左巻健男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ似非科学についてユリ・ゲラーやノストラダムスといった懐かしいものからQアノンまでかなり広範に扱っている。著者が代表をつとめているという雑誌の宣伝がやや過剰に繰り返されておりやや興ざめ。
著者は科学者らしく「ポジティブな証拠がない=デマ」と片付けてしまうのだけど、このへんは好き好きかも。特に健康に関することは高いお金を払わされたりするのでなければある程度は個人の自由かなぁと思った。ローフードやビタミン信仰など、効果がないか、あったとしてもごく微量なことが明白なものは世の中に溢れているけれど、他人に迷惑をかけない範囲で楽しんでいればそれはそれでいいのでは。わざわざ啓蒙する必要もないように感じた。 -
Posted by ブクログ
同じ著者の同じような本をすでに読んだのに、また買ってしまった。
ニセ科学については、以前読んだ本とだいたい同じ内容。本書ではとくにEMについての批判が多かった。巷に溢れるニセ科学の中でも、わりかし信じている人が多く、なんと公立学校でも取り扱われる例もあり、著者が危機感を感じているからだろうか?著者が講演会か何かでEMはニセ科学だと批判し、それが新聞で報じられた後、裁判にもなったらしい。裁判のことは以前読んだ本には書かれてなかった気がする。ともかく裁判ではちゃんと決着がつき、裁判所もEMには科学的根拠がないとはっきり言っている。
最初に、どんな人が騙されやすいか、という記述があって、騙されにくいグループは人口の10%の「抵抗者」とあり、私はニセ科学には絶対騙されない!
この10%の層だ!と思ったのだけど(笑)、内容豊富な本書の中で私が信じていて著者が疑問を呈している項目があり、マジで!?と思った。それは、無農薬野菜や有機農法の野菜が本当に体に良いのか、ということ。
私は日頃、出来るだけ無農薬の米や野菜を買うようにしている。著者によると、農薬を使わなければ害虫などが発生するわけで、野菜によってはその害虫を駆除するために天然農薬を作り出し、それが化学合成物質よりよほど体に悪く、発癌性も高い場合があるとか。まぁ、それは極端だとしても、現状、無農薬農法や有機農法では慣行農法の6割ほどしか収穫できず、効率的に世界の人々の食糧を賄おうとすれば農薬は必要であり、農薬を使ったからといって実際に口にする野菜に農薬が残留しているわけでわけではない。また、有機農法で栽培された野菜が栄養面で優れているという科学的データはない、と。
我が家では無農薬や遺伝子組み換えでない食品、できるだけ国産のもの、という食生活を意識するためにけっこう食費が高めなんだけど、もう少し勉強しなきゃいけないなと思いました! -
Posted by ブクログ
理科教育の専門家として、中学校教員を経て大学研究者としても活躍した著者が、日本の理科教育、ひいては科学教育を歪ませる”ニセ科学”の実態を明らかにする警鐘の書。
取り上げられているのは
・水に対して乱暴な言葉を浴びせれば結晶の形が乱雑になる、という「水からの伝言」
・有用微生物の働きで健康増進など様々なメリットがあるというEM菌
を始めとして、親学、ゲーム脳など広範な”ニセ科学”の数々である。
名前は聞いたことがあるものばかりであるが既にブームを過ぎたものが多いということもあり、こんなものが義務教育の中で実際に教えられた学校があった、という点に素直に驚愕する。
特にこれらのうちの一部、例えば「自らの伝言」が顕著であるが、授業で教えるのが難しい道徳的な概念を一見科学的に見えるように糊塗することで、現場の教師たちが道徳の授業などで使えるツールとして用いられた
、という点には特に留意する必要がある、と感じた。確かに他人に対して乱暴な言葉遣いをしない、というのは学校教育で教えるべき概念であることは否定しないが、その目的が正しいからといって、手法がこのように”ニセ科学”に依拠するものであるのは許されない。公教育においてはそうした現場の教師ニーズから、”ニセ科学”が忍び込んでいく、という悪しきプロセスには今後も気を付けなければならないのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ●→引用
●無農薬野菜と聞くと、体によく安全・安心だというイメージが広まっている。しかし、虫の食害に対抗するために、野菜自身が多種類の防虫成分(天然農薬)を作り出すことをご存じだろうか。それが健康に悪い影響を与える可能性がある。(中略)天然農薬による害の代表的なものに、未熟なジャガイモを食べたことによる食中毒がある。未熟なジャガイモやその芽、日に当たって緑色になった部分にはソラニン類という毒性物質が多く、これが天然農薬となる。(中略)いっとき、本やテレビ、映画で大きな話題となった木村秋則氏の「奇跡のリンゴ」という話がある。(中略)リンゴが自分で作り出している農薬成分こそが天然農薬だ。リンゴが腐らないとしたら、微生物が生育できないリンゴである。そのリンゴはいったいどんな化学物質を含んでいるのか考えると、”奇跡”というより”恐怖”のリンゴだと私は思ってしまう。農薬を適度に使うことによって、リンゴが病気にかかりにくくなり、虫食いにやられなくなる。しかも農薬を使っても一部リンゴの果皮に残留農薬が検出されることがあるが、果肉からは検出されない。果皮で検出される量も基準値を下回っている。(中略)木村氏の無農薬農法がその後、全国で広がりを見せているようには思えない。