左巻健男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
久しぶりに左巻健男の本を読んだ。彼の本は時々でも読むべきだと思う。この世がいかに「ニセ科学」に溢れているか。EM菌などは学校教育にまで入り込んで教師に信者がいたほどだ。
今回の「健康常識」はヤッパリと納得安心するものが多かった。それにしてもスマホ全盛の現代ではニュースを見ても天気予報を見てもゲームをしてもとにかく「ニセ科学商品」の宣伝に出会わないことがない。加工した写真を堂々と使うシワ伸ばしなどに誰が引っ掛かるものかとあきれるが、こうしたものが何の規制もなく載せられるのはどうにかできないものか。
名の知れたメーカーがエビデンスのないものをテレビや新聞で宣伝するのを素通しさせるマスコミもおかしい。
宣伝料が欲しいのだろうがいくらいい記事いい放送をしても、結局自分たちの価値を下げる結果になっていることが分からないのだろうか。 -
Posted by ブクログ
990
左巻健男(さまき たけお)
東京大学非常勤講師。元法政大学生命科学部環境応用化学科教授。『理科の探検(RikaTan)』編集長。専門は理科教育、科学コミュニケーション。1949年生まれ。千葉大学教育学部理科専攻(物理化学研究室)を卒業後、 東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻を修了。 中学校理科教科書(新しい科学)編集委員・執筆者。メディア出演をはじめ、理科教室や講演会の講師も精力的に務める。おもな著書に、『面白くて眠れなくなる理科』(PHP)、『世界史は化学でできている』(ダイヤモンド社)など。
このような特徴をもったものにハマった陰謀論者は、「私は特別な能力をもっていて、巨大陰謀を見破り〝真実〟を知っているのだ」という自己肯定感をもつことができます。
「陰謀論者の態度には不可解な点が多い。たとえば彼らは、『大量の爆薬をどうやって誰にも気づかれずにビル全体に仕掛けることができたのか』という質問に決して答えない。(中略)自分には理解できないが、何トンもの爆薬をこっそり仕掛けられる魔法のような手段がきっとあるのだろう……と信じているのだ」 「彼らと何度も議論した経験から言わせてもらうなら、彼らの共通点は想像力の不足である。とりわけ『他人の立場になって考えてみる』という能力が決定的に欠けている」 「彼らを論理で説得するのはまず不可能である。なぜなら彼らは、正しい論理を理解できないだけでなく、自分が論理を理解できないこと自体が理解できていないのだ。だから、『それは論理的にありえないでしょう?』といくら力説しても、馬耳東風なのである」
著者の川口さんによると、国内メーカーからミミズを購入すると一キログラムで七〇〇〇円から八〇〇〇円、数量でだいたい二五〇〇匹だったそうです。牛肉なら安価なもので一キログラムが数千円の単位とのことです。 私は、母にミミズを食べさせられたことがあります。風邪をひいて寝込んでいるとき、鍋で多量のミミズを煮て煎じたものを、「解熱剤」として飲まされたのです。このことを思い出すとき、ふたを開けた際に見た多量の伸びきったミミズの姿が今でも脳裏に浮かびます。
近代スピリチュアリズムは、一八四八年にアメリカ合衆国ニューヨーク州の寒村ハイズビルのフォックス家で起こったとされるポルターガイスト(騒霊現象)事件から始まりました。フォックス家で次女のマーガレットと三女のケイトという幼い姉妹がベッドに入ると、物を叩くような不気味なラップ音が鳴り響いたのです。
