伏見威蕃のレビュー一覧
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マーク・グリーニー『暗殺者の回想 下』ハヤカワ文庫。
グレイマン・シリーズの第11作。スパイ冒険アクション小説。
初期のグレイマンは世界中の諜報機関から命を狙われていたこともあって、冷酷無比な暗殺者として描かれていたが、最近は人間味あふれる人物として描かれているように思う。
今回はグレイマンことコート・ジェントリーが12年前に関与した任務と現在の任務とが交互に描かれ、それが交錯していくというストーリー。
12年前にゴルフ・シエラに加入させられたコート・ジェントリーはテロ組織KRFの副司令官の情報を入手するために仲間とパキスタンに向かう。しかし、KRFは大規模なテロを計画しており、ジェントリーは大規模ショッピングモールでテロに巻き込まれる。
そして、現在。技術資産のプリヤンカ・バンダリを奪還したジェントリーは、ムラド・カーンが再び恐るべき汚れた爆弾によるテロを計画していることを掴み、12年前の失敗を清算するために行動を起こす。
本体価格980円
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マーク・グリーニー『暗殺者の回想 上』ハヤカワ文庫。
グレイマン・シリーズの第11作。今回はグレイマンことコート・ジェントリーが12年前に関与した任務と現在の任務とが交互に描かれ、それが交錯していくというストーリー。
この前、松岡圭祐の『高校事変』を全巻読み終えたが、優莉結衣の活躍を見るとグレイマンなど大したことないななどと思ってしまう自分が恐い。無論、グレイマンの方が現実的なストーリーであるのだが、多少の誇張があっても良いのかも知れない。
コート・ジェントリーはアルジェリアのトルコ大使館に潜入する。パキスタンの情報員を探る任務だったが、ジェントリーは12年前に関与した南アジアの事件に関する情報を獲得しようとする。
トルコ大使館に潜入しようとするジェントリーの前に現れたのは12年前に死んだはずのパキスタン軍統合情報局の幹部、ムラド・カーンだった。ジェントリーはカーンを暗殺しようとするが、邪魔が入り、ジェントリーを支援していた技術資産のプリヤンカ・バンダリが拉致される。
プリヤンカを救出するためにインドへ向かうジェントリーは……
蛇足になるが、12年前でコート・ジェントリーは25歳ということは、今は37歳か。
本体価格980円
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〈グレイマン〉シリーズ第十一弾。ジェントリーがある作戦の最中に十二年前に死んだはずの男を目撃する。そこから現在と十二年前ジェントリーがCIA特殊活動部地上班のゴルフ・シエラの一員になった頃から展開されていく。この過去の活動内容、ジェントリーの若さ、そういうのがとても興味深く、今と同じ部分とまだまだ未熟なところとがあって面白い。過去と現在と恐ろしい計画が進行してそれを阻止しようとするジェントリーの戦い。そのひとつひとつのアクションシーンの迫力が今作も圧倒的なスピードど緊張感を持って展開されていく。シリーズ十一作目になるけれど面白さが衰えることは全くない。次作が待ち遠しい。
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2001年から2016年に世界におきた、イノベーションとグロバリゼーションが世界に与えたものは何かをよく考えようというのが読者への投げかけです。
854頁におよぶトーマス・フリードマンの大作、読みでがありました。
下巻は、地政学的見地から世界の変化を考察するところから、コミュニティの重要さまでを描きます。
結論は、こうです。
