あらすじ
思わず徹夜してしまう、ミステリアスな物理のはなし。物理は、世界のあらゆることを記述しており、実は身の周りの様々なところでも、その法則は関係しています。本書では、ストローやアルミ缶など私たちの身近なものを使った科学遊びから、透明人間、万有引力と質量、永久機関のはなしまでを紹介。文系の人でも楽しめる、不思議とドラマに満ちた物理の世界へようこそ。
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Posted by ブクログ
これは本当に面白かった。
世の中で当たり前に見ている現象を、物理の法則を使って説明されていて、元理系の私にはわかりやすく、なるほど!という内容がたくさんあった。
圧力のはなし、浮力のはなしから、もっと身近なストローをすったときの話までとってもわかりやすかった。
また、「鉄と綿1kgどちらが重いのか?」は自分の認識を覆され、とっても興味深く読むことができた。
もっとほかの内容についても続編として出版してほしい内容である。
Posted by ブクログ
古代ギリシャの人が、太陽光の入射角から地球の円周を測った話が面白かったな。
あと、最低温度の話は知らなかった。難しい話はあえて排除し、子供でもわかるような要約で解説してくれるので知らない話がちゃんと腑に落ちて面白い。
全く知らないことにも、何となく知っている話にも、ちゃんと科学的な説明がついていくのが興味深かった。
ただ、なんか、もうちょっと説明してくれたら「面白い!」までいきそうなのになーというのも多かった。流石に子供向けすぎたかもしれない。あと一歩踏み込んでくれたら、とちょっと残念に思いながら次の章を読む、みたいなのも多かったかな。
そんなにページ数も無いのに、扱ったテーマが多かったので、各単元にページ数が足りなかったんじゃないかな。
かといって、ページが増えれば主対象である子供が手に取りにくくなるし、テーマを減らせば読者に刺さる話がある可能性も下がるから結局これがベストなのか。
Posted by ブクログ
分かりやすく書いてある.「万有引力と質量のはなし」に出てくる「無重力状態てなに?」の解説が良かった.重力がないわけではないことは,意外に知られていないと思った.第一宇宙速度が絡んでいるのですね.その他,人に話したくなるようなトピックが満載です.
Posted by ブクログ
Q.北極と南極を貫通する穴をあけてボールを落とすとどうなる?~H.G.ウェルズの透明人間は目が見えない筈。三日月の光を凸レンズで集めると三日月型。5円玉を熱すると穴は大きくなる。空気1㍑の重さは1.2gで1円玉一個分だが,教室全体だと230kg。1kgの鉄と1kgの綿では,容積の大きい綿の方が大きな浮力を受けるので,綿の方が軽い。地球時点のスピードは1400km/h。人間が落下する際,573m下がるとスピードは一定になる。ストローをティッシュで擦って静電気を生じさせると空き缶や湯飲み,水に浮いた氷を引き寄せられる。~A.ボールは半永久的に南極と北極を行き来する(摩擦や抵抗力は考慮しない)
Posted by ブクログ
内容的には、物理の基礎の基礎を楽しく解説したり、家庭でもできる簡単な実験を紹介しており、子供にもお勧め。
何故透明人間は成立しないか、静電気の意外な力など、紹介されている内容だけで中学物理の半分以上はこの本で片づきそうだ。
Posted by ブクログ
地球の円周を求める計算が面白かった。でも、縦書きの文章だけ読むよりも、読みながら自分で図書いて計算式解くと、スッキリとします。
古代ギリシア人すごい…太陽と月と地球の位置関係、地球が球体であること、井戸に夏至の太陽が綺麗にうつるシエラという町があるという情報、アレキサンドリアに垂直に建てた棒の影の角度、平行な線のさまざまな利用のしかた、比の考え方…いまの私たちなら、当然学校教育で習うけれど、それらを一から発見して証明するのはどれだけ難しいだろう。
Posted by ブクログ
物理どころか理科もあやふやな私には、少し難しい所も多かったのですが、新たな知識を得る事が出来ました。
水圧、気圧、重力、浮力といった、よくわかっていない事がたくさんあるのだなと痛感しました。
また、もう少し易しい本を探してみようかと思います。
Posted by ブクログ
面白くはあったけど、まったく理系がダメな人間にとっては「そこがわからない」というところが「わかってて当然」と理解されてる前提で書かれているようで「???」とだんだん眠くなってきちゃった^^;
Posted by ブクログ
