【感想・ネタバレ】一行怪談(二)のレビュー

あらすじ

Twitterで話題沸騰! たった一行に込められた、美しい悪夢のような物語集。解説の大槻ケンヂ氏も「一行怪談、と定義づけられているが、これは時に短歌であり、散文詩であり、あるいは文学でありオカルトであり絶妙のショートショートでもある。発想、技術が、すごい、すご過ぎる」と大絶賛! 想像力を刺激され、恐怖や不安、幻想、ユーモアなどを感じられる作品を多数収録。奇妙で恐ろしい世界に迷い込んだような新感覚の怪談集。 【一行怪談凡例】●題名は入らない。 ●文章に句点は一つ。 ●詩ではなく物語である。 ●物語の中でも怪談に近い。 ●以上を踏まえた一続きの文章。 ◎内容例 ●食べられないものありますか? と出されたメニューに人の名前しか書かれていない。 ●赤いおじさんか青いおじさんが来るだろうけど絶対ドアを開けないでね、と言いつけられて留守番している。 ●首を絞められた人間が最期にもらす一息だけを集めて膨らませた風船が、どこまでも空を上っていく。

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「今まさに電車が迫る線路上に、物欲しげな目つきの人々が立っていたので、踏み切りに身を投げるのは止めにした。」題名は入らない、文章に句点は一つ、詩ではなく物語であり、物語の中でも怪談に近い。これらの条件に沿った一続きの文章を一行怪談とし、集めたのがこの小説集である。

一行のなかにとびっきりの怖い話が盛り込まれた、まさしく一行怪談です。怪談ではありますが、とんでもない化け物が現れたり、呪いで人が殺されたりとかではありません。日常的な出来事が、一つの読点を挟んで180度変わります。少しだけ開いたカーテンの隙間だとか、夕暮れの誰もいない教室だとか、やけにノイズがひどい市内スピーカーの放送だとか…そういうものがこの一行怪談によって、怖いもの・理解できないものに変貌するのがとても面白いです。
読んだ人の想像力によってそれぞれの物語の受け取り方が変わるのもとても面白く、魅力的な一冊です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

あの「一行怪談」の第二弾。今回も怖くてシュールでちょっとおかしな「たった一文」がたっぷりです。たった一文、されど一文。イマジネーションは膨らむばかり。本当に楽しいなこの本。
お気に入りは「ただ水滴が落ちるだけのCM」の話。何気ない話に思えて、だけど考えれば考えるほど怖くなってきます。うーむ、いったい何なんだろうなあ。

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2018年08月21日

Posted by ブクログ

1巻に引き続き、こちらも1冊およそ30分ほどで読み終えることができた。1巻もだが、読み終わった、と思った後の仕掛けが後味になって良い。
この頃「『怖い』話は差別と結びついているから、日頃から気をつけておかねばならない」といった旨のことをホラー作家の方が言っているのが流れて来、その意味をあまり理解できていなかったのだが、本書を読んで何となく理解できるようになった。決して本書が差別をしているとか差別を煽るとかいったことではないのだが……
内容としては、1巻から変わらず一文の中にホラー要素の強いオチをつけており、秀逸なものもあるがそうでないものもあり、短文の難しさを感じるのは変わらなかった。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

まるっきり怪談咄でもなく、SF、不可解な出来事、
不穏を煽る散文詩のような文体。
怪談もののジャンルなんだけど、不思議な魅力のある文章に引き込まれ、一気に読めた^_^
もう一冊も買ってしまおう!

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

句点を一つだけの、散文詩にならない物語としてのホラーを描こうとする意欲作の2巻。
前回と違い、なんだかギャグのような感じもあり、怖いよりも不思議がかった印象?

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2023年08月10日

Posted by ブクログ

書き記されたたった一行の文章たち。一つの句点で括られたそれらは、常軌を逸した文字列だった。 一文読んだだけで、心は落ち着かず、背筋はぞわりとする。 はたして、なぜ私は、ここでこんなものを書く仕事をしているのだろう。

***

一行怪談第2弾。相変わらずぞわぞわする一行が1ページに書き綴られている。読むたびにどこか座りの悪い気分になってきて不安にかられるが、次のページには何が書いてあるのかと気になって読み進めてしまうので不思議。現実ではあり得ないはずなのに、どこかであったことかもしれないと思えてしまう。書かれているのは、たった一行なのに情景がありありと浮かぶのは素晴らしい!不穏な内容なのに何でもないことのように書かれているのもおもしろかった。 結論が推察できるもの、できないものなど様々な種類の物語があり得ない非常に楽しめた。これ以降続刊がでていない様子なのが非常に残念。

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2021年12月02日

Posted by ブクログ

二冊目ともなると驚きも薄まるが・・・

例えばこの1行(1ページ)をもとに
それをワンシーンとして必ず入れることを条件に
1本の映像作品をつくったら。。。
見知った人が、実は見知らぬ他人、であることを気づいてしまった。
1.生霊・悪霊
2.時空のゆがみ
3.異世界・異星人
4.知覚している本人の狂気
その人なりの解釈と創作を楽しむという
別の楽しみもできるような気がする。
映像化しなくても、これをお題に語り合うでもいい。

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2018年08月01日

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