福島正実のレビュー一覧
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閉塞感あふれる階級社会、人の上に立つ宇宙人に、宇宙人がバラまいたロボットが人の仕事を奪い、誰もがロボットを嫌い一部の人々は反ロボットを主義を掲げる。そんな陰鬱とした世界で起こる宇宙人の殺人事件!主人公の推理が突然放たれた銃弾のように突拍子もなく大胆不敵で面白い!主人公はかなり怒りっぽい性格だがソレにつられず常に冷静なロボットが相棒なのはいい塩梅だった
主人公の推理は本当に面白いのだが、その推理がはじまる100ページぐらいまでは主人公がいかに思慮が足りない上に怒りっぽい人物か、嫌な部分を延々と見せられて辟易する
だがそこを乗り越えれば大胆推理、街にうろつく地下組織、犯人の罠、最後の逆転劇と -
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SF好きを明言しながら未読なのもどうかと思い、意を決して読んでみましたが、これまで読んでいなかったことを大後悔…!ベストSFに上げる方が多いのも納得の大傑作でした。
オーバーロードという人類を超越する存在との接触を描く前半は、いわゆるファーストコンタクトものとして展開していきますが、後半、オーバーロードの目的が明かされてからは、物語の様相が一気に様変わりします。さらなる上位種の存在、個を消失し進化する人類、道を閉ざされながらも個としての未来を諦めないオーバーロード。これは悲劇なのか喜劇なのか。一言では言い表せない展開と結末に、読後、しばらく呆然としてしまいました。
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エルキュール•ポアロが自身に対して失敗を認めることは、ポアロシリーズの後半にはよくある事で、「私はなんて間抜けだったんだ!!」と反省しては真実に辿り着く事がある程度お約束の部分ではあるが、今作「エッジウェア卿の死」においては真相究明までに何度も誤った道筋を辿り、ようやく終盤にて真犯人を導き出すという状態である。冒頭、ヘイスティングスにより、ポアロはこの事件への関与を公表したくなかったと述べているが、珍しく名探偵が犯人に丸め込まれる一歩手前まで来ていた様な事件で、今作の犯人の秀逸さがみてとれる。
舞台女優とそれを取り巻く人達。大女優は夫と離婚したいが認められず、彼女は殺してしまいたいと周囲に吹 -
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ネタバレ読み終わってポカーンとしてしまった。空虚、おいてけぼり、消化不良、うまく言えないがそんな感じ。
圧倒的な科学力で人類を間接支配する「オーバーロード」は、人類にかつてない繁栄と平和をもたらしたが、あまりに圧倒的すぎる力の前に人類はハングリー精神を失う。オーバーロードの真の目的は後半まで明かされない。
真の目的が明かされたとき、「は?」と思った。圧倒的科学力を持つオーバーロードのさらに上位「オーバーマインド」がいて、科学力などではどうにもならない存在だという。
科学力が唯一の宗教となった人類というか我々にはまさに想像がつかない。科学だけでは進化の限界があり、オーバーロードは進化できない。オーバーロ -
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宇宙人到来!「インディペンデンスデイ」ばりの衝撃!でも何もしない。宇宙船からじっっっ…と見てるだけ。という入りがまず不気味で一気に引き込まれる。「え…何しに来たん???」「どんな姿なん???」「つかどっから来たん???」という状態から何十年もかけて人類とコンタクトを取っていく。少しずつ少しずつオーバーロードの正体が分かっていったり、地球文明も宇宙人ことオーバーロードたちと関わっていくうちにいろんな発展を遂げていき、最後はとんでもない所まで話が進んでいくのでじわじわ面白くなっていくタイプの作品。言語化が難しいのだが、現在までSFだけに限らず色んな作品に影響を与えたらしく、発表当時はかなり画期的だ
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ネタバレ「アガサ・クリスティ」の『エッジウェア卿の死』を読みました。
『親指のうずき』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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自宅で殺された「エッジウェア卿」の妻は、美貌の舞台女優「ジェーン・ウィルキンスン」だった。
彼女は夫との離婚を望んでおり、事件当夜屋敷で姿を目撃された有力な容疑者だった。
しかし、その時刻に彼女はある晩餐会に出席し、鉄壁のアリバイがあった… 数多の事件の中でももっとも手ごわい敵に立ち向かう名探偵「ポアロ」。
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久しぶりに読む名探偵「ポアロ」モノです。
1933年に発表された作品 -
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ポアロもの。
エッジウェア卿の妻で舞台女優のジェーン・ウィルキンスンから夫との離婚交渉を強引に頼まれたポアロ。
渋々、ポアロ&ヘイスティングズがエッジウェア卿を訪ねた日の夜に、エッジウェア卿が殺害されてしまいます。
事件当夜、邸で姿を目撃されているジェーンは、同時刻に別の場所での晩餐会に出席していたという、鉄壁のアリバイがあって・・。
いやぁ、読み応えありました。そしてものの見事にミスリードされてしまいました。
今回はポアロの推理も迷走したせいか、すべてが後手にまわってしまい、第二、第三の犠牲者が出てしまいます。
犯人の“狡猾さ”に煮え湯を飲まされたような気分になりますが、この犯人に対する