福島正実のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
SF御三家の一角であるハインラインの作品の中で、日本で特に評価が高いのが本作だという。
SFにしては強めの恋愛要素や俺TUEEE・ざまぁ的展開、そして猫。「SF初心者向けのSF小説」として本作が紹介される理由はよくわかる。
しかしSF好きのぼくとしては、その辺りにはあまり萌えない。好みという点では、前に読んだ『月は無慈悲な夜の女王』には遠く及ばないはずだ。
それにも関わらず、今回も徹夜してほとんど一息に読むくらいにはこの小説に夢中になった理由は、ひとえにハインラインの描く主人公のパーソナリティにある。
本作の主人公・ダンはエンジニア。仕事人間で独立心が強く、自分のこだわりについては決して他 -
Posted by ブクログ
かなり面白く、読みやすい。
アンドロイドと人間の刑事バディもの。
ミステリーとしても秀逸だし、アンドロイドに仕事を奪われて懐古主義・反乱分子となる人間や人口増加による枯渇する資源、完全管理主義の閉塞感のある生活、というディストピア調の近未来社会の世界観も良くできていると感じた。
アンドロイド嫌いの主人公ベイリが博士やダニールと会話していくことで自分の思想を改めたり、ぐるぐるとあらゆる可能性や人類の未来について考え出す、その過程がとても魅力的だった。
アシモフの描くアンドロイドは解像度が高く、矛盾がなく凄く魅力的だと思った。
個人的に「デトロイト・ビカム・ヒューマン」というPS4のゲームが大好き -
Posted by ブクログ
ネタバレとっっっても面白かった!
前半はベイリの頑固な考え方に焦れるような気持ちだったが、懐古主義の団体が現れてからぐっと引き込まれて、一気に最後まで読み切った。ラストへの流れには強いカタルシスを得た。
ダニールとの関わり方がやっと成り立ったのは、ダニールの長口舌のあとの「まだ真夜中まで一時間三十分残っている」だと思う。そこからベイリは自分自身の腕時計で時間を確認し、また総監への危害を止めようとベイリの手首を抑えたダニールに「危害を加えるつもりはない」とロボット三原則を踏まえた言葉でダニールに妨害しないでほしいと伝えた。やはり人間とは考え方が違うわけなので、ダニールにわかるような伝え方している。異種族 -
Posted by ブクログ
SFの翻訳・評論・創作・企画・編集など、オールラウンダーとして疾駆した福島正実の、甘く苦い回想録。
30歳の時に初代編集長としてSFマガジンを創刊、軌道に乗せる。しかし、ある事件を機に40歳で早川書房を退社。1976年没、享年47。
私も福島が編集するSFマガジンをなめるように読んだひとりだ。当時、SFという新しさだけでなく、あの雑誌にはとてつもない緊張感と魅力が漂っていた。いま思うと、それは編集長であった福島その人の緊張感、できうるかぎりのものを提供しようとする彼の張りだったのかもしれない。その後、編集長が森優にかわり、表紙や誌面の雰囲気は一変した。
福島が目指したのはプロとしてのSFだった -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて短期間で読破できた自分にとっては少し長めの小説でした。
宇宙人の星と地球が色々な方法で繋がっており、その中でも地球人の序列は宇宙人より下という世界観の中で殺された宇宙人の犯人を探すという物語です。
主人公が毎回トンチンカンな推理をしながらも徐々に問題の核心に近づいて行く、主人公だけではなく地球人がロボットの事を嫌っており、主人公も最初は嫌いだったロボット警察を嫌っていましたが色々な経験を通して少しずつ気持ちが変わっていく姿がとても興味深く面白かったです。
割と主人公のその時の気持ちが毎回、事細かに書かれているので、自分が主人公にトレースしているつもりが何か突き放されるような感覚でそ