吉田悠軌のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ページをめくるたびに、毎日が歪んでいく。
7月1日から8月31日までの間、誰かがあなたに囁きかける62話のカレンダー。
1話数分で読める、カレンダー形式の怪談集。
ほんのり不思議な話から、うっすらどこかで聞いたことのある怪談、ちょっとぞっとするような話まで。ページ自体にギミックのある話もあり、楽しめました。
私は一気に読んでしまったけど、カレンダーに合わせて1日1話読むのも良さそうです。今年はもう遅いけど。
月齢や旧暦も載っている日めくりカレンダーのような見出しが挟まるのも好き。一行怪談めいた小話も書いてあってお得感もあります。同じ作者さんの『一行怪談』も好きでした。
このカレンダーは、何年のものとかあるのかな? と思って少し調べたけど、結局よくわからなかったんですよね。曜日が合っていても月齢が合わなかったり。
調べきれなかった「いつかの年」でも面白いし、架空の暦ならそれはそれで異世界と地続きになっている感じがしてワクワクします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレホラーや怪談は苦手だ。子どものころは、うっかりそういうものに触れてしまうと、夜かなり怖い思いをしていたけれど(寝れなくなって……とはならなかったところが、なんだか自分らしいのだけれど)、歳を重ねて少しずつ耐性がついたのか、「怖いもの見たさ」で手を出す余裕が出てきた、ような気がする。
京王線のとある駅で、偶然立ち寄った本屋のレジ横に、この本が積まれていたら、買うしかないでしょう。それはもう。
吉田悠軌さんはクレイジージャーニーに出ていた方で、著者の名前に見覚えがある、と思った自分の勘は正しかったし。
怪談、それも、実際に体験した人に聞いた話をまとめたもの。
いつかどこかで、ではなくて、この時期に、この場所で、と特定されるからこその怖さはあるものの、「見間違いや思い込みかもしれない」「ただの偶然かもしれない」と、人ではないなにかのギリギリ境界線あたりにある感じで、怖がりでも十分耐えられた。逆に変に怖がらせようとしないあたりがリアル、とも言える。
なんというか、読者を怖がらせようとしているホラー小説だとかの方がよっぽど怖いんだよ。
四十数年生きてきて、なんというか、たぶん世の中不思議なことはあるし、悪いことをしたら自分に返ってきたり、そういうことはあるんだよ、ということを感じているのかもしれない。
短い話がたくさんある構成なのだけれど、話によって視点がブレるというか、話者の立ち位置が変わるというか、構成が変わるのが、少し読みづらい。
筆者が二人いるので癖が違う、のもあるかもしれないけれど、フラットな第三者トーンだったかと思えば、突然、書いている人の該当する駅への思い入れや印象が出てきたり、書いている人による補足が入ってきたり、しかもそのどちらも主語が「私」(二人いるのに)なので、なんだかすっきりしない。 -
Posted by ブクログ
夏と言えば怪談だ(^^)/
と言っても、今は12月だけど(爆)
つまり、読んだのが夏の頃だったということだ。
ということで、『中央線怪談』だ。
これは竹書房の怪談本なんだけど、竹書房の怪談本にありがちな、「実話怪談好きの、実話怪談好きによる、実話怪談好きのための怪談本」にはなっていない。
だから、竹書房の他の実話怪談本のように、実話怪談が大好きな人が実話怪談本に求める、呪いや祟り、因果因縁因習的な話はない。
マーケティング的に書かれた怪談本ではないのだ。
そういう意味で、程よい怖さの怪談本になっていると思う。
ていうかー、ぶっちゃけ、ほとんど怖くない(^^ゞ
「怖い」っていうのは刺激だ。
刺激というのは慣れる。
だから、「もっと怖く」、「もっと怖く…」と実話怪談ファンが求めるままに、怪談作家が集めた小ネタに実話怪談ファンのニーズに沿った怖い要素をくっつけ、尾鰭眉唾だらけになっちゃった「実話怪談」というのは怖いというよりはギャグだ。
どれも似たような話だから、読んでいるとアホくさくなってくる(^^ゞ
もっとも、普通の人にとって、怪談というのは夏限定のものだから。
普通の人が何冊も怪談本を読むことはないので、どれも似たような話だとしても問題はないのかもしれない(爆)
ということで、この『中央線怪談』。
程よい怖さなのはいいんだけど、ちょっと程よすぎというか、ぶっちゃけ地味(^^ゞ
語りとして聞くならこれでもいいんだろうけど、本としては、多少強弱みたいなものがあってもいいのかもしれないw
ただ、著者はたぶん意識してこういう風に書いている気がする。
その意図はわからないけど。
面白かったのは、いたこさんネタの東京駅の話と三鷹の話。
東京駅の話は、「いたこさんって、なんでそこまでネタを拾えるんだろう?」と思わず笑っちゃうところがいいし。
三鷹の話は、怪談本の出版社の社員がスーパーで買い物をしていたら、主婦が怪談っぽい話をしていて、思わず耳ダンボになってしまったという職業病っぷりが、やっぱり笑える。
怪談本に怖さなんて求めていない。
気楽に読めて、ちょっと不思議な思いに浸れる気持ちよさを味わえれば、それでいいのだ。
でも、そういう怪談本って、なかなかない。 -
Posted by ブクログ
2年前くらいから好んでホラー小説も読み始め、この本は澤村伊智さん、背筋さん、梨さん目当てで手に取りました。
各媒介でホラーに全力投球している方の話が読めて興味深かったです。
特に製作者側視点の内容は、「怖い」って単純だからこそ深い感情で、それへの到達を様々なアプローチで目指していくの、さすがプロ…と感じました。
最後のホラー漫画の章は、オタクの熱量を感じて楽しかったです。絶対「裏バイト」出てくると期待していたら言及されたので嬉しい。
高校生の時、夢中で洒落怖やホラー寄りネット小説をガラケーのちっちゃい画面で読んでいた記憶がある。けれどテレビの心霊番組は見なかったし興味も薄かったな、と思い出しました。今でもそうで、やはり小説や漫画のようにガッツリ虚構、というか物語性のある作品が好きなんだと思う。もっと言えば自分で考察するより朧げにでも答えが見える方が好みで、「ホラー」を楽しむのに向いてない性格だと気付く。笑
ホラーという大枠ではなく、小説の1つのジャンルとしてホラーが好きなのかも。でも実話怪談や映像作品など、今まで触れてこなかった分野にも興味が湧いたなあ。