さらにメールには資金集めに関連して、ワシントンの「コメット・ピンポン」のオーナーであるジェイムズ・アレファンティスの名があがっていました。アレファンティスは民主党の支持者として目立つ存在でした。 その「コメット・ピンポン」で二〇〇八年に「身近な人を集めてオバマ大統領の資金パーティーを開く」というメールが見つかりました。このレストランが「ピザ」店であることから、「コメット・ピンポン」は民主党の有力政治家や献金者が出入りする小児性愛者グループの一大拠点だと思い込んだ人たちが出ました。グループの中心はヒラリー・クリントンで、店の地下室に子どもたちを 匿っているという話を信じるようになりました。 この疑惑はトランプ支持者を中心に、アメリカの大手掲示板やSNS上などに拡散されました。 「コメット・ピンポン」オーナーや従業員などは、嫌がらせや脅迫を受けました。そして一二月四日、疑惑を信じた二八歳の男が「コメット・ピンポン」にライフル銃を持って押し入り、店内の壁や机、ドアの三カ所に発砲しました。幸い、けが人は出ていません。なお、店に地下室はありませんでした。 ピザゲートの内容はいろいろと検証されてでっち上げの虚構である、つまり陰謀論とされていますが、アメリカではSNSなどで拡散され続けています。このピザゲートはQアノンにつながって、さらに大きな陰謀論となっているのです。
【Q】によるこうした一連の投稿に影響された人たちは、陰謀論を唱えるリーダーを信奉してそれに従うのではなく、自分たちで謎を解明して紡いだという物語をつくりだすことができたので、何よりも納得できて信じられるということになっているのでしょう。 アメリカでは小児性愛者など子どもを傷つけた人々への反発は日本の比ではありません。Qアノンは、「子どもを救え」というキャッチフレーズで仲間を増やしました。 また、アメリカは日常生活を支える社会規範や道徳にキリスト教が強く影響しています。聖書の考えがすべてというキリスト教保守派にとっては、近年、無神論者が増え、宗教の世俗化が進んでいる状況は憂うべき事態です。 正直者が損をし、犯罪が増えているのは信仰を忘れたからだとするキリスト教保守派と、悪魔崇拝主義者を攻撃するQアノンとの結びつきは強くなっていきました。 Qアノンは「〝今〟が大切だ。〝今〟を逃すと手遅れになる」という思いでいっぱいです。Qアノンはアメリカ各地でのトランプ支援集会に、QアノンのTシャツやステッカーを身につけ、大挙して参加するようになりました。こうして政治運動化していったのです。
アメリカでは小児性愛者など子どもを傷つけた人々への反発は日本の比ではありません。Qアノンは、「子どもを救え」というキャッチフレーズで仲間を増やしました。 また、アメリカは日常生活を支える社会規範や道徳にキリスト教が強く影響しています。聖書の考えがすべてというキリスト教保守派にとっては、近年、無神論者が増え、宗教の世俗化が進んでいる状況は憂うべき事態です。 正直者が損をし、犯罪が増えているのは信仰を忘れたからだとするキリスト教保守派と、悪魔崇拝主義者を攻撃するQアノンとの結びつきは強くなっていきました。 Qアノンは「〝今〟が大切だ。〝今〟を逃すと手遅れになる」という思いでいっぱいです。Qアノンはアメリカ各地でのトランプ支援集会に、QアノンのTシャツやステッカーを身につけ、大挙して参加するようになりました。こうして政治運動化していったのです。
また陰謀論は、社会が混乱し不安感が高まるときに強まります。 たとえば、まだ建国して間もないアメリカ合衆国で国のあり方として連邦主義と反連邦主義とが激しく争われていました。
当時、モールス信号など電信の発明で知られる画家のサミュエル・モールスの父で、連邦主義派のジェディディア・モールスという地理学者兼牧師がイルミナティ陰謀論を言い出しました。「イルミナティはフランス革命の黒幕である」として、反連邦主義者がフランス革命の過激さを繰り返すのではないかとの恐れを強く述べたのです。 それは、「自分たちは強大な組織に狙われているのだ」という説明です。モールスは証拠を求められると「これらのすべての証拠を求めるのですか? それはあまりに多く、あまりにむごいので、どれを選べばいいかわかりません。これは誰もが知ってることです」と回答したのです。
