赤尾秀子のレビュー一覧

  • 亡霊星域

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    1エスク19の個人的思いと役割としての使命感、そして交錯する乗船員やステーションの住人の思惑が重ねて描かれていて、多層的に物語が展開されていく感覚が非日常感をもたらして面白かった。星郡艦隊に期待大。韻を踏んだ詩…。

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    2024年07月15日
  • 不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選

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    SFの肝である"センス・オブ・ワンダー"を刺激する題材を絶妙にチョイスしてくるアンソロジストがここで選んだのは「銀河帝国」もの。いくつもの長編シリーズ作品が生み出されてきた古くて新しいテーマが、悠久の時を経たドラマではなく短編世界で描き出されているという素晴らしさを味わえる。

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    2022年10月16日
  • 星群艦隊

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    叛逆航路」シリーズ完結編。

     前作で明らかになった巨大な陰謀。それは最強国家プレスジャーとの間で結ばれた停戦合意が破棄されるほど危険な行為だった。

     プレスジャーはとても強い。ということをなんとなく匂わせてくるが、どれくらい強いのか、どんな宇宙人なのか、は実はよくわからない。無敵の皇帝アマーンダを倒せる唯一の武器を造れるほどの科学力なので、皇帝もプレスジャーのことを最も恐れている。まともに戦えば100%負けるいうことは過去の戦いから明らかだったから、停戦条約を結んだのだけれど、プレスジャーがなんでその申し出に乗っかったのかは実はわからない。価値判断の基準がそもそも違うようだ。まあ宇宙人だか

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    2021年10月26日
  • 亡霊星域

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    「叛逆航路」シリーズ第2弾。

     前作の最後で皇帝アマーンダに艦隊の司令官に任命されたブレクは、宇宙の辺境のにある閉鎖された星系間ゲートの調査に向かう。

     ゲートを管理しているのは宇宙ステーションAI。このステーション内の住民は茶の栽培などで生計を立てている。いわゆる農村地域で、貧しい人が多いのだが、一方で富裕層もいる。居住地域は異なり、富裕層はステーションの上部。貧困層や、アウトロー的な生き方をしているの人たちは‘’アンダーステーション‘’で暮らしていた。

     皇帝の勅命できた司令官ブレクを支配層は歓迎するが、星間国家間で結ばれた重要な停戦条約に違反する、ある重大な秘密を隠していて、それが

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    2021年10月26日
  • 叛逆航路

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    正統SFで、世界観がしっかりしていて、引き込まれた。Ancillaryという概念が面白い。個体差がある多視点の同一人格AIって、クローンで意思共有するより有事に強そう。感情共有、監視ができて、操作できないのか?とか、AIと人との境目はどこか?とか疑問も色々あるけど、個人内の葛藤が大きなスケールになったときに、というのが面白かった。

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    2021年08月08日
  • 不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選

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    扉絵付きな美味しいどこ取りアンソロジー
    が、解説で23編の内16編が厳選というのを見てガッカリ
    何で全部じゃないの?
    版権関係で難しかったりするのかもだけど、
    せめて全編一覧を載せて欲しいよ

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    2021年08月01日
  • ナインフォックスの覚醒

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    ネタバレ

    頭の中の胃袋が、満足する正餐(面白いお話)でした。文句なしの星5つ。
    物理大系を侵食される宇宙の運命と、体制に忠誠を誓う兵士に宿った、大逆人の霊体というちぐはぐバディもの、という時点でもう面白い。

    章区切りで、ある種のシーン描写を省いているな?という疑惑はもちますが、そこはこの作者の味とみなします。

    ただ一点だけ難を申し上げると、解説および周辺の読者の態度。
    著者がFtMでゲイだからって、娯楽作品に作者のジェンダー観が投影されているとか、フェミニズム(最近はうす汚いモノとなり果てた)的読み解きをするのは如何なものかと。
    娯楽作品は娯楽作品として楽しむのが、粋というものです。

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    2020年06月17日
  • 叛逆航路

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    前提の違いに戸惑うことは間違いない。しかし、その前提の違いを当然のこととして進む物語。ふしぎな感覚で読み進めることになる。話も面白いので読み進むことで慣れてくる。独特の感覚を前提とする面白さがあると思います。

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    2017年12月18日
  • 星群艦隊

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    三部作の最終巻。完結編。社会学的なことに興味がありジェンダー関係について考える上で、面白い体験が出来る。そのせいで最初はひどく読みにくい。が、人間それにも慣れてくるから不思議。それならそうという景色を生きることが出来る。この時、特定のあるべき姿から逆算した皮肉めいた設定としていないところにこの作品の素晴らしさと力がある。今とは違う別の景色を体験する。順応する、という不思議な経験をすることになる。これもたしかにSFしてるんだけどこの別の景色を生きてみることは様々な差異を考える上でとても有意義な経験だと思う。話としても面白いしオススメ。

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    2017年12月18日
  • 星群艦隊

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    アメリカの作家アン・レッキー、2014年発表の小説。宇宙が舞台のSF3部作の3作目、完結編です。前2作に劣らず素晴らしい作品。完璧です。