学生向きかな。ー273.15℃(絶対零度 0K)より低温で活動できる物質が存在するかも。逆に重イオン衝突型加速器による金原子核の4兆℃はあっても無限の高温はありえないと思う。地球の速度 時速1400㎞、第一宇宙速度は秒速7800㎞。
Posted by ブクログ
現在は化学系の会社で勤めているので、物理を扱うことは無いのですが、高校時代に物理を学習していた時には、身の回りの現象が数式で表現できることに興味を覚えたものです。ある現象の結果が多くの変数で表されることがわかると、その変数を変更するだけで他の物質や環境での結果を予測できる魔法のツールのように思えました。
さて、この本は左巻氏が、様々なトピックを物理で説明するとどうなるかを解説しています。多くの人が毛嫌いしないようにわざと数式を削除して結果だけを述べたようですが、欄外や付録でも良いのですが数式もあれば私としては楽しかったのになと思いました。
以下は気になったポイントです。
・真っ暗闇の部屋にいた場合、目が慣れてきて周りが見えることはない、光のないところでは見えない。目が慣れてくると見えるようになるのは、わずかだが光があるため(p14)
・透明人間になるとは、体が全部、空気と同じ屈折率になること(p18)
・虫眼鏡で太陽の光を集めた時の小さな丸い点は、実は太陽の像である(p28)
・真皮深部まで達してコラーゲンに影響を与えて深い「しわ」等の光老化の原因になるのは紫外線A波、後に皮がむけるのは紫外線B波によりサンバーンが起きた証拠(p36)
・皮膚がんリスクは、紫外線B波が皮膚の細胞のDNAを損傷するため、この損傷は殆ど修復されるが、紫外線が強いとリスクは大きくなる(p36)
・発泡スチロールと鉄が同じ温度でも、触った時の感じが異なるのは、1)室温は体温より低いこと、2)熱伝導率が金属の方が大きく短時間に熱が金属に移るため(p40)
・金属が熱を伝えやすいのは、軽くて勝手に動きやすい自由電子が熱を運ぶから(p42)
・マイナス273.15度が低温の限界なのは、すべての原子・分子が静止している温度だから(p48)
・冷蔵室の役割は食品を冷やして細菌やカビ(7度くらいから増殖盛ん、12度から急激)の繁殖を防ぐことなので、4度程度にすると良い(p50)
・ふたが取れなくなったときに熱すると取れやすくなるのは、ガラスよりも金属が膨張して(金属ふたの穴が大きくなる)取れるようになるから(p65)
・息の「ハー」は体温で温められた息が出る、フー(口をすぼめる)の場合は、口からの息だけではなく口の周りの空気(体温よりも低い)を巻き込むため(p67)
・かつては「kg重」を使っていたが、現在は力の大きさの単位は「ニュートン:N」を使う(p83)
・もし氷が4℃の水よりも重かったら、湖水や川でも底から凍ることになる、そうならないので、水中生物は氷のカバーに保護されて気温が低くても暮らしていける(p103)
・氷が固体において液体よりも重くならない理由は、水から氷になるときには「すき間」が多くなるような構造をとるため、氷が水になると構造が部分的に壊れて隙間が小さくなり、固体のほうが液体より軽くなる(p103)
・息を大きく吸った時の密度は0.951、吐いたときは1.006であり、これが人間が水に浮くかどうかのポイント(p109)
・綿1キロと鉄1キロは、綿が鉄よりも密度が小さく(体積が大きく)空気中に置いたときの空気を押しのける能力(浮力)が大きいので、綿の方が軽い(p117)
・地球の時速(東京の場合1周3.3万kmとして)は自転スピードから計算すると、1400キロ/時である(p122)
・地球が何十億年もの間、自転・公転をエンジンなしで続けてこられたのは、慣性という性質から(p125)
・人間が落下する場合、573m落下すると等速度運動になる、頭を下にしての姿勢が最も速く時速298キロ、他の姿勢で188-201キロ、雪の斜面はクッション効果が大きいが、水の場合は弱いのでまず助からない(p134)
・象とOLのハイヒールの圧力を計算する(象の体重:3トンは4つの足、OL:40kgは2足で支える)と、ハイヒールの場合(4 MPa vs 0.075MPa)が大きい(p141)
・電流は静電気では一瞬、電圧は数千ボルトでも、電流は数ミリアンペア(p158)
・雷が落ちても車の中にいれば安全、雷電流は車体やゴムの表面を流れるため、これを静電遮蔽という(p160)
・1944年秋から45年春にかけて放たれた9000個の風船爆弾は、1割ほどがアメリカ本土に着いた(p194)
・砂のおもり(バラスト砂)の分析をすることで砂の製造地を5か所に絞り、偵察機を飛ばして放流地を特定し、末期には風船の上昇中に殆ど米国機に撃ち落された(p196)
2012年4月8日作成