フランス革命では、革命で没落した貴族や聖職者といった旧勢力派側も、約束された自由の天地が始まるはずと思っていました。それなのに恐怖政治の時代へ逆戻りしてしまったことに憤慨する革命派側も、その理由を探す必要が迫られていました。そこにイルミナティ陰謀論が登場したのです。
映画監督の増山麗奈氏は、一時的にせよQアノンに感化されたことを反省しています。
「よく考えれば『トランプは唯一無二の救世主』という主張は何の根拠もないことがわかるのだが、インターネットの動画を深夜1人で見ていて、周りのSNSに賛同者しかいなくなると、人は冷静さを失う」
「最初にショックを与えて外部と遮断させ、その恐怖から逃れたいという状況につけ込んで説得するというのは、カルト宗教組織やテロ組織でも用いられる洗脳の常套手段だ。実は、深夜1人でネットサーフィンをしていた私は、こうした洗脳を受けているのと同じ状態になっていたのだと思う」
バイデンとトランプの戦いになった米国大統領選挙と併せて「陰謀論」の背景を語ります。 ・二〇二〇年一二月八日、光(トランプ陣営)と闇(バイデン陣営)の地球規模の最後の聖戦。光の勢力が闇の支配者(ディープ・ステート)に勝利したが、主要メディアは「大統領はバイデンに決定」としか報道せず、人々を洗脳し闇の支配は続いている ・コロナ禍は、闇の支配者によって、人口削減と人の支配のために意図的につくられた「偽装パンデミック」がその実態である まさに「Qアノン」の主張と同様です。
一方、陰謀論は、人によっては「癒やし」になっているようです。不安が強まる社会の中で、「闇の支配者が進めている世界人口の削減、最後の世界聖戦などの秘密を自分だけが知っている」という感覚は、プライドを高め、自己高揚感をもたらすのでしょう。
一方、陰謀論は、人によっては「癒やし」になっているようです。不安が強まる社会の中で、「闇の支配者が進めている世界人口の削減、最後の世界聖戦などの秘密を自分だけが知っている」という感覚は、プライドを高め、自己高揚感をもたらすのでしょう。
科学的な根拠はありませんが、代替治療のなかで欧米で人気を博していて、わが国でも助産院などで使われて問題になったものが「ホメオパシー」です。 ホメオパシーは一八世紀から一九世紀にドイツの医師ハーネマンが始めたものです。ある症状によく似た症状を引き起こす物質を、その物質が含まれないくらいに水で薄めて砂糖玉にしみ込ませた「レメディ」を薬として使います。
このがんは、手術で除去するしか医学的に認められた対策がないというのに、ジョブズは手術を拒否してしまったのです。そこには若い頃からの東洋思想などの影響で、体を切り刻まれたくないという気持ちと、西洋医学への拒否感があったのかもしれません。「権威を信じない」「自分一人を信じる」という彼の信念がそうさせたのでしょう。 ジョブズは、新鮮なニンジンと果物のジュースを大量にとる絶対菜食主義を貫きました。それに 鍼 やハーブ薬なども併用して実践し、ほかにもインターネットで見つけた療法や心霊治療の専門家など他人からすすめられた療法も試しました。これらの療法の実践は、すい臓がんと診断されてから九カ月間続きました。
ジョブズは取材したアイザックソンにこう告げました。 「体を開けていじられるのが嫌で、ほかに方法がないかやってみたんだ」 そのように当時を回想するジョブズの声には悔やむような響きが感じられたと、アイザックソンは述べています。 二〇〇八年になるころ、がんが広がりつつあることが明らかになりました。それが一般にも知れわたるようになり、その懸念からアップルの株価が下がりはじめました。 肝臓移植手術もしましたが、内臓を囲んでいる腹膜に斑点が認められました。がんの進行は思ったよりも速かったのです。 二〇一〇年一一月に体調が下り坂となり、痛みがひどくて食事ができなくなりました。翌年一月には三度目の病気療養休暇をとることになり、七月には骨など体のアチコチにがんが転移し、もはや分子標的治療でも適切な薬を見つけられなくなったのです。
