畑中章宏のレビュー一覧

  • ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか

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    いくつも、あった。
    何かは言葉にしにくいけれど。

    灯りや共同体や子どもやおじいさんや、私の好きな事柄は随所に紹介されて(そして再発見させて)いたが、権狐とごん狐の違いが一番、知れて良かった。

    "「権狐」(または新美南吉が描き出したものたち)は、何故(時代の中で)撃ち殺されたのか?"
    他の方のレビューを読んではっとしました。
    そもそもはタイトルに煽られて半ば怒りの中で手に取ったのに、童話の世界に夢中になりすぎて全然考えられていなかった。反省。

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    2013年10月01日
  • 新・大阪学

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    筒井康隆の文体、テーマ、モチーフはハイブリッドそのもの。大阪は高尚でも低俗でもなく、上品でも下品でもない。こうした二項対立に収まらず、どちらかの評価・評判を受けそうになると、逆のほうに振り切るひねくれたところがある。大阪のハイブリッドは、こうした振り幅を持つことができる、大阪人ならではの想像力と表現力の賜物である。

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    2026年01月30日
  • 関東大震災 その100年の呪縛

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    災害は一瞬にして日常を奪う。だがその記憶は語り継がれることで「文化」となる。関東大震災から100年畑中章宏は災害民俗学の視点で人々がいかに災いと向き合ってきたかを掘り下げる。震災は単なる自然現象ではなく差別や流言、国家の対応をも浮き彫りにする鏡でもあった。喉元過ぎれば熱さを忘れる――そんな風化への警鐘とともに記憶をつなぐことの意味が問われている。過去に学び未来を守る知恵の継承が必要となる。

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    2025年08月08日
  • 感情の民俗学 泣くことと笑うことの正体を求めて

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    笑えているからといって幸せとも限らない、泣いているからといって不幸せとも限らない。そこには文化や民俗という文脈が必ずある。

    一つ一つの事象がおもしろくて、サクサク読めた。
    昔と今を行ったり来たりしてくれるのも、人間の連続性を感じられて良き。

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    2024年11月27日
  • 今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる

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    民俗学者の宮本常一を「思想家」として位置づけ、その思想の簡潔な解説をおこなっている本です。

    宮本に対して、これまで「思想や理論がない」「その方法を明示していない」といった批判が向けられてきたと著者は述べたうえで、「宮本民俗学の底流にある「思想」を解き明かしていく」ことを本書の目的に定めています。たとえば著者は、「世間師」と呼ばれる人びとのことばに宮本が耳を傾けて、彼らの話のなかから一枚岩の「共同性」とは異なり、多様性をうちに含む「公共性」のありようが示されているといった考察を展開しています。

    一方で、宮本のしごとを特定の理論に整理することのむずかしさは、著者自身もある程度自覚しているように

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    2024年11月13日
  • 関東大震災 その100年の呪縛

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    関東大震災後の政策を現代まで民俗学的アプローチで考察。日本人は災害を社会現象ととらえずに精神的問題ととらえているため、原因と結果を曖昧にしがちであり、その結果軍国主義に走ってしまうきっかけとなり、地に足かついた復興はねじれていくと指摘。関東大震災をキーにした分析としては異色ですが、なかなか当を得ていると感じました。防災復興が空回りしている原因もここかもしれませんね。

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    2023年12月24日
  • 今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる

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    読みやすさ ★★★
    面白さ ★★
    ためになった度 ★★★★

    これから宮本常一の著作を読もうという人にとっては、宮本のことを要領よくまとめていて、最適だろう。巻末のブックガイドも使える。

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    2023年06月22日
  • 21世紀の民俗学

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    民俗学の連載をまとめた本です。「21世紀」とありますが新しいものばかりを取り上げたわけではありません。面白い項目はありましたが民俗学を深く知りたい人にとっては中途半端に感じるかもしれません。新潟県の猫山宮尾病院と河童の関連が興味深い。いつか調べてみたいと思いました。

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    2022年09月09日
  • RE-END 死から問うテクノロジーと社会

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    死生観は時代と共に変わるものなので、今生きている人たちが死後CGで作られて何かに使われることに対して、良い気がしないというのであればそれがやっていいところとそうでないところのラインなのだと思います。
    テクノロジーの進化の前に、死が身近でなくなっているから、CG作ったりマインドアップロードとかそういう発想になるのかなぁと。
    技術の進化はそれはそれで出来ることが増えるのはすごいけど、ひとの気持ちや歴史も踏まえた上で取り入れないと道を踏み外しそうなこわさがあるなと思いました。
    しりあがり寿さんの漫画は短いながらもゾッとしました。

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    2022年02月13日
  • 21世紀の民俗学

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    帯に
    ー新しいと思われていることが古いものに依存していて、
     古くさいと思われていたことが新しい流行のなかにあるー
    との言葉が
    なぁるほど ふむふむ
    でした

    まだ 考察途上という感を強く持ちました
    でも ぜひぜひ
    とても興味深い論考なので
    次の一冊に期待したいものです

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    2020年10月27日
  • 21世紀の民俗学

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    いま起こっているちょっと変なことを記録しておくためのエッセイという印象。軽い感じでさくっと読めた。
    無音盆踊りは周波数別で炭坑節と踊るポンポコリンを同時に流してるとか、ちょっとおもしろかった。

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    2019年05月08日
  • 21世紀の民俗学

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    気の利いたエッセイ、くらいの感覚で読み始めたが、読み終わってみると、マジメで意欲的な民俗学の本(といっても、学術ジャーナルではなくて、一般人への紹介本)
    痛絵馬や、聖地巡礼などに代表されるような、ちょっと変わったものを民俗学で捉え直す切り口から、
    1970年代に急速に連続性を失い、今は、過去とのつながりを見通せなくなった滅びゆくものの挽歌を歌った民俗学を、21世紀の未來に向けて再構築する実験の書でもあった。

    『「いくぶんか珍しくなりかけたも」のを拾い出し、「歴史の過程を明らかにする」ものと、そのための方法。二十一世紀の民俗学が模索しているものも、こうした民俗学にほかならない』ということか

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    2018年01月21日
  • 21世紀の民俗学

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    日経・産経の2紙の書評に載ったので期待したのだが、、、なんかとても惜しい。「社会の変容そのものを対象とすべきはず」だが「当事者よりも分析者として流動する社会を見ていたにすぎなかった」のが民俗学であり、それを見直そうというもの。その主張にはめちゃ共感で、当事者として「なぜ自分はこう感じたのか」は後付けで振り返ったとしても面白いと思うんですよね。
    特に2011年の震災という「リセット」経験を踏まえ、日本人を当事者として生きるという中で、こういうアプローチは今後も続けるべき。現時点でまとまりには欠けるが、継続は必須。

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    2017年10月01日