【感想・ネタバレ】こんなに変わった理科教科書のレビュー

あらすじ

カエルの解剖、ショウジョウバエの飼育、有精卵を使った成長観察、かいちゅうや十二指腸虫の感染経路の写真付き解説、たくさんの昆虫や季節の植物など、いまはもうない理科授業。約10年ごとに、理科は大きく変わってきた。新発見や説明法の見直しもあって、かつての常識がいまは非常識だったりすることもある。生活密着の50年代、科学立国を目指した60年代、米ソ冷戦の影響を受けた70年代まで、理科はどんどん難しくなったが、詰め込み教育への反省から80年代以降は精選、厳選へ。けれど2010年代以降、ゆとり教育批判で再び高度化した。理科教科書で戦後日本のあゆみを読み解く。

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Posted by ブクログ

 理科教育(小中高)に関し、主に教科書の記述内容の時代変化をたどりながら理想の在り方や著者の考える方向性を示した新書です。本書によると戦後の理科教育はおよそ10年おきに大きな内容変更があったとのことで、各ステップの変化や各時代の特徴に着目して現代に到るまでの概要を知ることができます。
 本書の前半3分の2くらいははいくつか選んだトピックに関して各時代の変化を振り返りながら戦後の理科教育どのように変わってきたか記述されています。私自身も本書でいう00年代~10年代に理科教育を受けた人間であり、自分自身が見聞きした内容との比較の意味でも分かりやすく読むことができました。
 後半3分の1は教育指導要領や教科書検定などの内容を批判的にとらえながらよりよい教育の在り方に関して論じており、内容に賛同するかはさておき教育への関心を持つド素人の一人として興味深く読むことができました。(個人的には物理や化学の内容においてもう少し数理的な内容を重んじてもよいとは思っていますが、これは少数派であることは自覚しています。)

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2022年08月28日

Posted by ブクログ

理科は好きだったが、こんなに教科書が変化していたのは知らなかった.後半の学習指導要領が出てきた辺りから、話しが面白くなった.文部科学省のいい加減さや教育委員会の杜撰さなど問題点は多いが、教師の力で子供たちが救われているのかな.基本的な考え方を若い時代に身につけることの重要性を痛感した.ニュートン力学と電磁気学をしっかりと学んでおきましょう.

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2022年08月08日

Posted by ブクログ

学習指導要領の変更より、世代によって、指導されている内容が随分違う。

昆虫を三種類だけとか、周期表がないとか、考えたこともなかった。
教育についての必要性とか、意味とか色んな考え方もあると思うが、学問に興味を持つ機会を奪われた可能性もあるし、言っちゃ悪いが、これは理科だけでもなく、「バカ」のまま社会に送り出された可能性もある。

もちろんボクらが学生の頃の要領が良かったのかどうかってのはあるが、改めて、教育と言うものは国家の根幹であることを認識した。

ただ、本としては、中途半端。
もう少し具体的な事例を絞って深掘りした方が興味をそそった気もする。

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2023年04月19日

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