赤尾秀子のレビュー一覧

  • 星群艦隊

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    三部作完結編。派手な戦闘はないが、心理的な描写で、どきどきしながら読み進められる。一度読み始めると、心を掴んで離さない。

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    2018年11月12日
  • 叛逆航路

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    読み応えのある本格SF。さすがに主な賞を総なめしているのも分かる。内容的には原題のアンシラリージャスティスのほうがぴったりくると思った。

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    2018年11月12日
  • 亡霊星域

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    賞総なめの読み応えのある本格SFの続編。本作も前作に劣らずハードなSFだ。心理描写主体なので、アメリカ人には受けなかったのかな?タイトルは、こちらも、原題のアンシラリーソードのほうがぴったりくるし、かっこいいのになと思った。

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    2018年11月12日
  • 動乱星系

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    辺境にある星系国家。有力者の娘イングレイの進む道は…

    ひと騒動の後の彼女の変化した姿勢が頼もしい。少しの自信が心の持ちようを支えてくれる。星を渡り歩ける世界観は想像するしかないけれど、地球という星を今のところ離れられない私たちと共通することはきっとあるのだと思える。

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    2018年10月14日
  • スチーム・ガール

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    久しぶりの小説。

    蒸気機関が異常発達した1900年台初頭(?)のアメリカが舞台。SFではあるものの、SF描写そのものよりも登場人物の心理描写、特に主人公の少女カレンと少女プリヤの恋心への描写がすばらしい。

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    2018年08月26日
  • 君の彼方、見えない星

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    ネタバレ

    「宇宙で窒息カウントダウン」×「追放されて死の間際にようやく結ばれるふたり」×「近未来社会派SF」の3要素を見事に織り交ぜたストーリー。主人公のマックスとカリスは生存の可能性が着実に遠ざかる中でお互いの人生と出会いを振り返り、本当の自由は地球の管理社会から追放されて行き着いた宇宙空間にあったと知るおはなし。古典的な主題ではあるものの緊迫感と切なさが入り交じる良作でした。

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    2018年05月30日
  • スチーム・ガール

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    蒸気機関で動くミシンがモビルスーツ代わりに武器として使うことが出来る19世紀のアメリカが舞台。
    売春宿や黒人保安官や中国人やゲイが主要な登場人物を占めていて、マイノリティばかりを描く独特な描写だ。
    蒸気歩行ミシンが活躍するシーンはちょっとだけなので、殆んどはストーリーと小物のガジェットで楽しむスチームバンクだ。
    面白いけど少し長い。
    設定命と言うわけでもないが、設定を活かしきれているとも言い難い。ビミョーな作品。

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    2018年04月16日
  • スチーム・ガール

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    19世紀後半のアメリカ北西部の港町をモチーフにしたスチームパンク小説。
    ラピッド・シティの高級娼館モンシェリで働く主人公カレンが、別の娼館から足抜けしてきたインド人の美少女プリヤをかくまうところから物語は始まる。
    カレンはプリヤに一目惚れしてしまい、プリヤのために彼女の妹を救出しようとして……っていうお話。
    スチームパンク小説なので、いろいろなアナログガジェットが登場するんだけど、なかでも注目はカレンが乗り込む甲冑型ミシン!(いったいどんな構造なのー?)
    この小説の世界では、甲冑型の機械っていうのはごく普通の工業製品で、甲冑型ミシンもそのひとつ。
    ただ、モンシェリのミシンは、カレンの仲間にしてマッドサイエンティストのリジーが改造して汎用的な動きもできるようになっちゃってる、っていう胸熱なガジェットなのだ。
    敵方のバントル一味は、もっと強烈というか悪辣なガジェットを持っているんだけど、ネタバレになっちゃうからここでは内緒。
    そのほかに自動調理機や手術機(なぜ娼館にあるのかは察して……)なんてのもごく日常的な道具として利用されていて、ガジェット好きにはたまらないかも。
    とはいえ、ガジェットよりも活躍するのが実は馬だったりする、というのもこの小説の面白いところ。
    馬に寄せるカレンの愛憎が、物語を前に進めていく大きな要素になってるんだよね。
    もちろん、クライマックスではガジェット同士が盛大にドンパチしてくれるから、スチームパンクの王道?は外れていない。
    ハッピーエンドで終わるし、敵方もロクでもないやつらばかりなので、スッキリと勧善懲悪エンタメとして楽しむことができる。
    ところで、ラピッド・シティの特徴でもある新道っていうのが絵的によく分からなくて、情景がうまくイメージできなかったんだけど、訳者あとがきでシアトルにそういうのがあった、って書いてあったからググッてみた。
    観光名所になっているシアトルの地下街(Seatlle Underground)がそれで、画像を見てから小説を読むとラピッド・シティの街並みがうまくイメージできるんじゃないかな。

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    2018年01月03日
  • スチーム・ガール

