吉田悠軌のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても興味深かった。
吉田氏を始め、映像、書籍、ホラーというジャンルの第一線で活躍する豪華面々による徹底議論。
恐怖の中のどこに焦点を置くか。そしてどうアプローチしていくかの三者三様さに驚いた。
例えば、奥様ッソの大森氏は、不気味さや恐怖、そう言った嫌な気持ちを感じる時には余白が必要、つまり恐怖の正体が何であるかを明言してしまうと興醒め、という趣旨の発言をしている一方で、近畿地方~の背筋氏は、きっちりと答えを用意してある。怪異の由縁が分かりません、では話が成立しない。と、自論を述べている。
こういう造り手の意識の相違みたいな部分が作品に滲み出て、それがまた更に面白さのスパイスとして作用して -
Posted by ブクログ
ホラーってなんか観ちゃうけどめちゃくちゃ面白いと思った事がない
と言いつつやはり観てしまう
本著を通して自分がホラーのどこに惹かれているのか何となくわかったような気がする
個人的には支離滅裂で断片だけリンクしてるっぽい話が好き
論理が通って全てに理由づけがされると萎える
嘘か本当かって議論はタブーだと思ったけど普通に嘘って言っちゃうのね
嘘って言わないと都合が悪いから言ってるだけみたいな解釈して持ち込んでくるやつがいるって話あったけどこれも面白い
何言っても打ち返せるじゃん
デジタルデータとして呪いを無限増殖させるって概念めっちゃ面白かった -
Posted by ブクログ
なんっっっっっっっっっで怖い話にでてくるのてだいたい女の幽霊やねーん!と思っていて、そのへんを語った本はないだろうかと探したら、この本にたどり着いた。
これは、フェミニズムの本だと思う。こういった視点からホラーを見つめる人がいることはすごく貴重だ。
カシマさん、口裂け女、テケテケ、八尺様、アクロバティックサラサラ。現代怪談に姿・形を変えながら綿々と現れ続ける「赤い女」とそのルーツを現代人の恐怖の源泉は何なのかを見つめることで、そこに含まれる社会の変化や構造などの現代史も踏まえてたどっていく本。
いやー、めちゃめちゃおもしろかった。現代怪談に現れ、人々のなかにある恐怖のイメージとして確実に立ち上 -
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動画や漫画や小説の一大ジャンルであるホラーにて、今何が怖いものとされているのか、それぞれのカテゴリでその怖いものがどういう変遷をだどってきたのかを作家やオカルト研究家として活躍している吉田悠軌氏がTVプロデューサー、映画監督、配信者などのクリエイター側の人たちと考えていく論考集
いずれの章もおもしろく読んだけれど、おもしろかったのは民俗ホラーの箇所だった。私は地方出身ということもあり、恐怖の対象=田舎と短絡的につなげられることを遺憾に思っていたのだけれど、なぜそういうつながりができるのかの理由の一端が示されていた
今は都会にいる人はすでに数代に渡って都会で暮らしている人が多く、田舎全体を怖いも -
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確固たる日常、正気や常識がおびやかされる不安や恐怖を楽しむのがホラーというエンタメなのだとしたら、現在の日本では、その日常の正気や常識を何がどういう方法でおびやかしているのかが一覧できる。怖い話は(後悔することになっても)「聞きたくなる」ものであり、「話したくなる」ものなのは、危機意識などによる本能的なものなのだろうが、それゆえに聞き手が次の話者になって拡散していく、つまり参加型であり共同制作されるジャンルという一面を持っている。そして日常をおびやかすものである以上、その怖い話の中で日常のリアルをどう保証するのかが、話者の腕の見せ所であり、それによってより聞く人をどれだけ怖がらせるかにかかって
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Posted by ブクログ
ほぇ〜こりゃ中々面白かった!!
死期を予知する話が基本的に多いが、
その他の種類の予言も多々あり、めちゃ楽しめた!
個人的なおすすめは……
夜馬裕さんの『天女の願い事』です。
質素倹約で他人とは交わらない佐和子さんの
伯母さんにはある秘密が……
ここまで誰が予想できた事か?ってぐらいに
壮大で壮絶な話でした。
真相を知ってしまった時のトリハダは間違いなしの作品です!
その他にも安心、安定の面白さの郷内先生は
連作短編で読み応えバッチリ!
親子三世代に及ぶ何とも奇怪で悍ましい予言…
予言と一口に言っても色々な話があり
とても満足いく作品でした!!
とても面白かったです!
友人も言っていたが -
Posted by ブクログ
予言が怪談になるといえばやはり件とかかなーとワクワクしますね。
田辺青蛙『戦争を予言する柿』は一発目に先制パンチ級のものすごいはなしやなと思った。
予言は誰かが相手に伝えることでうまれるわけでそう考えると実話怪談とは相性がいいのかもしれないと思う。
吉田悠軌『赤いしるし』赤いものは不吉な象徴なところあるし予言が赤いのは納得。
雨宮淳司『骰子』これはぜひ検証したくなるはなしだった。骰子をふってなくても勝手に転がって勝手に予言してても見てなかったらそれはいきないのかどうかめちゃくちゃ気になる。
朱雀門出『青い獅子舞』赤じゃなくてもふだん赤いものが違う色なのは不吉ってことだ。
響洋平『インターフォン -
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一行だけの怪談集
一行怪談凡例
・題名は入らない。
・文章に句点は一つ。
・詩ではなく物語である。
・物語の中でも怪談に近い
・以上を踏まえた一続きの文章。
異様な状況を表した一行だけの文章
「怪談」と銘打ってあるので、その背景を想像すると怖いものがある
しかし怪談ではなく、SF、ギャグ、ファンタジーとして想像できるものも多数
あと、風刺の効いたものもある
「世にも奇妙な物語」系の話を一行で表現したというのが一番近い気がする
個人的に「怪談じゃないかも?」と思ったもの
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夕方にあの坂道に近づかない方がいいのは、いつも午後5時のサイレンとともに、汗だくのオバさんが自