あらすじ
イザナミの祟り、四谷怪談、雪女、牛の首、口裂け女、生き人形、きさらぎ駅、そしてバックルーム……。気鋭の怪談研究家が名だたる「怖い話」を厳選し、その恐怖の歴史的、文学的系譜を解説する。本書を通じて、日本の「こわい」を知るべし!
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Posted by ブクログ
いわゆるネット怪談で流行した物語は、古典怪談の変調物という気はしていましたが、まさしくその答え合わせかのように思えました。
渋谷怪談。以前同タイトルの本を読み、コインロッカーベイビーと何か他の呪物系怪談が混じったもののように思えましたが、派生系がごまんとある事に驚きました(パクリということではない。怪談とはそうやって派生し波及していくものです)。
現代でのJホラーには怪談により一層「日常」を取り入れた物が多くなっています。代表的なのが『リング』『着信あり』『呪怨』『ぼぎわんが、来る』『近畿地方のある場所について』の5つを挙げます。
1 リング
言わずと知れた、Jホラーの火付け役的な作品。VHSに念写した死を呼び込む映像が、見た人を7日後に呪い殺すというもの。派生作品も多く、明らかにホラー映画業界に大きな影響を与えた。テレビやVHSという、オカルトから遠い物体と怪異を混ぜ込む手法によって、ホラーの可能性を広げたと言える。
2 着信あり
死の着信を受けると指定された時間(着信のあった時間)にかならず死ぬというもの。当時流行から生活必需品となった携帯電話と怪異を混ぜ込んだことと、チェーンメールが流行したこともあって、派生作品も多く作られた。
3 呪怨
呪いの家という、旧来からあるコンセプトであるが、唯一違う点が『神出鬼没』ということ。家に上がり込むと呪いが発動し、呪われた人はランダムで伽耶子の気まぐれで殺される。寝室のベッドの中でもお構いなし。呪われた家の中で殺されるのではなく、日常の中で執行される油断できない怖さを広めました。
4 ぼぎわんが、来る
まさしく、『呪怨』における神出鬼没を絵に描いたような怪異ですが、この作品の凄さは、呪われた人たちがおおむね「人として変」であるということ。怪異譚でありながら『にん』の部分を見せることで、日常の中で自分を客観視できないブロガーやインフルエンサーをネタにした部分が、非常に現代的に皮肉ってる作品です。
5 近畿地方のある場所について
これまでのホラーブームの変遷をすべて踏襲した作品と言える。人を呪わざるを得ない状況、身を守るための犠牲、神出鬼没、登場人物がみんな馬鹿、そして解いてはいけない呪いの根源。膨大な祈りや呪いによって神格化された無名の怪異という名の思い込みを前に、人は無力であるという皮肉も込められています。
派生作品の元となった作品はほとんど古典作品であり、それに現代的なエッセンスを加えたと言えます。
ホラー作品が好きな人たちはぜひ読んでみてください。
Posted by ブクログ
数々の有名な怪談を解説とともに楽しめる一冊。「古事記からTikTokまで」って、あまりに幅広すぎませんか? と驚きの内容です。古典文学的なものから都市伝説まで、これ一冊でメジャーな怪談はあらかた押さえられるかも。そしてさらに、怪談と怪談文学に深く深くはまっていきたくなってしまいます。
Posted by ブクログ
思っていたよりも、とても勉強になりました。古事記のイザナミから、アクロバティックさらさらなど比較的新しいものまで掲載されていました。自分もいろいろこういった話の本は、読んできたつもりですが、江戸時代の牡丹灯籠や、近代の累の話などは知らなかったので興味深かったです。
いづれの話も、過去の話と共通した部分が多く、時代やその当時の文化が強く反映されている気がしました。
Posted by ブクログ
日本に伝わる怪談や都市伝説の概略を現代風に述べその原点を辿る。時代と共に形が変わり根本がわかりづらくなる怪談を丹念に紐解く本だ。私たちが何となく知っている怖い話の共通点や怖さの仕組みの一端を覗くことができる、まさに「教養」というタイトルが相応しい良書。
Posted by ブクログ
系統立てがされていてどれがどの怪異と関係あるかとか考えたりするのに面白いと思って読んだ。
ざっくりしたはなしが多くて怖さみたいなのはあんまりないし、普通に怖いはなしを読みたいなら実話怪談本読んだほうがいい。
ワタシは吉田悠軌さん好きなので読んだけどね。