ゲーム脳理論が正しいかどうかを明らかにするには、プラセボ効果を消すために、ゲームを長時間やっているかどうかという点以外には違いがない二つのグループについて、学業成績や問題行動などを比較しなければなりません。 ところが、そのような調査・研究はこれまで例がありません。したがって森氏の「ゲーム脳」の考えには調査・研究にもとづく根拠がないのです。
発達障害は生まれつき脳の機能の一部に障害があることが原因と考えられますが、その原因はほとんどが不明です。たとえば、自閉症の発症に結びつくようなミネラルを含む原因物質は見いだされていません。 つまり、生まれてからのミネラル摂取不足や食材の残留農薬、食品添加物などの摂取が原因で発達障害が起きたわけではありません。
そしてまた無農薬栽培といえば青森県のリンゴ農家である木村秋則氏が絶対不可能といわれていた完全無農薬リンゴ栽培に成功したという「奇跡のリンゴ」の話を思い出します。 その木村氏は二〇一五年末ごろから体調が悪化し、二〇一六年一〇月に胃がんと診断され、胃を切除する手術と化学療法を受けています。この胃がん手術後の木村氏は体重がなんと二九キログラムだったとのことでした。とはいえ標準治療が功を奏したのか、現在は講演活動もしているようです。 彼は、「無農薬にこだわり自然米だけを三〇年以上食べてきたので、がんがこの程度で済んだ」と述べています。
わが国は世界でも有数の長寿国になって、健康への異常ともいえる執着があるのではないでしょうか。そしてまた、お金を持っている人もけっこういます。 そういう人たちをだますには、人々が信頼感を抱いている「重要な人類の文化のひとつであり、もっとも論理性や実証性を有している科学」で裏打ちされているとアピールできるのがいいでしょう。科学知識や科学センスに弱くても、科学っぽい雰囲気にはだまされやすいもの。「宇宙エネルギー」や「ピラミッドパワー」でさえも、科学的な雰囲気を感じてしまう人がいるのです。
だから頭が良い人も陰謀論やニセ科学にだまされるのはよくあることです。 私は、人間には、何事も信じることから始める人、何事も疑う人、慎重に考える人まで、いろいろ存在すると考えます。そのなかで私は「何事も疑う=考える人」をめざしています。すると「自分だけは〝真実〟を知っている」という高慢な態度はとれません。
ガイ・P・ハリソンは、良き懐疑論者になることを勧める著書でどのように述べているか、以下に要約しておきましょう。 学べば学ぶほど、自分がいかに無知であったかがわかる。自分がこれから学び、経験できる物事が尽きることがないと考えると、うれしくてたまらない。だから、まともな証拠もない事件や能力、怪物をめぐる主張に興奮しろと言われても無理。実際に存在している驚異がいくらでも目の前に溢れているので、ありもしない出来事に関わっている暇などない(ガイ・P・ハリソン著 松本剛史訳『Think 疑え!』〔集英社インターナショナル 二〇一四〕)。
オカルトおよびニセ科学は、人にとっては癒やしになることもあるでしょう。とはいえ自分の人生を他者や何者かに依存し、無駄なお金や時間を消費したり、カルト教団などへ傾斜したり、治る病気が悪化するなどというマイナス面もあります。
次にとくに健康系ニセ科学にだまされないために心がけておきたいことを、三点あげておきましょう。 ・たったひとつのもので、あらゆる病気が治ったり、健康になったりする万能なものはない ・お金がかかり過ぎるのはおかしい ・ネットや本などでまともな情報を調べてみると意外に有益なものがある
だまされないための基本は「知は力」ということです。これはニセ科学に引っかからないためのセンスと知力であり、科学リテラシー(常識)が求められます。
ニセ科学あるいはニセ医学でだまそうとする商品には、その説明にいくつかのキーワードが見られます。「波動」、「共鳴」、「抗酸化作用」、「クラスター」、「エネルギー」、「活性」や「活性化」、「免疫力」、「即効性」、「万能」、「天然」などです。 -
