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『忘れられた日本人』で知られる民俗学者・宮本常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは?
「大きな歴史」から零れ落ちる「庶民の歴史」。日本列島のすみずみまで歩き、聞き集めた小さな歴史の束から、世間や民主主義、多様な価値、さらには「日本」という国のかたちをも問いなおす。傍流として、主流が見落としてきた無名の人びとの「語りの力」を信じて――。
【本書のおもな内容】
●「庶民」が主役の歴史を構想
●盲目の「」乞食の自分語りに見出した意味
●村をよくするために尽くした「世間師」
●釣り糸を変えると豊かになる
●「寄り合い民主主義」の可能性
●日常生活に潜む「深い心のかげり」に着目
●「ふるさと」を起点として広い世界を見る
●旅に学ぶ――父の10ヵ条
●男性による女性支配の「東西での違い」
●人が人を信じることで人間全体が幸福になる
「宮本の民俗学は、私たちの生活が『大きな歴史』に絡みとられようとしている現在、見直されるべき重要な仕事だと私は考える。これほど生活に密着し、生活の変遷を追った仕事は、日本の近代でほかにはみられないからだ。宮本は庶民の歴史を探求するなかで、村落共同体が決して共同性に囚われてきただけではなく、『世間』という外側と絶えず行き来し流動的な生活文化をつくってきたことも明らかにする。そしてそれは、公共性への道が開かれていたと解釈することができるのだ。また近代を基準にみたとき、さまざまな面で遅れているとされてきた共同体の生活、あるいは慣習のなかに、民主主義的な取り決めをはじめ、民俗的な合理性があったことも裏づける」――「はじめに」より
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100ページで教養をイッキ読み!
現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!
1:それは、どんな思想なのか(概論)
2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
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テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
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Posted by ブクログ 2023年07月15日
宮本常一のものの見方、思想と方法の概要が分かりやすく解説される。
宮本が何に影響を受けていたのかは、あまり知らなかった。クロポトキン『相互扶助論』で、アナキズムの系譜にあることや、読もうと思っていたくらしのアナキズムの著者が宮本を評価していることを知り、自分の関心、ものの見方はこの系譜が好きなような...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月20日
旅に学ぶ父の10箇条
01汽車に乗ったら窓から外をよく見る。豊かか貧しいかその雰囲気を感じ取る
2新しく尋ねたところが高いところから見てみよう。
3金があったら名物や料理を食べる
その暮らしの程度が分かる
4時間のゆとりがあったら歩いてみる。
10、み残したものを見るようにしろ
その中にいつも大事な...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月07日
民俗学や宮本常一に全く土地勘が無かったが、入門本として薄く広くで話題が飛びがちなところはあるが、更に読書を進めてみようという気にさせる。
何点か特に印象に残ったのは、冒頭にある心の民俗学とものの民俗学ということで、柳田國男など、有名な民俗学者は前者で、有字文化を追うのに対して、宮本常一はものに着目...続きを読む
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