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    ネタバレ

    タイトル通り、スチームパンク×少女たちの物語。なのだが、思ったよりもスチームパンク(SF)要素は少ない。キャラクターはどのキャラも魅力的で、ストーリー後半は怒涛の展開、まさに冒険活劇といった印象。終盤のカレンとイリヤの関係性がとてもよい。あとは、縫い子という表現が新鮮で面白かった(縫い目を解かせる、試着する、などが印象的)。あとはダイナマイトを差し込む(比喩ではなく)も笑った。 SFというよりは、アクション、そして少しの百合の要素が強いような感じ。

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    2022年01月16日
  • スチーム・ガール

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    盛りだくさんな内容で面白かった。思ったより派手なアクションシーンが多かった。縫い子が娼婦の隠語なのは知らなかった。(そこから、という感じだが……。)

    街並みの描写が雑多で魅力的。

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    2017年10月25日
  • 叛逆航路

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    「デビュー長編にしてヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞など『ニューロマンサー』を超える英米7冠、本格宇宙SFのニュー・スタンダード!!!」

    惜しみない称賛が際立つ本書は、アン・レッキーの長篇「叛逆航路」です。前文に加え、アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞、英国幻想文学大賞、キッチーズ賞を受賞。翻訳版では日本の星雲賞(海外部門)も受賞しているようです。良くも悪くも「数多くの賞を受賞した作品」というレッテルを背負ってしまった本書。往々にしてこういう作品は期待値が大きくふれすぎて、案外微妙な印象に終わることが多いのですが…

    しかし、本書。なかなかどうしておもしろい。
    原題は「ANCILLARY」。この単語は「協力者、召使」あるいは「付属品」の意味を持つようで、本書では「属躰」と訳されます。この言葉が本書のキーワードのひとつで、解説の言葉を借りると「宇宙戦艦のAIを、戦闘用に改造を施した人体に上書きダウンロードした生体兵器」を指しています。宇宙戦艦のAIは、戦艦を支配するだけでなく、多くの属躰を管理下におきます。多くの属躰から得られた情報をAIは認識し、属躰もまたそれを共有するのです。このようにAIは属躰から様々な情報を得ることが出来ますが、こういった「ひとつの出来事を様々な視点から切り取る描写」は、本書を特徴付けるところがあって、なかなか刺激的です。
    属躰に加えて、本書の世界観も魅力のひとつです。強力な専制国家ラドチが宇宙を併呑する世界を舞台に描かれる独自で綿密な世界観。その力の入れようは、解説の後に「付録 アンシラリー用語解説」が収録されるほどです。

    さて、宇宙戦艦のAIにありながら、ある事件を経て、たったひとり生き延びた属躰「ブレク」が本書の主人公。ブレクが紡ぐ過去の記憶と、進行する現在の出来事。ふたつの世界が結ぶとき、物語は大きな展開を迎えます。それまでのどちらかというと単調な(しかし、たしかな波乱を予期させる)展開もあってか、ここから食い入るように読み進めることができました。
    ただ、独自の世界観がもたらす設定(例えば、ラドチは性別を意識しないため、すべて「彼女」と呼称する)に加え、最終的に誰が味方で誰が敵なのか、ぼやかして進行される展開には、結構混乱させられました。まあ、それも含めておもしろいのですが。

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    2017年06月25日
  • 亡霊星域

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     前作の叛逆航路を読んだ方ならべらぼうに面白い。
     知覚の届く範囲に偏在するブレクという存在。
     そしてラドチ皇帝に支配される世界が描かれるだけで面白い。
     ラドチ皇帝には世界がどのように見えているんだろう。
     次巻で完結とのことで、翻訳が楽しみである。

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    2016年06月12日
  • 亡霊星域

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    叛逆航路の直接の続編

    三部作の二作目ということだが、期待していたよりも対アナーンダのストーリーが少なく、本当に次で完結するの?と不安になるストーリーテリング。完結編のために張られた伏線はいくつもあるので、次回作に期待する。

    三作目の二作目という位置付けにこだわらず、もっと壮大な物語の中のエピソードの一つだと考えられれば、叛逆航路とは雰囲気が違うものの十分に楽しめる。

    次回作を読めば、本作の位置付けが分かるかもしれない。
    いずれにせよ、次回作が楽しみな内容。

    原書では全部出てるらしいので、原書で読んでしまおうかとも検討している。

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    2016年05月28日
  • 叛逆航路

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    自分の本体を失い多くの自分の分躰の一つになった男の復讐の物語。何千年と生きた戦艦の人工頭脳の中で出会った敬愛する副官。陰謀により無実の罪を皇帝に着せられ、自身の手で殺さなければならなかったオーン副官の敵討ちの旅路。帝国が抱える腐敗の中で、分裂した皇帝自身の人格。真の敵は誰なのか、本格SFで面白い。

