伏見威蕃のレビュー一覧
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副題に「AI、ロボット、自立型兵器と未来の戦争」とあるが、これらについて、「そもそもなんぞや」から始め、人の関与の度合いのありようの違いから
・オートメーション
・半自律
・監督付自律
・完全自律
の定義の違いを説明し、なぜ、人が判断に関与しない汎用AI自立型兵器が好ましくないのかを説明するためには、このくらいのページ数が必要になる。(そしてまた、民間の株取引では既に完全自律システムによる実害が発生していることも)
いわゆる「サイバー戦」に於いては、速度を考えればAIの助力を人間が受けるケンタウロス方式でさえ不十分で有り、部分的に完全AI自律に頼らざるを得ない可能性を考えると、そこに心配は残 -
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久々にみる軍事スリラーの大作。迫力とスケールの大きさに圧倒され、あっという間に読み終え
てしまった。
ポーランド軍が、電撃作戦を終えて退却するロシア軍を、第四の都市ヴロツワフに誘い込んで殲
滅を図った市街戦は壮絶。どんなに犠牲を払っても自国の尊厳と独立を守ろうとするポーランド
の人々には敬服した。たとえ国土が蹂躙され、国民に犠牲者が出たとしても、日本ではまず同じ
ことは起こらないだろう。
アフリカでも米・仏軍とロシア軍が激突。双方の知力、死力を尽くした戦いぶりはすごいという
ほかない。用意周到、緻密な作戦計画も、想定外のハプニングが重なれば一挙に崩壊してしまう。
まさに「千丈の -
購入済み
久々の骨太ミリタリー作品
とても面白かった。近年のミリタリーものは、正規軍同士の戦いを描いた作品が少なく、
テロリスト相手のものが主流だったが、久々に骨太の作品に出会えた感じ。スケールの
大きさに圧倒された。クリスマスを狙ったロシア軍のヨーロッパ侵攻は、かつての「バ
ルジの戦い」を連想させる。アフリカの鉱山一つを確保するために、わざわざ大国ロシ
アがこれだけ大規模な軍事行動を起こすだろうか、という疑問もわくが、ともかく、早
く下巻が読みたい。
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「上下巻合わせてレビュー」
今作も面白かった。ようやくゾーヤと再会出来たのも束の間、規格外の強敵登場でグレイマンはこれまでで一番苦戦することに?!相変わらず周りは敵だらけで緊張しっ放しのグレイマンを取り囲む環境だが、そこでこれまで単独で仕事をこなしてきたグレイマンが成り行きとはいえ、アンセム(ゾーヤ)、ロマンチック(ザックとのギャップに苦笑)とチームを組んで陰謀に対峙していく。もちろん個性が強すぎる3人なので順調に行くはずもなく・・・そのあたりのバラバラっぷり、息があった時のチームワークのバランスが面白い。またゾーヤの過去もスリリングに描かれていて、それが現代に繋がるあたり構成が上手い。次回作 -
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少年二人の友情と、それが壊れてからの長い年月。25年後に再びめぐり合った二人の運命が、簡潔に接続詞を省いて積み重なっていく文章で書き表されている。読みやすくひざびさに読後感のいいミステリだった。
底辺にある黒人と白人という人種問題も重くなく理解できるもので、効果的だった。
ホラー小説を愛するラリー・オットは41歳になった今、人里はなれた家で一人で暮らしている。父親から受け継いだ自動車修理工場を持っているが誰も来ない。その理由は過去の事件にあった。
ゾンビの仮面をかぶった男が彼の家に侵入して至近距離から胸を撃たれ、ラリーは倒れた。そこから物語の幕が上がる。
黒人のサイラス・ジョーンズは母親 -
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超優秀な暗殺者コートランド・ジェントリーはCIAに呼ばれてプライベートジェットでアメリカへ。その途中でイギリスに立ち寄ったとき、襲撃事件は巻き込まれる。同乗していた囚人が拉致されてしまった。ロシアのスパイからCIAに鞍替えをする途中のゾーヤはCIAの施設で軟禁状態にあった。そこでロシアの将軍である自分の父親が殺された現場の写真を見せてもらう。それをきっかけに施設から脱走しようとすると、その施設を何者かが襲った。ゾーヤは何とか逃げた。一見無関係の囚人拉致事件とゾーヤの脱走。これらの結びつきが明らかになると・・・