「アメリカの悪いところは、無数のコミュニティ、田園地帯、都市部の多くが崩壊していることだ。
しかし、いまのアメリカの良さは、団結して、市民が自分の将来に責任を持てるようにスキルとチャンスを得るのを手助けしているコミュニティや地域も、無数にあることだ。
強権をふるう男ではなく、強力なコミュニティのみが、アメリカを再び偉大にする」
歴史のブレークポイントは、3つ
2001年 グランドゼロ
2007年 デジタル・テクノロジー
2008年 リーマンショック
グローバリゼーションと、テクノロジー、気候変動の同時進行が、中流を支えてきた、高賃金で中スキルの仕事が、高賃金で高スキルの仕事と、低賃金で低スキルの仕事に二分されていく。それが個人のスキルの習得や、社会の制度の変化に追いつかない状況で起きていくといっています。
下巻で気になって点は、次の通りです。
・第二次世界大戦からベルリンの壁崩壊までの期間は、信じられないような経済的平穏期間だった。ために、政治にも平穏を安定をもたらした。あらゆる人々を受け入れ、移民になることが容易だった。
・崩壊しかかっている国はほとんどといっていいほど、国境が直線になっている。19世紀の版図か植民地だったためで、民族、宗教、人種、部族とは無関係に国境が引かれ地形すら考慮されていないからだ。
・アラブの春は、スマホのソーシャルメディアに大きな潜在力があることを明らかにしたが、同時に大きな弱点も暴かれた。ソーシャルメディアでは意思の統一ははかれない。
・リーダシップが誕生するまでの期間を短縮することはむずかしい。シャルル・ドゴール、ドワイト・アイゼンハワー、ジョージ・ワシントンは、もがき、倒れ、起き上がっては連合を1つづつ積み上げて指導者になり、偉人になった。
・ロシアや、中国がサイバー攻撃という非対称戦を実行したのは、ほとんどコストがかからないため、西側では個人が法的に保護されているが、ロシアでは、メディアが規制されているので情報が広い範囲に行き渡るのを防げる
・愚かな人間の行為を浄化できるのは、母なる自然しかない。
・両親は私が幼いころから、人種差別主義者にならないよう私に教えたが、言葉でそう導いたわけではなかった
・アメリカ史としてみんなが陶酔していた最高の時代とは:公共政策と政治がうまく機能しつづけ、排他的でない政治が行われるためには、パイの拡大が欠かせない。収入格差が縮まり、繁栄が共有されて高い成長と高い平等がもたらされた。
・愛着をもって区域と結びつき、社会で私たちが属しているその小さな集団を愛することは、公共への情愛の起源である。
・彼らが信頼を示そうとする前に、私のほうから信頼を示すのです。
・だれもが、自分の習慣をまもってよいが、その根底にある特定の価値観、女性、法の支配、さまざまな宗教、公的機関、コミュニティの空間をどう扱うか をゆるがせにしてはならない。
・ヨーロッパの多くの国では移民をその国の主流の文化に溶け込ませるのに失敗したために、高い代償をはらった。分離したり、隔離したりする未来よりも、共有する未来の方がのぞましい。それには、信頼を打ちたてることがもっとも重要なのです。
・加速の時代には、学校とその後の人生で、だれもが、腕をあげなければならないということだ。そのためには、もう取り残される子供がいる状況を見過ごしている余裕はない。
・思いやりのある大人やメンターが若者にとって死活にかかわるくらいに重要だということだ
目次は以下です。
<上巻>
Part1 熟考
1 遅刻してくれてありがとう
Part2 加速
2 2007年にいったいなにが起きたのか?
3 ムーアの法則
4 スーパーノバ
5 市場
6 母なる自然
Part3 イノベーティング
7 とにかく速すぎる
8 AIをIAに変える
<下巻>
9 制御対混沌
10 政治のメンターとしての母なる自然
11 サイバースペースに神はいるか?