Posted by ブクログ
この著者が以前に書いた本、「水はなんにも知らないよ」も読んだことがあります。当時、けっこう流行っていた「水はなんでも知っている」とかいう本に対する批判の内容で、実は勤め先で、この「なんでも知っている」の方を読んでいる人、正しいと信じている人が結構いるのに驚いて、両方を合わせ読んだのでした。
今回の本は、その内容も含めて他のニセ科学についても取り上げ、かつ、それが学校という教育現場で先生の手により正しいと、子どもたちへの教育効果があると信じられ教材に取り上げられてきたことを合わせて取り上げているところに興味を惹かれました。
取り上げられていたテーマは、「水からの伝言」「EM」「TOSS(Teachers' Organization of Skill Sharing)」「ゲーム脳を始めとしたニセ脳科学」「食育教育」「原発教育」、その他多々。一つ一つのテーマの内容、ニセ加減、などは個々に知っていることが多かったですが、それが実際に、教えるための指導要領案がTOSSによりサイト公開され、学校で先生たちに取り上げられ、正しいと信じられて教えられてきたこと、授業展開に活用されてきたことが驚きでした。
が、そういえば実際に子どもが小学生のころ、学校にPTAの用で行ったときに、職員室前の廊下に堂々と、水に、植物に良い言葉をかけようという掲示がされていたのでした。当時、見てすごくびっくりしたのでした。
大元の考えを広めた人達は、本当にそれを心から心底信じてのことなのか、それとも内心ではその怪しさを認識しつつ、隠しているのか、そこはわからないのですが。少なくとも、先生たちは子どもたちのためになる、「科学的」に正しい内容と信じて教えているところが、なかなか厳しい。一つ一つを、正しいかどうかファクトチェックするのは大変なことではあるし。正直なところ取り上げられているテーマのうち、「天然」「無農薬」あたりは、自分もこだわってきたものだし。
現状でも「コロナ」「ワクチン」「マスク」などや、「スマホ脳」「AI」など、科学的に正しいかどうか、根拠があるかどうか、きちんと調べ尽くしたりはしていないのが我ながら実情です。 -
Posted by ブクログ
いかにも科学的な言葉で惹き付けるような商品や事件に惑わされるな と警鐘を鳴らす内容。
有名なところでは、実はアポロ11号は月面に降り立っていない!と言うもの。かなり昔テレビでもやっていたな。空気のない月で、なぜ国旗が揺れるのかとか、月面から見た空(宇宙)は真っ暗なのに星一つ見えない なんて。
それにはちゃんとした科学的理由がある。
またUFOの話しで最も有名なロズウェル事件。
オカルトっぽい内容では、こっくりさん、有名霊媒士、胎内記憶、ユリゲラーのマジック(?)、宗教団体による手かざし療法、ノストラダムスの大予言。これらも既にネタばれになっているが、一刀両断。
最近の例では、Qアノンや反ワクチン、スティーブジョブズなど有名人もはまった医療法。
なぜもこう人間って、普通なら信じられないものを信じてしまうのか。
これには訳があって、例え正確な情報や知識を得ていたとしても、時には情報を歪め、あえて誤認識するように働く「認知バイアス」と自分が信じていることを裏付ける証拠や議論ばかりに目を向け認知する人的傾向の「確証バイアス」があるからだと言う。
対処方法は色々な側面から柔軟に考えること。基本は「知は力」。
割とページを割いていたのが、胡散臭い水商品とEM菌。
これも普通だったら引っ掛かるとは思えないのだが、敵もさるもので、フェーク話で上手く宣伝をし、マインドコントロールしているんだろう。実際訴訟では、全く科学的根拠が無いと敗訴している。
にも関わらずだ、特に自民党の政治家さま方は、バックアップ団体と見られる組織の役員にご就任されているようで(しかも安倍政権時代)、何だか今の旧統一協会スキャンダルそのものじゃないの?