今までのグレイマンシリーズで最も読みやすいような気がした。動機や手段が納得できるも -
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シリーズ第8弾。ジェントリーが乗る飛行機が襲撃に遭い銀行家が連れ去られそれを追うことに。そこのアクションシーンから迫力満点。今作ではゾーヤが再登場し、緊張感が高まり2人はどんどん深くに入り込んでいく。連れ去りの計画とそれを追うジェントリー。戦闘シーンの迫力がさらに増し、そしてジェントリーは追い詰められていく。ここまでボロボロになるのは初めてじゃないかっていうくらい。そこからどう立ち上がり向かっていくかも読みどころ。今作も一気読みなのだけれどゾーヤとのシーンが増えるにつれて少し変わってきたのかな?という雰囲気も感じないでもない。それでも今作も大満足の面白さ。
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本シリーズも数えて7作目だ。これまで、主人公ジェントリーの正義漢ぶりにやきもきした場面もあったが、前作くらいから、それが一番大きな魅力になっている。おまけに今までは単独行動が主だったが、本作は、もはやチームとしての活躍だ。全編緩むことなく展開するストーリーに1週間は没入できる。
最近、仕事上でアセット(資産)という言葉がよく出現するが、冒険小説では工作員のことをアセットと呼んでいる。工作員に指示を出すのはハンドラーだ。会社で資料を読みながら、『アセットを使って生産性を向上させる・・・』フムフムとハンドラー気分に浸っているのは私だけだろうか。
いや、英語をカタカナに変え、使いたがる国民性 -
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マーク・グリーニー『暗殺者の追跡(下)』ハヤカワ文庫。
グレイマン・シリーズ第8弾。冒険エンターテイメント小説。これほどグレイマンが痛め付けられるのはシリーズ始まって以来ではなかろうか。極めて映画的な活劇が描かれ、なかなか面白い。
CIAの秘密施設から逃亡したゾーヤ・ザハロワの目的が明らかになり、グレイマンことコート・ジェントリーはゾーヤを支援する。今回、ジェントリーにはCIAからの直接的な指令は無く、新たにCIAの資産になろうとしているゾーヤが気付いたロシアと北朝鮮が関わる予想外の巨大な陰謀を阻止するためにゾーヤと共に行動するのだ。
果たして、ジェントリーとゾーヤは巨大な陰謀を阻止する -
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マーク・グリーニー『暗殺者の追跡(上)』ハヤカワ文庫。
グレイマン・シリーズ第8弾。グレイマンに対する抹殺指令が解除され、緊張感は失ったものの、冒険エンターテイメントとして割り切って読めば面白い。欧米に加えて、ロシア、北朝鮮までがきな臭い動きを見せる中、主人公の暗殺者グレイマンことコート・ジェントリーと元SVR女性将校・ゾーヤ・ザハロワが再びコンビを組んで活躍する。
ジェントリーが乗るジェット機がイギリスの空港で何者かに襲撃され、CIAが捕縛していた銀行家が連れ去られる。ジェントリーは襲撃者たちを追い、銀行家の奪還を試みる。
一方、アメリカでは、かつてジェントリーと束の間の蜜月を過ごした -
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【トランプが燃えているとき、その軌道を周回している人間はすべて熱を感じ取る】
関係者への膨大なインタビューを基に、トランプ大統領下のホワイトハウスの内実について迫った作品。アメリカを始めとした世界各国でベストセラーに輝いています。著者は、「調査報道」という用語の確立に多大なる貢献をしたジャーナリズム界の巨人、ボブ・ウッドワード。訳者は、これまでも同著者の作品の翻訳を手がけてきた伏見威蕃。原題は、『Fear: Trump in the White House』。
衝撃的なタイトルと宣伝文句につられ、「感情的なトランプ大統領 vs. 理性的な側近」という先入観が成り立ってしまいそうですが、本書