12 いつの目もミネソタを探して
13 故郷にふたたび帰れる(それに帰るべきだ)
Part4 根をおろす
14 ミネソタから世界へ、そして帰ってくる
<その後>それでも楽観主義者でいられる -
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2001年から2016年に世界におきた、イノベーションとグロバリゼーションが世界に与えたものは何かをよく考えようというのが読者への投げかけです。
854頁におよぶトーマス・フリードマンの大作、読みでがありました。
上巻は2007年のテクノロジーのブレークポイントから、変化に翻弄される社会や人々を描きます。
結論は、こうです。
「アメリカの悪いところは、無数のコミュニティ、田園地帯、都市部の多くが崩壊していることだ。
しかし、いまのアメリカの良さは、団結して、市民が自分の将来に責任を持てるようにスキルとチャンスを得るのを手助けしているコミュニティや地域も、無数にあることだ。
強権をふるう男ではなく、強力なコミュニティのみが、アメリカを再び偉大にする」
歴史のブレークポイントは、3つ
2001年 グランドゼロ
2007年 デジタル・テクノロジー
2008年 リーマンショック
グローバリゼーションと、テクノロジー、気候変動の同時進行が、中流を支えてきた、高賃金で中スキルの仕事が、高賃金で高スキルの仕事と、低賃金で低スキルの仕事に二分されていく。それが個人のスキルの習得や、社会の制度の変化に追いつかない状況で起きていくといっています。
上巻で気になって点は、次の通りです。
・人生で恐るべきことはなにもない。理解する必要があるだけです。
・相手の遅刻のときに、熟考できる。だから、遅刻してくれてありがとう。立ち止まって、熟考しよう。
・2007年におきたイノベーション、スマホ、クラウド(VMware),Hadoop,キンドル、インテルのMPUへ非シリコン素材への適用等、技術のブレークスルーが2007年に起きている。
・ムーアの法則、Hadoopのおかげで、非構造化データを一元的に整理できるようになった
・スーパーノバ:クラウド、高速通信、ビッグデータ、AI。
・情報集約的なプロセスをデジタル化することで最大90%のコストが削減できターンアラウンドタイムが数桁改善されうる。世界の相互依存が高まり、ビジネスの創造者と破壊者のどちらにもなれうる。
・気候変動と、人口の爆発的増加、グローバル経済に環境ショックで対応している。
・ますます加速する社会、テクノロジーに、人々や政府が順応し管理する能力の間には大きなギャップがうまれてしまった。それを乗り切るためには、環境の変化の速度以上に速くすすむようにパドルをこぐことだ。
・AIによって奪われる仕事もあるが、あたらしく生み出される仕事もある。
①ミドルクラスの仕事は急速に引き上げられ、高度化している。
②ミドルクラスの仕事は、急速に引き離されている
③あらゆる仕事が急速に引っ張り合いになっている
④あらゆる仕事が急速に引き下げられている
・科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学 この4つのスキルがいまでは必要最低限になりました。
・(業務)システムは全体として人々を取り込むのではなく、除外するように設定されている。ために、基本的な仕事すら適格でない求職者が殺到し、被雇用者は自分が求職しているのがどういう仕事かわかっていない。
・加速の時代に、仕事の世界で知的アルゴリズムが極めて重要である。
目次は以下です。
<上巻>
Part1 熟考
1 遅刻してくれてありがとう
Part2 加速
2 2007年にいったいなにが起きたのか?
3 ムーアの法則
4 スーパーノバ
5 市場
6 母なる自然
Part3 イノベーティング
7 とにかく速すぎる
8 AIをIAに変える
<下巻>
9 制御対混沌
10 政治のメンターとしての母なる自然
11 サイバースペースに神はいるか?