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    2016年02月29日
  • 叛逆航路

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    なかなか難解で苦労して読み終わりました。
    登場人物の性別がわからない、
    まあ、でも最後は読み応えがありました。

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    2016年02月13日
  • 叛逆航路

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    ネタバレ

    ニューロマンサーとかとはまた違った読みづらさ。
    前半で「銃」というマクガフィンが提示されるのだけど、しばらくほったらかしで、後半になって急に主人公自身(の歌)も実はマクガフィンだったことがわかる。(バルカン超特急!!)
    主題としては集団人格だったのにひとりになってしまった主人公と、ひとりだったのに分裂してしまった皇帝の対比がメイン。
    スペオペ系ではあるけどキャラ萌え要素も強いので意外と映画化もアリなのでは。

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    2016年01月27日
  • 叛逆航路

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    ネタバレ

    物語の背景把握と、キャラが走り出すまでに時間がかかったが、中盤にあかされるアンシラリーの決意からどんどんおもしろくなる。映画ロボコップ3部作に忠臣蔵を足してちょっと「新しい太陽の書シリーズ」っぽい雰囲気を隠し味に、支配と被支配、人間とAIがからみあうストレートなSF。3部作らしいけど、これはいちおう最後までつきあいたい。これを原作にSWの新3部作とかやってくれりゃいいのに…とか思ったり思わなかったりw

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    2016年01月14日
  • 星の海を駆ける 新世代スペース・オペラ傑作選

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    ネタバレ

    現代スペースオペラのアンソロジー。スペースオペラとは言うじょう、波乱万丈ではまったくない。
    〇イアス・S・バッケル「禅と宇宙船修理技術」ーロボット宇宙船が宇宙戦に生き残った戦争を起こした冷酷な独裁者の救助命令に逆らえないが。
    ・ユーン・ハ・リー「課外活動」ー七連合王国もの
    〇アーカディ・マーティーン「あなたが王だと思っていたすべての色」ー女王のクローンが女王との決闘に臨み反逆を企てる。
    〇アレステア・レナルズ「ベラドンナの夜」20万年周期で銀河を周回し記念イベントを行うが、実は種族は滅びている。哀愁漂う
    ・T・キングフィッシャー「金属は暗闇の血のごとく」
    ・チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」ーカルト惑星に侵入し盗みを企てる。ハチャメチャ喜劇
    〇アリエット・ド・ボダール「包囊」ー母惑星から独立した宇宙ステーション人は母惑星の文化を装うため包囊を身に着ける。ベトナム系フランス女性作家の作品
    ・セス・ディキンソン「モリガン、光へと落ちる」)
    〇ラヴィ・ティドハー「背教者たち」ーユダヤ教の背教者を探るため派遣された裁定者が背教し。
    〇ベッキー・チェンバーズ「善き異端者」ーウィルスが寄生し超空間ナビゲート能力を得るが、共生がうまくいかずに。
    〇アーニャ・ジョアンナ・デニーロ「クイーンズスロートへの旅路」ーMTFらによる女権帝国に対し男権主義者が反乱を起こし一時は帝国は滅亡しMTF狩が始まるが。
    ・アン・レッキー「審判」
    〇サム・J・ミラー「惑星執着者」ー故郷の惑星へのゲートが閉じてしまい宇宙を放浪する男娼が武器商人と会い故郷の通貨を見つける
    ・カリン・ティドベック「スキーズブラズニルの最後の旅」

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    2026年05月16日
  • 亡霊星域

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    前作の疾走感に比べ、今作は会話中心で物語の足取りが重い。なかなか動かない展開にキツさを感じる一方で、私の視覚は描写される色彩に対して異常なほど過敏になっていく。
    アソエク・ステーションの祭事に躍る紫、赤、黄色の神々。人々の纏う緑やピンク、青の晴れ着。それらはこげ茶色と黒の軍服や手袋が持つ無機質な規律と衝突し、私の網膜に鮮烈なコントラストを焼き付けてくる。
    動きがないからこそ、じっと絵を眺めているような気分になる。その静止した世界で、血の赤がやけに鮮やかに見えてしまう。この静寂と色彩の強さが、本作の不思議な手触りなんだと思う。

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    2026年03月23日
  • 動乱星系

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    ある意味で、「破天荒」な主人公が起こすドタバタ物語。

    〈反逆航路〉シリーズのスピンオフともいえるこの物語は、辺境地域での政治的争いと蛮族(異星人)との関わりのなかで、一人の女性が自立していく様子を描く。

    ラドチ(人類、シリーズの本筋世界)とプレスジャー(エイリアン、圧倒的な勢力)の狭間で、出生と〈家〉という概念のなか、主人公インテグレイは冒険の旅にでてしまう。
    行く先々で起こる出来事に泣きながら体当たりしていく様子が、ちょっと面白い。

    〈アンシラリー〉が出てこないのは、少し残念。

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    2024年10月03日