    多くの星々を従えるラドチ帝国での物語り。三千年に渡って多数のクローンとして存在していながらなおかつ一個の人格であった皇帝、その皇帝によって破壊された戦艦のAIの一断片が人間の姿をとっているのが主人公です。
    皇帝のクローンたちが分裂、内戦に陥ったラドチで、一方の側の皇帝から艦隊司令官に任命され辺境の星系の守護任務に就いた主人公のブレク、本作では敵方の皇帝の艦隊と対峙することになります。しかし本心はどちらの皇帝にもつくつもりのないブレク、様々な政治的駆け引きを

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    2016年12月31日
  • 星群艦隊

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    宙の世界。人格のあるAI、AIのふりをする人。論理的な思考と会話の振りをしてもヒトはヒト。仲間と思えるなら信頼できる気がする。AIでも、モチロン。

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    2016年12月05日
  • 星群艦隊

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    三部作の完結編。期待していたような結末ではないけれど、世界観のスケールの大きさを感じさせる結末でもある。

    読み込めば、まだまだ面白そう。反逆航路からもう一度読み直そう。

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    2016年11月14日
  • 亡霊星域

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    ヒトではないのに艦隊司令官。一体どうやって行動していくのだろう、ブレクは。AIにも愛情と呼べるものがあれば憎悪もあるのかもしれない。乗員には人と思われているみたいだったのにそのままで行けなかったのだろうか。
    完結編が楽しみ。

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    2016年07月16日
  • 叛逆航路

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    本格宇宙SF‥‥という言葉に惹かれて。戦艦のAIが人を生体兵器としてそれぞれの脳とシンクロ?している設定に、理解できるかという一抹の不安があったけれど、そう言うもんだと思って読めばそれほどの違和感もなく読めた。ひとり生き残った生体兵器。何千人分の世界からたった一人の世界になってしまったAIは不安定で、理由付けのできない人間のような行動を取るかと思えば理屈で押し通す行動もする。そこが面白いのかも。

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    2016年07月16日
  • 叛逆航路

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    スペースオペラになるのかな?ラドチという専制国家が宇宙の殆どを支配し皇帝が独裁的権限を持っているが、主人公がたった一人で叛逆に挑む。主人公ブレクは元は航空母艦「トーレンの正義」のAIであり、アナーンダの分裂により母艦を失い端末部分である「属躰」1体だけが生き残り復讐を誓う。
    設定は凝ってる。面白い。スターウォーズのような派手なドンパチは全く無いが、ストーリーで読ませる。クライマックスは一応宇宙船外の撃ち合いなんだが、光線銃が出てくるだけでもなく、いわばこじんまりした闘いだ。それでもこれだけ読ませるのだから凄い。
    この小説の為だけの造語が多くて慣れるまでは戸惑う。ご丁寧に末尾に用語辞典まで付いて

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    2016年02月03日
  • 叛逆航路

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    単純に面白かった。
    世界観を受け入れるのに少し時間がかかるが、納得できれば一気に面白くなった。

    三部作らしいので続きが楽しみである。二作目が出る前にもう一度読み直そう。できれば、原書に挑戦してみたい。翻訳とは違った理解ができそうな気がする。

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    2016年02月03日
  • 叛逆航路

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    アメリカの作家アン・レッキー 2013年発表の小説。デビュー長編にして英米のSF文学賞7冠、受賞数で「ニューロマンサー」超えたということですが、「ニューロマンサー」のような革新的な作品ではなく、宇宙を舞台にしたわりとオーソドックスなSF作品。。

    元巨大戦艦のAIで今は一個の人間の姿になっているブレクが主人公。わけあって辺境の星を流離っています。かつては戦艦であると同時に人間を元に作られた数多の「属躰」を操る無敵の存在であったのが、なぜ一個の「属躰」だけの存在になってしまったのか、過去と現在を交互に語りながらブレクの旅の物語りが描かれて行きます。
    強大な帝国の専制君主、多数の分身を持つ皇帝への

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    2016年01月15日
  • レイヴンの奸計

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    前作と比べ、戦闘の他に、シュオス・ミコデズの視点から語られる六連合の首脳たちの権謀など、ストーリーの背後の描写が増え、物語のスケールが大きくなったように感じた。
    独特の文体や表現がされていることもあり一つ一つのシーンを想像するのが少し難しいが、前作と同様、設定や世界観には惹かれるものがある。
    この物語の銀河がどのような結末を迎えるのか、次作も楽しみに読みたい。

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    2025年08月31日
  • ナインフォックスの覚醒

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    SF的な世界観をファンタジーを取り入れて描かれたような印象を受けた。
    独自の用語が多いこともあり、少し物語に入り込みにくいところもあったが、ストーリー設定や世界観はとても面白く、読み応えがあった。

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    2025年05月19日
  • フローリングのお手入れ法

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    『フローリングのお手入れ法』
    著者 ウィル・ワイルズ
    訳者 赤尾秀子(あかおひでこ)

    【帯より】
    猫をソファに上げないこと、床を汚さないこと
    完璧主義の友人宅の留守番を引き受けた
    ぼくの悪夢のような八日間
    恐ろしくもおかしいカフカ的不条理! 

    正に帯にある通りですね。笑 面白かったです。
    (内容はヤングアダルトのノリかな。笑)
    しがない物書きの“ぼく“が暮らすロンドンのアパートは埃っぽい床。そして学生時代の友人オスカーに留守を頼まれたのは高級な無垢フローリング。彼が大切にしているその床に、あろうことか赤ワインの染みをつけてしまい、その修復に悪戦苦闘する八日間のお話です。留守宅では“ぼく“の

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    2024年10月06日