12 いつの目もミネソタを探して
13 故郷にふたたび帰れる(それに帰るべきだ)
Part4 根をおろす
14 ミネソタから世界へ、そして帰ってくる
<その後>それでも楽観主義者でいられる -
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「グレイマン」シリーズ第10弾。前作で負った怪我が治り切らないまま次の任務に出るジェントリー。体力が戻らず動きが鈍く思うようにいかない。それでも助けたい人のところへ行く。今作はジェントリーのゾーヤへの想いがこれまで以上に描かれているのもいい。そらでもやはり戦闘シーンの迫力は圧倒的で下巻に入ってすぐにあるシーンには驚く。体の動き、目線、一瞬を狙う研ぎ澄ました心。そういったものが途切れることなく続く。終盤にももう一度ピークが来て最後まで素晴らしい。シリーズ10弾まで来たけれどまだまだ衰えず傑作続き。次作がが気になる要素も色々とありこの先も楽しみは続きそう。
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ネタバレいやぁ、面白い。
グレイマン、ハイタワー、ザハロワが勢揃い。あ、そこに、マットも来ました。
これだけ役者が揃えばね、大変なことになる訳です。しかし、テクノロジーの進歩は、テロ手法に進歩にもなると言う、悲しい側面も明らかになりましたね。こう言う手で来ると言うのは容易に予見されるのに、屋上でドローンが見つかる日本の首相官邸はなんなんだか。
和解したとみえていたCIAとグレイマンですが、和解したのはCIAではなくて、マットだったんですね。マットの左遷と共に、再びグレイマンは追われる立場になる訳ですが、物語的には、次もあると言う事で。 -
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出るたびに必ず読んでいる当代最高峰とも呼ばれるアクションシリーズの邦訳最新。主人公はCIAの特殊部隊にもいた凄腕の暗殺者で一時は所属していた組織から命を狙われていたが今は和解して独立したエージェントとしてCIAから仕事を請け負っている。前作で負傷し本作では重い感染症に倒れている。そのため本来は彼が請け負うような仕事を同じ立場のエージェント達が対応し一人はベネズエラで拘束されもう一人はベルリンで窮地に陥ってしまう。愛する女性の危機を救うべく感染症が完治してないにも関わらずベルリンに飛ぶ主人公。ベネズエラでは死んだと思われていたNSAのソフトウェア技術者が生きているらしいといいうことでその真偽を確かめる、という任務、ベルリンでは怪しげな民間軍事情報会社を探る、という任務でそれぞれ異なる話のはずが…という展開。単純な米国対どこかのならずもの国家、という図式ではなく様々な思惑の国家や機関が登場しかなり複雑な設定になっているのだがさすがの手さばきで全く混乱することなく一気に読ませる力量がやはりものすごい。最終的にまた立場が変わってしまった主人公、既に次作が待ち遠しく作者の術中に完全にはまってしまっている…アクションやミステリ好きにはたまらない作品。非常に面白かった。おすすめです。
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ネタバレ上巻に続く下巻の舞台はベルリン。
本作は珍しく、冒頭に南米に行く以外はベルリンで終始するという珍しい作品。
下巻ではいよいよ民間情報セキュリティ会社を隠れ蓑としていた陰謀の全貌が明らかになり、ジェントリー含むCIAアセット3人が共同して、敵に立ち向かっていく。
本作は登場する勢力が多く、途中から伏線回収漏れや、組織同士の関係がぐちゃぐちゃになりそうなものだが、さすが。ちゃんと最後にはすべての伏線を回収して収まる。
今回はCIAの正規の作戦なだけに、読むほうも安心して読み進められるのが個人的には良かった。
最後の終わり方が気になるが、次回作にまた期待したい。 -
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ネタバレ暗殺者グレイマンシリーズ10作目。
ぶっ飛んだ設定で常時絶体絶命のコートランド・ジェントリーの物語も10作目かーと思うとフィクションとは言え良く生き延びたなと感慨深いものがある。
今回はキリの良い10作目にふさわしい名作だった。
特に、前作は面白いものの胸糞悪くなる内容が多かったので、今回は単純にスカッとする内容だったのも良かった。
物語の始まりは、南米においてジェントリーの同僚であるザックが任務失敗する所から始まる。
