左巻健男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ダイヤモンド社
左巻健男 「世界史は化学でできている」
化学史の本。化学が人間の生活を豊かにしたり、病気から守ってくれる反面、麻薬中毒者や戦争被害者を増やし、環境破壊を広げている
ダイナマイト発明者ノーベルや毒ガス兵器研究者ハーバーの「大量破壊兵器があれば、戦争はすぐ終わり、戦死者は 少なくてすむ」という思考がよくわからない
二酸化炭素を排出しない水素エネルギーや鉄鋼製造法、土壌にもどるセラミックスや生分解性プラスチックはもう少し知りたいテーマだった
合成染料技術が医療革命につながったことを初めて知った。日本の有機化学産業や製薬メーカーが 世界から遅れているのは 合成染料技術 -
Posted by ブクログ
以前左巻健男さんの「陰謀論とニセ科学」を読み、とても興味を引いたが、本書も「目から鱗」の内容が多かった。
水とEM菌に関しては、かぶって紹介しているので、かなり気にされていることが分かる。確かに毎日飲む水であり、水道水よりミネラルウォーターの方が美味しく(と錯覚してる?)、安全でミネラルが入っているのだろうと思ってしまうが、実は違うと言うこと。EM菌の開発者はEM菌の効能を放射能を除染できるとか、1200度の高温にも耐えられるとか、使用することで幸せが訪れるなど、科学信奉者でなくても、普通に考えればつい引いてしまうようなことを主張している方らしいが、政治家と結びつき(統一教会の如く)、日本の学 -
Posted by ブクログ
タイトルの通りの本といえば、そうなんだけれど、歴史の中で、化学の発見がどのようになされてきたのか。また、反対に、化学の発見がどのように歴史に影響してきたのか、という本。
当たり前のようになっているけれど、今の私たちの生活は、化学の発見によって成り立っているものに囲まれているわけで、それを改めて、感じさせてくれるいい本だった。
一方で、化学の発見の中には、最初は良い面ばかりと思われていたものの悪影響が後からわかることもあるわけで、また、化学が戦争をより恐ろしいものにしてきた面もあり、
そういった化学の両面をわかりやすく、歴史的な事例を通して教えてくれる本だった。 -
Posted by ブクログ
理科教育(小中高)に関し、主に教科書の記述内容の時代変化をたどりながら理想の在り方や著者の考える方向性を示した新書です。本書によると戦後の理科教育はおよそ10年おきに大きな内容変更があったとのことで、各ステップの変化や各時代の特徴に着目して現代に到るまでの概要を知ることができます。
本書の前半3分の2くらいははいくつか選んだトピックに関して各時代の変化を振り返りながら戦後の理科教育どのように変わってきたか記述されています。私自身も本書でいう00年代~10年代に理科教育を受けた人間であり、自分自身が見聞きした内容との比較の意味でも分かりやすく読むことができました。
後半3分の1は教育指導要