と言うような現実的な話しも見えてきて、興味が増した。 -
購入済み
少し中だるみする所もありますが
良書だと思います。
中だるみの理由ですが、様々な物質を紹介するため説明が途切れ途切れになりがちな事です。
そのため物語のように引き込まれる文章ではありません。
しかし書名の通り、作られた化学物質で歴史にも影響するスケールの大きさは面白いです。
途切れ途切れの反面、今も日常に溢れる多種多様な物質の説明は為になります。 -
Posted by ブクログ
水からの伝言やEM菌については、この本を読んで初めて知りました。自分も子ども達も、そういう授業を行う教師に担任をしてもらわなくて良かったというのが率直な感想です。
私達の人生に対して影響力を持つ教師や政治家などに、ニセ科学の信奉者が多数いることに驚きました。
また、ゲーム脳や白砂糖有害説などを、テレビ番組でとりあげられ、書籍にもなっているので、何となく本当だと信じていたことが、実はニセ科学だと知りがっかりしました。
著者は、水伝やEM菌の信奉者達、特に教師集団に対して批判的です。その人達を批判している割合が多いのですが、それだけ危機感を抱いているのでしょう。
確かに、教師が、根拠のない嘘を闇雲に信じて、子ども達に教えていると思うと恐ろしい話です。
ニセ科学に限らず、いろいろな価値観に対しても、人を教える立場にある者はニュートラルでいるべきです。
自分も、科学リテラシーを高め、いろんな側面から考えるようにすることが大事だと思いました。どんな説でも賛成派と反対派があので、なるべく両方の意見を知ることが必要ですね。
そうだとすると…この本についても、著者の意見だけでなく、ニセ科学信奉者達の意見も聞いてみるべきかもしれません。
私が一番興味を持ったのはかけ算の順序強制問題です。子どもがかけ算を習った時から疑問に思っていました。どうして、ab=baという法則があるのに、それを否定するのか。やっと原因が分かりました。こんなくだらない理由で、子どもに嘘を教えないで。ab=baは法則です。abとbaで意味が違うなんてナンセンスです。
このかけ算の順序強制問題は、最後の一章分に簡単に書かれていただけですが、このような「その他のニセ科学」についてもっと知りたいと思いました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ似非科学や怪しいスピリチュアルに騙されないためにも必読の一冊だと思います。
世間には遠赤外線の効能を謳った鉱物が売られているが、結局はその温度に応じた波長の光を出しているだけなので、遠赤外線に関する効果は同じ温度の石ころと大差ない。
物質と物質の境目を界面という。
その界面を変化させるものが界面活性剤。
水素は体内で多量に作られている。
作っているのは大腸の水素生産菌。発生するガスは毎日7~10リットル。おならとして外部に出るものを差し引いても体内に1リットル以上の水素を人は含んでいる。水素水1リットルにはせいぜい数十ミリリットル程度の水素しか含まれないから、水素水を飲んだところで何も変わらない。
おならは400~2リットル一日あたり放出される。その中には水素が10~20%含まれている。窒素の次に多いのが水素。
一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結びついて体内に酸素が循環することを妨げてしまう(酸素と結びつく力の200倍の力で結びつく。)空気中に0.32%あるだけでも30分間で死に至る。 -
Posted by ブクログ
ニセ科学を広めている人には、教員や大学教授・政治家・組織の長など、特別な社会的地位のある人も多いことに驚いた。誰が言った情報かを知るのは勿論大切だが、それだけで判断することはできないということだ。情報の溢れる現代社会において重要なことは、①真偽を見抜く科学的リテラシー(知識・読解力・思考力)と②確証バイアスに囚われず、1つの物事に対して多角的に考えられる柔軟な視点を持つ姿勢である、ということを覚えておきたい。
というわけで、本書は非常に面白かったがその分、ニセ科学を叩く視点ばかりだったので、本書で紹介されているニセ科学本も読まないとフェアではないんだろうな、と。