吉田悠軌のレビュー一覧
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ネタバレわずか、800文字以内で書かれた数々の怖い話達。それは、両の手のひらに収まるほどの小さな話ですが、途方も無く怖い話達なのです。あっという間に終わってしまう、短い話だからと油断していると、痛い目をみますよ。
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発売前から気になっていた一冊。ポプラ文庫、MFダウィンチ文庫を経て、ポプラキミノベルへと様々な本を渡り歩いているこちらの人気シリーズ。現在も第一線で活躍しているホラー小説作家、怪談作家が集まり織りなしていく。800文字以内、原稿用紙に換算してわずか2枚という短い物語たちであるが、流石、そうそうたるメンバーである。何とも恐ろしい物語がつづられていた。
純粋に怖い話、不思議な話、意味が分かると怖い話の様な話があり、怪談と一言にいっても様々なジャンルが楽しめる。
お気に入りの話は、「ミズノくんを返して」、「へどろんなの秘密」、「波の音」、「あの家のこと」。
「日記代行屋」も怖かったな。
どの話も、読んでいて鳥肌が立つほど怖かった。特に、家物の怖い話が好きなので「あの家のこと」は非常に良かった。謎めいた家は、もともとそういう存在だったのか、あるいは、語ることによって本当になってしまったのか、それとも、語り手が何か秘密を握っているのか。
いろいろな想像の余地があるが、どの結末でも恐ろしい。怪奇現象の燐片が見えるだけだったり、自分の知らないところで変なことが起こっているという怖い話はやはりいい。この本は様々な作家の手によって、50編も話がつづられた楽しい本だった。
自分の好きな作家の話を楽しむのもよし、新たな作家を開拓するもよしという一冊でだった。 -
Posted by ブクログ
書き記されたたった一行の文章たち。一つの句点で括られたそれらは、常軌を逸した文字列だった。 一文読んだだけで、心は落ち着かず、背筋はぞわりとする。 はたして、なぜ私は、ここでこんなものを書く仕事をしているのだろう。
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一行怪談第2弾。相変わらずぞわぞわする一行が1ページに書き綴られている。読むたびにどこか座りの悪い気分になってきて不安にかられるが、次のページには何が書いてあるのかと気になって読み進めてしまうので不思議。現実ではあり得ないはずなのに、どこかであったことかもしれないと思えてしまう。書かれているのは、たった一行なのに情景がありありと浮かぶのは素晴らしい!不穏な内容なのに何でもないことのように書かれているのもおもしろかった。 結論が推察できるもの、できないものなど様々な種類の物語があり得ない非常に楽しめた。これ以降続刊がでていない様子なのが非常に残念。 -
Posted by ブクログ
1ページごと綴られた文章たち。 うたた寝の時に見たような悪夢のような、しかしどこかで経験したことがあるような気持ちにさせるそれら……。一息で吐き出された文字たちが読んだ者をたちまちのうちに不気味な世界へと誘う。
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こちらは、とある事情を抱えた人物が体験した悪夢を一行で書き綴ると言うものの。 書かれた文章たちは確かに現実離れしており、不確かで、悪夢じみている。しかし、ふとした果たしてこれは本当に夢の出来事なのだろうか?と思う瞬間がやってくる。自分が知らないだけで、もしかしたらこういうこともあるのかしらん、という風に錯覚する。 一行怪談というタイトルの通り、表現として許されるのは文法的に正しく句点を打つまでの一行。非常にごくわずかな情報しかないそれが、ページを開いた瞬間に突然と読者に投げ掛けられる。それが逆に想像力を掻き立てられ、ゾッとしたり、不気味な思いをしたりして面白い。たった一行、されど一行。実に味わい深い一冊でとてもおもしろかった。途中途中に差し込まれるイラストもその一役をかっていた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレネットで見かけて。
あまり学術的ではなく、
どちらかいうとミーハーなにおいもする、
禁足地談義。
禁足地と半アウトローは相性がいいとか、
禁足地は異界であり、
異界に行って帰ってくる疑似行為として
イニシエーションを行っているのではないかとは、
面白い指摘もあった。
対馬にある禁足地「表八丁」では、うっかり石塔を見てしまった場合、
履いていた草履を頭の上に乗せ、
「インノコ、インノコ(猪または犬の子の意)」と唱えながら後ずさりしないと命を失うと言われている、とあった。
いやいや、神様はそんなことではだまされないでしょ、と思ったが、
そうやって人が畏れや敬意を示せば許してくれるのかもしれない、神様は。
それと、壱岐島の北の無人島、「ケンの池」と呼ばれる池には、王と王妃の財宝が隠されたという伝説があるそうだ。
宝を求めて池を覗き込めば、
その中心に本人がいちばん欲しいものが浮かび上がり、それを取ろうと手をのばせば水底に引きずり込まれてしまう、ということだ。
自分なら、そこに何を見るのだろう。