ジェントリーは前作から数カ月の身で、前回の戦闘のダメージが完治していない。
それどころか、ナイフで刺された鎖骨が感染症を発症し、完治まで絶対安静の状態だった。
にもかかわらず、CIAは彼をザックがやっていた任務に放り込む。
ジェントリーは厳しい体調に関わらず、任務をこなすが、予期せぬ暗殺チームとの戦闘に巻き込まれ、自分は大きな陰謀の渦中にいることに気付く。
そして病を押して、陰謀の中心であるドイツ・ベルリンへ飛ぶ。
相変わらず展開が速く、アクションシーンも豊富なものの、特に上巻は誰がどこで糸ひいている黒幕なのかという謎解き要素も面白い。
面白すぎて一気読みする作品でした。 -
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すでに目的が何なのか分からなくなっているがやめられない戦争。タリバンがアフガン全土を掌握したあとに読むとますますそう感じられるが、本書の舞台である2009年時点でも「おれたちのキーティングでの任務は、このMRE(携帯口糧)をクソに変えることだ」というくらい泥沼化も見えていた。それでも前線の兵士にとっては上官に疑問をぶつけるのが仕事ではない。
第二次大戦後の日本でも戦友会は一種のセラピーとして機能しているとの指摘(保阪正康?)があったが、本書も著者にとって、戦場の霧を少しでも晴らし、あの日に何があったかを整理・記録して外に吐き出す意味があったのでは。
異常に好戦的なやつとか、隠れていた自軍のアフガン人通訳を見つけて撃っていいいか聞くやつとか、日常生活では関わりたくない連中が優秀な兵士とされる。限られた人数の職業軍人(それも貧しい出自が多い)を何度も繰り返し海外派兵しなければならない状況。それでも極限状況下での兵士たちの連帯は単純に胸を打つ。
しかし四方八方から好き放題に銃火を浴びても持ちこたえるのだし、そんな前哨を何年も維持していただけでも彼我の戦力差はとんでもない。タリバンはどんなつもりでキーティングに全面攻勢をかけたのだろう。航空支援が来たらそこまでなのは百も承知のはず。もっと短期決戦にすべく果敢に突撃できなかったのか。そんなこと考えても仕方ないが。 -
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ネタバレ舞台はイタリアのヴェネチアから大西洋を越えてロサンゼルスへ。性的人身売買のコンソーシアムのパイプラインが行き着く場所へとたどり着く。最初に囚われの女性たちを救えなかった悔恨をコンソーシアムにぶつける。下巻ではタリッサがジェントリーとは別行動をとり、ジェントリーが戦闘などの体育会系と、タリッサが情報の収集と分析を担う頭脳系と役割分担する。タリッサは妹を救出するために必死でいい仕事をする。決着がほぼついたときの行動は格好いい。ラスボスとの闘いの時は、ここで一気にと思いきや、ジェントリーも大人の事情を酌んでしまうのが意外だった。まあどう転がっても面白いのがこのグレイマンシリーズなのである。
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CIAの機密情報を漏えいしていたモグラの正体が判明。モグラを動かしていた黒幕によるペスト菌散布作戦も実行に移されるが、グレイマンとゾーヤ、ザックにより阻止される。今回はチーム戦で敵を斃すのがいつもと違うところ。そしてグレイマンを何度も痛めつけるハインズの恐ろしさも際立つ。終盤は、ジェントリーのその具合では作戦行動などできなさそうだが、苦難を乗り越えつつきっちりと仕事をするのがグレイマンのすごいところ。そこはシリーズ通して変わらない。何人かの登場人物が別名を持っているので読みにくいかと思ったが、そうでもなかった。ジェントリーとゾーヤの素直なんだか強情なのか複雑な距離感にやきもき。でも、二人とも、それが“らしい”んだけどね。
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グレイマンが乗っている飛行機が英国で襲撃される。一緒に乗っていた囚人を奪われた。同時に、CIAの監視下に置かれているゾーヤの居場所も襲撃される。グレイマンの当初のミッションとは関係なく、囚人奪回に動かされる。また、細菌兵器を研究するウオン博士がロシアの陰謀に使われる。これらが入り混じって物語は進む。大きな陰謀の謎は上巻で明らかになり、おそらく下巻ではその陰謀を阻止するためにグレイマンとゾーヤが活躍するのだろう。ノンストップ活劇なのはいつもと同じ。謎が複雑に絡み合うのが面白い。なお、ゾーヤは「暗殺者の飛躍」でグレイマンと一緒にミッションを遂行した女性だ。