、本書ではストーリー重視といった所だろうか。ただ、これは単に個人の好みであると感じている。
本書では地球の運命の一切をオーバーロードに委ねられている状態である。人自身の手で作られたユートピアと人以外によって作られたユートピアという点で他のSFとの違いを見出すことができる -
Posted by ブクログ
ポアロシリーズ7作目。1933年の作品。
クリスティー文庫の表紙がビッグ・ベン。作中にビッグ・ベンは出てこないものの、劇場やサヴォイ・ホテルなどロンドンが舞台。
リージェント・ゲート、セント・ジェームズ・パーク、テムズ河畔チズィック、ピカデリー・パレス、ユーストン、コヴェント・ガーデンと地名がいっぱいでてくるのですが、距離感がまったくわからず。タクシーで行って帰ってこれる距離なのか、事件に関わってくるのでマップがほしいところ。
今回は容疑者多すぎ、ミスリードの連続なので犯人がまったくわかりませんでした。ポアロのヘイスティングズいじりとか、当時の流行とされている「スープ皿をひっくり返したよう -
Posted by ブクログ
昭和30年代,日本の文学にSFというジャンルが芽生えかけてきた時代に,早川書房でSFマガジンを創刊し,初代編集長としてSF界を叱咤激励し,自らも翻訳,執筆,企画に八面六臂の活躍を見せた福島正美の回想録.
回想しているのは1950年代末から1967年までで,残念ながら本人が1976年に47歳で早逝したために,未完となってしまっている.
思えば,10代から20代にかけて読んだ古典SFは,福嶋正実の訳のものが多かった.「夏への扉」「鋼鉄都市」「幼年期の終わり」「不死販売会社」・・・ Wikipediaで調べてみると,とんでもない仕事量であり,これに加えてSFマガジンの編集をしていたのだから恐れ入る.